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平成22年4月 杏林大学入学式

学生生活で“しっかりとした形”を学んでほしい

杏林学園の大学院3研究科、4学部、看護専門学校に入学された1359名の皆さん、私ども杏林学園の教職員一同は、皆さんを心より歓迎いたします。
この中には、61名の留学生の方が含まれておりますが、外国からの方々を大きな期待とともに、お迎えしたいと思います。

杏林学園は、1966年に初代の理事長である松田進勇先生が開設された杏林学園短期大学をその第一歩としております。 1970年には医学部が、次いで1979年に保健学部、1984年に社会科学部(現在の総合政策学部)、1988年に外国語学部が開設されました。 人文科学系、社会科学系、自然科学系、医学系の4学部からなる総合大学として今日に至っております。
この間に、医学、保健学、国際協力の大学院3研究科、医学部付属看護専門学校が設置され、今までに約3万人の卒業生が本学を巣立っております。

さて杏林学園の「杏林」の名の由来は中国の故事によります。中国の廬山に董奉という名医がいて、患者から治療代を受け取る代わりに、杏の木を植えさせたところ、それがやがて広大な杏の林になりました。そのようなことから後世良医のことを杏林と称するようになりました。本学の校歌にも董奉という名前が出てきますので、ぜひ校歌を覚えてこの名前も脳裏に刻んでいただきたいと思います。
杏林学園にはこの三鷹キャンパスと、八王子に広いキャンパスがあります。2つのキャンパスではたくさんの杏の木が植えられているほか、緑も多く、非常に環境のよいところです。

それぞれの大学は建学の精神に基づいて教育が行われています。
杏林大学の建学の精神は、「真・善・美の探究」です。真は真実・真理を究めるための謙虚な姿勢を表し、善は健全な倫理観に支えられた善き人間性・人格を備えることで、美は他者を尊重する美しい生き方です。
私どもは、建学の精神を具体化するために様々な取り組みを行っており、これにより社会が求める人材を育てていきたいと考えています。

入学生の皆さん、私が学長として皆さんに学んでほしいことがあります。
杏林大学での学生生活で、ぜひ“しっかりとした形”を学んでください。
教育や学問、教養、最近ではリベラルアーツという言葉で語られていること、これらはいずれも関連した内容なのですが、この基本にあるものは“しっかりとした形”を学ぶということです。
つまり、文献の検索の仕方、発表の仕方、論文の書き方という学問的なこともさることながら、挨拶の仕方、食事の仕方、講義の受け方など、様々な形を学ぶということです。
学問、研究の分野は形を学ぶことから始まります。私たちが実験を始める前には、多くの基礎的なことを学び、実験のやり方をしっかりとまねることからスタートします。そして試験管の使い方、試験管の洗い方など様々なことを学んで、基礎をしっかり身につけ、それがやがて独創的な研究へと至るというのが道筋であります。
ですから杏林大学の一員として“しっかりとした形”を学んでください。それを自己のものとしていく、そして杏林学園での生活を意義あるものとしていただくのが私の希望です。
本日入学された皆さんが充実した学園生活を過ごされることを祈って、学長の式辞といたします。

2010.4 平成22年杏林大学入学式式辞より