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総合政策学部教員がタイ・ラチャパット大学付属小学校で健康教育を実施

 9月7日から10日にかけて、私と北島 勉教授は、タイのチェンマイラチャパット大学(2013年3月大学間協定締結、以下"ラチャパット大")を訪問しました。今回の訪問では、継続中のHIVに関する研究の進捗状況を確認するとともに、ラチャパット大付属小学校の5年生を対象に、ワークショップを行いました。ワークショップでは、ラチャパット大のSaiyud先生の協力のもと、マサチューセッツ工科大学が開発し、iPad用に改良されたPyonkeeというアプリを使って、健康に関するクイズの作り方を指導しました。ラチャパット大の公衆衛生学科の学部生4名と、同大学に留学中の総合政策学部3年生中條貴美子さんがティーチングアシスタントとして参加しました。

 全ての生徒は家ではモバイル端末を利用していましたが、学校でタブレットを使ったり、プログラムを作ったりした経験はありませんでした。今回のワークショップの目標は、ipadを使った指導法がタイの学校で有効かどうかを確かめること、双方向のクイズを作ることを通して、健康について彼らがどう理解しているのかを発表させること、そして、杏林大学とラチャパット大との共同研究を進めることでした。

 今回のワークショップは成功裏に終わりました。生徒達は熱心に課題に取り組んだだけではなく、これまでの経験をもとに限られた時間の中で、先生が正解出来ない難しいクイズを作り、先生方を驚かせました。教育研究の観点からは、このワークショップは、教育現場においてテクノロジーを利用することの恩恵を得るには効果的な教育が鍵であるという、これまでの研究成果と、Pyonkeeは、教師にとっても生徒達の理解度を知るための良いツールになりうるということを示しました。現在の教育では、知識を得たことを証明するための方法をテストに頼っていますが、テストの活用のされ方や、伝達や行動変容に関する幅広いエビデンスを、生徒達は深く学習しているのではなく、与えられた課題が終わるまで作業メモリーに情報を保管しているだけかもしれないということをほのめかしています。ラチャパット大との共同研究において、私達は教育と政策分野の重要な課題に貢献できると考えています。この知識体系への貢献は、多くの分野の専門的な活動に対して大きな影響を与える可能性があると思われます。

英文での報告はこちら

総合政策学部教授 マルコム・フィールド
2015.9.28

右から3人目:フィールド教授、5人目北島教授

右から3人目:フィールド教授、5人目北島教授