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第119回 日本解剖学会総会・全国学術集会 学生セッションで2グループが発表

右から池崎隆三郎さん、原田巽矢さん、小川晃汰さん

右から池崎隆三郎さん、原田巽矢さん、小川晃汰さん

右から古明地康平さん、安藤稔彦さん、大貫朋也さん、中村祐太さん

右から古明地康平さん、安藤稔彦さん、大貫朋也さん、中村祐太さん

3月27日から29日に自治医科大学で開催された日本解剖学会総会・全国学術集会で本学の医学部生2グループ(7人、発表当時2年生)が学生セッションに臨みました。
学生セッションは27日に行われ、肉眼解剖学、細胞生物学、神経系解剖学、歯・口腔、骨・筋系、脈管・血液・リンパ、泌尿器、教育の各分野に合わせて40のグループが発表を行いました。本学の2グループはいずれも肉眼解剖学の分野での発表でした。
2つのグループは、実習中に偶然発見した腎臓の形態の奇形一種や動脈通路変異などを詳しく調べ、観察や記録を資料としてまとめました。池崎隆三郎さん、原田巽矢さん、小川晃汰さんの3人は「実習で見られた馬蹄腎の観察」、安藤稔彦さん、古明地康平さん、大貫朋也さん、中村祐太さんの4人は「鎖骨下動脈通路の変異−両側鎖骨下動脈が前斜角筋前面を通る1症例−」として発表しました。

■発表学生の感想

学生セッションに参加して [池崎隆三郎、原田巽矢、小川晃汰]
本セッションへの参加を後押しいただき、さらに文献の調べ方や発表の仕方まで丁寧に教えてくださった解剖学の松村讓兒先生、灰塚嘉典先生に感謝しています。観察や記録の仕方など、ほぼマンツーマンで指導していただき、普段の実習以上の充実感がありました。これらをとおして研究のやり方などを覚えることができました。また、他大学の中には英語で発表するグループや非常に時間をかけてまとめあげた研究もあり、大変刺激を受けました。そして私たちの発表を聞き、感想やアドバイスをくださった他大学の先生方にも感謝しています。
3年生ではさらに多くのことを学びますが、今回の経験を活かして何事にも積極的に取り組んでいこうと思います。

学生セッションに参加して [代表 古明地康平]
鎖骨下動脈が斜角筋隙を通ることは知識として認識していました。ところが実習中に確かめてみると、鎖骨下動脈が斜角筋隙を通っておらず、先生に質問したところ大変珍しい変異で、国内では過去にもごく少数例程しか発表されていないことがわかりました。
貴重な変異でしたので、学会で発表する運びとなったのですが、そこからが試練の連続でした。前期の解剖学実習の後も、9月から3月にかけて実習では不十分だった部位の剖出を進めましたが、その度に新たな変異が発見され、学会発表が間近となっても終わりがみえず不安が募りました。何十回も剖出とスケッチと文献を調べる作業を繰り返し、また解剖学の天野カオリ先生に指導をいただき、なんとか発表の準備ができました。
学会発表の直前まで、難しい質問や、厳しい指摘を受けるのではないかと不安で一杯でしたが、発表を聞いてくださった全国各大学の先生方からはむしろ、よくぞここまで頑張ったとお誉めの言葉をいただきました。学会では解剖学に関する幅広い研究や他大学の学生の発表に大変刺激を受けました。学生のうちに学会の雰囲気を味わえた事は、これから医療者、研究者として生きていく上で大変有意義な経験でした。



■学生を指導した解剖学教室 松村讓兒教授の談話
学生にとって、文献を調べる、データや画像を資料としてまとめる、発表する、などの一つひとつが初めてのことでした。この過程で図書館職員や他大学の先生方など多くの方に協力してもらったことと思います。これから学会発表の機会は何度もあると思いますが、これは最初の一歩です。何より彼らにとって、授業や実習、日々の学習以外の時間をやりくりしながら、協力して「発表」という一つの形を残せたことは、自信になるでしょう。カリキュラムの関係で忙しい医学生ですが、学会発表に限らず、学びのなかにある面白さを味わってもらいたいと思います。


2014.4.15