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医学部感染症学の小林富美惠教授が日本原生生物学会賞を受賞

 10月8日から10日にかけて岡山大学津島キャンパスで開催された第49回日本原生生物学会で、医学部感染症学の小林富美惠教授が同学会最高位の学会賞を受賞しました。

 日本原生生物学会は、テトラヒメナやゾウリムシなどを研究対象としている理学畑の研究者と、トキソプラズマやマラリア、赤痢アメーバなどを研究材料としている医学畑の研究者とが中心となって、原生生物に関する研究をすすめ、その知識の普及、向上を図ることを目的に1967年に設立された“異分野連合”学会です。2年前にそれまでの「日本原生動物学会」から現在の「日本原生生物学会」に名称が改められ、小林教授は現在同学会の副会長を務めています。
 10月8日から3日間、岡山大学津島キャンパスで開催された今年の学会において、小林教授は大会2日目の9日、学会賞受賞者として表彰され、30分にわたり学会賞受賞者講演を行いました。
 受賞対象となった研究テーマは「マラリア原虫感染に対する宿主免疫機構」で、小林教授が長年に渡って追究しているテーマの一つです。小林教授は、ウィスコンシン大学留学中にマラリア防御免疫におけるT細胞の重要性に着目し、帰国してからは、自然免疫様細胞として注目されているγδT細胞や抑制性サイトカインのマラリア免疫における役割について研究を進めてきました。今回、これらマイナーな細胞集団や液性因子が、どのようにしてマラリアにおける防御免疫や重症化に関わるのか、そのメカニズムを解明した研究が、新規性の高い優れた研究として高く評価され、表彰の中で最高位の学会賞受賞となったものです。
 受賞について小林教授は「原生生物を材料として分子進化学、分子系統学、分子細胞学などの研究をしている先生方の多い学会で、医学畑から初めて学会賞を戴くこととなりました。医学部に所属する研究者として、今後も寄生虫感染症の理解を深めていくと同時に、今回の受賞を励みとして、原虫という生命体と宿主との鬩ぎ合いにさらに興味をもって研究を進めて行きたいと思います」と話しています。

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左:学会賞を受賞した小林教授 右:沼田 治学会長(筑波大学大学院教授)

2016.10.12