受験生サイト サークル紹介 学生支援ポータル 学納金サイト  [在学生・保護者専用]

知ろうとする心を持ち続けてほしい

平成25年度秋学期入学式にあたり、学長としてご挨拶を申し上げます。
医学研究科、保健学研究科、国際協力研究科、外国語学部に入学された皆さん、おめでとうございます。今日は、台風一過で大変さわやかな日となりました。ここ八王子キャンパスからも、世界遺産に選ばれた富士山の綺麗な姿を見ることができます。
 
杏林学園の歴史は、1966年に初代理事長である松田進勇先生により、現在の三鷹キャンパスに杏林学園短期大学が設立されたことに始まっています。1970年には医学部が、その後、保健学部・総合政策学部・外国語学部が相次いで開設され、この間、先ほどの3研究科、そして看護専門学校が併設されております。規模を見ますと、新入生の方を含め学生は5,000名を超えておりますし、教員が1,000名を超え、また職員も2,000名を超えるという組織であります。

杏林学園の建学の精神は、“真善美の探究を心がけよ”です。真は真実・真理を究めるための謙虚な姿勢を表し、善は健全な倫理観に支えられた善き人間性・人格を備える事で、美は他者を尊重し、自己を律する事ができる美しい生き方を意味しています。私たちはこの建学の精神を基礎に、社会で活躍する人材、社会が求めている人材を育成していきたいと考えております。

皆さんが学ばれる杏林大学は、文部科学省の大きなプロジェクトである「グローバル人材育成推進事業」と「地(知)の拠点整備事業」に応募し、採択されております。つまり、世界で活躍する人材と地域で活躍する人材を育成する大きな事業に採択された、数少ない大学の一つであります。まさに、“moving global” “staying local”という国際的な視野と地域への貢献、これが本学の車の両輪となっていることを意味しています。
グローバル人材の育成については、外国語学部を中心として英語・中国語・日本語のトライリンガル教育を実施しているほか、八王子キャンパスには語学を学ぶための英語サロン・中国語サロンが充実し、様々な視聴覚で語学を学べる体制も整っております。
加えて本年度からポール・スノードン副学長を迎え、グローバル教育を更に推進していくことにしております。スノードン副学長は、国際教育の分野で極めて有名な方です。中国から来られた学生も、そして日本から進学された方々も、是非本学のグローバル教育について期待していただきたいと思います。

一方、地域との連携や交流は、地域交流推進室を中心に全学で取組んでおります。特に、三鷹市・八王子市・羽村市との協定を通じて、大学が持つ資源、リソースをいかに活用するか、この重要な課題に取組んでいます。このために、杏林大学にこの事業を研究する施設「杏林CCRC研究所」を立ち上げました。そこでは地域の様々な課題が研究されることになっています。これらにも、学生諸君の積極的な参加、活発的な行動を期待します。

学習や研究において何が大切でしょうか。これは答えが出るものではありません、たくさん必要な事があります。私はその中で、ぜひ諸君に覚えておいてほしいことをお話します。それは何よりも先ず、知ろうとする心を持ち続けることです。知りたいという気持ち、それが大切です。イギリスのバートランド・ラッセル卿は、「必要なのは、信じる心ではなく、それとは反対の知ろうとする心である」と言っています。色々な分野で必ずしも、信じる心と知ろうとする心が対峙するものではないと考えられますが、科学“science”を学ぶ時には、まず真剣に知ろうとする姿勢が大切であることは間違いありません。
杏林大学で共に学ばれる皆さん、私たち教職員はあなた方を心より歓迎し、さまざまな支援を惜しみません。どうぞ本学での生活を楽しんでください。

平成25年9月入学式 学長式辞より
2013.10.17