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あなただけじゃない!本当は多い女性の排尿トラブル(講演概要)

2016年12月24日(土)開催:杏林大学公開講演会

 杏林大学医学部泌尿器科学教室 医員
 金城 真実




    ○講演概要
     女性の骨盤底障害(骨盤底筋群が緩むことによって生じる疾患)は決してまれではありませんが、恥ずかしさやどこに受診していいかわからないなどの理由から困っていても受診に至らないケースが多い疾患です。直接生命に影響を及ぼすことはまれですが、生活の質(Quality of Life:QOL)を著しく低下させます。すべての女性は骨盤底障害を生じる可能性がありますが、自分自身での予防・治療が可能な場合があり、まずは疾患をよく知っていただくことが大切です。

     おもな女性骨盤底障害(女性泌尿器科疾患)には腹圧性尿失禁(腹圧がかかった時に尿が漏れる)、過活動膀胱(急にトイレに行きたくなりそのためにトイレが近かったり、行きたくなったりした時にトイレまで間に合わずに漏れてしまう切迫性尿失禁も含みます)、骨盤臓器脱(骨盤内の臓器である膀胱、子宮、直腸、小腸などが膣から出てきてしまう病気です)、また少し病態は違いますが間質性膀胱炎(急性細菌性膀胱炎のような症状ですが、尿検査では感染は認めず、いつも尿意を感じるためトイレが近くなり、ひどくなると尿が溜まってくると痛みが出てくる疾患です)があります。前3者はいずれも骨盤底筋群の弛緩が大きな原因の一つであるため、骨盤底筋体操はいずれの疾患にも有効です。正しく(ここが重要です)、継続的に行うことで多くの人はその効果を実感できます。また日常生活を見直すことも大切です。骨盤底筋群は腹圧によりさらに緩みやすくなります。腹圧がかかることを避ける(減量、便秘の改善、重いものを持ちすぎないなど)ことで軽減することも多いです。また頻尿の方で注意してもらいたい事は過剰な水分を摂っていないかという事です。脱水はもちろん体に悪いですが、たくさん飲みすぎても余った分は尿になるため当然頻尿の原因となりますので適切な水分量を心がけて下さい。

     一方、日常生活を見直し、骨盤底筋体操を行っていても中々効果が上がらない、または不十分でお困りの場合は医療機関への受診をお勧め致します。腹圧性尿失禁では侵襲性の低い手術治療(1時間もかからない手術です)が非常に有効ですし、過活動膀胱には薬物治療が多くの場合に有効です。骨盤臓器脱ではペッサリー治療も保存治療として有効で、根治治療の手術治療は劇的に症状を改善させます。 一人で悩まず、病気を知って困るなら医療機関を受診してみましょう。


    2016年12月24日(土)『あなただけじゃない!本当は多い女性の排尿トラブル』
    杏林大学医学部泌尿器科学教室
    医員 金城 真実




    杏林大学 広報・企画調査室




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