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公開講演会・公開講座

介護予防とリハビリテーション   −呼吸法も取り入れた運動療法の実践(講演概要)

2018年1月20日(土)開催:杏林大学公開講演会
保健学部理学療法学科 講師 一場友実



    ○講演概要

     平成27年度我が国の死亡原因の1位は悪性新生物、2位心疾患、そして3位は平成23年度より脳血管障害を抜いて肺炎となりました。脳血管障害の死亡率は減少の一途をたどっているのに対し、肺炎・心疾患・COPD(慢性閉塞性肺疾患)など呼吸・循環器系の死亡率は年々増加している現状にあります。また要介護原因の1位は認知症、2位は脳血管疾患、3位高齢による衰弱と死亡原因と要介護原因は異なることがわかります。この現状を踏まえ死亡原因・要介護原因に対する予防・対応策を紹介します。

    1)肺炎予防
     肺炎と喫煙の関連については周知の通りで、タバコを吸わない方に比べ、1日に21本以上吸う方は3倍肺炎になりやすいことが報告されています。またCOPDは現在日本においては男性の死因の第8位、全世界では第3位でありますが、このCOPDの発症原因の90%が喫煙であります。禁煙外来も昨今認知されてきておりますが、肺炎予防・呼吸器系の死亡率の減少のためにも禁煙は必須のものであります。
     また肺炎の原因として70歳以上の肺炎患者の80%は誤嚥によるものであり、この嚥下障害は疾患を有する方のみではなく、65歳以上の高齢者の40%、認知症の方では84%に嚥下障害が発症すると報告されています。
     嚥下障害を見分ける簡易テストである反復唾液嚥下テストを実施し、予防策として口腔ケアの方法、口すぼめ呼吸などの口腔機能のトレーニングを実施しました。

    2)認知症、骨折・転倒予防
     認知症患者は2025年には700万人を突破し65歳以上の5人に1人の割合になると発表されています。認知症と身体活動には関連があり、社交ダンスなどの運動をしている方に比べ、運動をしない方は4倍も認知症発症のリスクが高いと報告されています。また高齢者の4大骨折として橈骨遠位端骨折、大腿骨頚部骨折、脊椎圧迫骨折、上腕骨頚部骨折がありますが、加齢とともに筋力低下は著しく、60歳代では年15%、70歳代では年30%減少します。特に上肢筋に比べ下肢筋の筋力低下は顕著であり、膝の伸展筋群では30−70歳の間に筋パワー発揮能力が約50%も低下することがわかっております。
     さらに筋力低下は転倒の危険因子として最も高く、筋力が低下すると4.4倍も転倒の確率が高くなることが明らかになっています。
     転倒の危険予測のテストである片脚立位保持、Time up&Goテストなどを紹介し、転倒・骨折予防また健康寿命の延伸のための自宅で行える筋力トレーニングを呼吸法も併用しながら6種目実践を行い、運動・呼吸機能の維持・改善を図る講演を行いました。

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