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本学の27年度COC事業をめぐり羽村市等連携3市と意見交換

杏林大学の27年度のCOC事業を報告し、羽村市など連携3市との間で今後の活動の在り方などについて意見交換する第3回杏林CCRCラウンドテーブル・第4回CCRCフォーラムが2月13日(土)、羽村市で開かれました。

羽村市生涯学習センター「ゆとろぎ」で開かれたこの日の会合には、並木心羽村市長や清原慶子三鷹市長、八王子市長代理の大野哲宏市民活動推進部長ら連携市から約20名と本学から松田剛明副理事長や跡見裕学長ら24名が参加しました。

第4回杏林大学・地(知)の拠点整備事業CCRCフォーラム


このうち第4回杏林大学・地(知)の拠点整備事業CCRCフォーラムでは、始めに跡見裕学長が挨拶し、本学COC事業の経緯を説明した上で、「文科省事業としてはあと2年あるが、補助事業終了後も本事業を継続発展させるべく整備をしていきたい。そのためのご意見、ご提案をお願いしたい」と、今後も地域との連携を推進していく考えを示しました。続いて本学から「大学全体および教育の地域志向化」、「研究」、「社会貢献」の3つの観点で27年度の活動実績などを報告しました。

跡見裕 学長

跡見裕 学長

古本泰之 地域交流推進室長

古本泰之 地域交流推進室長

まず、「大学全体・教育」について地域交流推進室長の古本泰之外国語学部准教授は、大学の地域志向化として「学内で杏林CCRC拠点推進委員会を隔月で開催し、事業のPDCAサイクルを行っていること」や「昨秋には『杏林・羽村コモンズ』を開催し、杏林大学教員・市民の代表者・市職員によるトークセッションを行ったこと」などを紹介し、大学あげて地域との連携に取り組んでいることを説明しました。また、教育の地域志向化については、「1年次において地域と大学とのかかわりに関する科目を必修化したこと」や「地域志向科目を増やしたこと」など、今年度の具体的な講義を例にあげて紹介しました。古本地域交流推進室長は「これらの取り組みにより地域と大学とのかかわりに関して学生の理解度が向上する成果があった」と述べ、次年度には各学部の「地域と大学」の講義を一部4学部合同で実施することなど新たな展開を報告しました。

蒲生忍 杏林CCRC研究所所長

蒲生忍 杏林CCRC研究所所長

石井博之 地域交流推進室副室長

石井博之 地域交流推進室副室長

次に、「研究」について杏林CCRC研究所所長の蒲生忍保健学部教授は、同研究所の役割として「知」の創造・普及・実践の3つの取り組みを説明し、「教員から地域志向教育研究を公募し、27年度9件実施したこと」や「杏林大学と地域医療を特集した杏林医学会雑誌を刊行したこと」、「新しい生涯スポーツとしての理解とCOC連携市における普及の可能性を探るための研究所企画の『ボッチャ』連続講座を開催したこと」など、同研究所の「知」の発信例を紹介しました。そして来年度もこれらの事業をさらに発展させるとともに、“持続可能な都市型高齢社会の実現を目指す”杏林CCRC構想のもと、補助事業終了後を視野に入れた継続的な活動を進めていく必要性を強調しました。

また、「社会貢献」について地域交流推進室副室長の石井博之保健学部准教授は、社会貢献の3つの柱である「生きがい創出」「健康寿命延伸」「災害に備えるまちづくり」について、三鷹市で行った子育て支援プログラムや羽村市における生涯スポーツの機会提供プログラム、八王子市におけるAED指導・応急救護指導や八王子キャンパスで行った防災訓練など今年度の数々の地域活動の実践例を紹介し、それらのプログラムが地域に受け入れられ、学生への教育に対しても有意義な活動になっているのを実感していると報告しました。

並木心 羽村市長

並木心 羽村市長

清原慶子 三鷹市長

清原慶子 三鷹市長

これらの実績報告に対して3市の市長らから意見が述べられ、羽村市の並木心市長は今年度の本学の羽村市内での地域活動に謝意を表するとともに、「羽村市では平成24年度に羽村市生涯学習基本条例を制定し、ライフステージにあった市民の新たな学びを推進しており、ぜひ協力を願いたい。市として杏林大学との連携に全力で取り組んでいく」と今後も協働していくことを約しました。また、三鷹市の清原慶子市長は「地域が活力を失っているのではないかという不安が広がっている中で杏林大学の存在は大きく、本日のフォーラムでCCRC事業が多様に広がっていることを実感した。地(知)の拠点事業の強みは関わる人たちを元気にすることで、学生たちのたくましさが“地域の元気”に結びついている。COC事業を心から応援し、市として責任の一端を果たしたい」と述べるとともに、「地域住民を対象にした本事業の『生きがいづくりコーディネーター制度』については、市として参加した方々が活躍できる場を提供しないといけない」と語り、受け皿を検討する考えがあることを示唆しました。さらに八王子市の大野哲宏市民活動推進部長は「災害関係でAEDや応急救護活動が市民の間で広がるのは“共助”の立場からも必要で、今後も続けていただきたい。事業の発展を祈念している」と語りました。最後に松田剛明学園副理事長が挨拶し、「本事業で自治体職員も学生も教員も得るものが大きいと聞き、双方向の協力が深まる貴重な場だと感じた。地域の活力へ今後も貢献をしたい」と締めくくり、2時間に及ぶフォーラムを終えました。

大野哲宏 八王子市市民活動推進部長

大野哲宏 八王子市市民活動推進部長

松田剛明 学園副理事長

松田剛明 学園副理事長

フォーラムを挟んで本学と自治体等の関係者が意見交換する杏林CCRCラウンドテーブルが開催され、フォーラム開始前の1部では松田副理事長や跡見学長等と3市の市長等による懇談が行われました。フォーラム終了後のⅡ部ではそれぞれの実務担当者が一堂に会し、具体的な活動事例をもとに事業の発展に向けて意見が交わされました。この中で、大学側から教員ら7名がそれぞれ実施した今年度の活動事例を紹介し、自治体に対して、協働による各活動のブラッシュアップとともに「学生の地域活動への参加は社会からの学びとなって反映させなければいけないので、学生を育てるという視点で協力をお願いしたい」と要請しました。自治体の側からは各市の事業への本学の協力を求めるともに、「学生は単なるお手伝いではなく、スタッフとして入ってもらいたい」「学生にとり活動参加が真に糧とならなければいけない。地域で揉まれて社会に出ることが必要であり、大学にとっても自治体にとっても良い関係を続けていきたい」と応じていました。また、本学が課題の1つとしている生きがいづくりコーディネーター制度については前向きに検討するという意見があった一方、「地域住民にとっては曜日面、時間等でハードルが高い点もある」と述べる自治体もあり、今後の課題として残りました。最後に古本地域交流推進室長が「29年度までの補助事業が終わった後、事業をどう継続させていくかは新年度以降考えたい」と語りかけ、この日の日程をすべて終えました。

杏林CCRCラウンドテーブルⅠ部

杏林CCRCラウンドテーブルⅠ部

同Ⅱ部

同Ⅱ部

次回のラウンドテーブル・フォーラムは来年同時期に杏林大学井の頭キャンパスで行われることになっています。

2016.2.15