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台湾国立政治大学留学体験記

私の台湾留学体験記               

外国語学部 中国語・日本語学科3年 宮地 佐矢子

私は二〇〇九年九月から約一年間、台湾の国立政治大学に留学しました。これが私にとって初めての留学でしたので、留学が決まり実際に現地へ行くまでの間は、台湾で勉強することに対して楽しみで気持ちが浮き立つ一方、外国で生活をすることへの不安も少なからずありました。しかし、同じ学部の友人と二人で留学しましたので、彼女の存在は大変心強く、留学前も留学中も何かと私の不安を和らげてくれました。
 台湾での留学経験のある先輩や、国際交流センターの方に懇切丁寧なアドバイスをいただきながら順調に出発準備を進め、八月の末に私達はようやく台湾へ出発しました。約二時間半の空の旅を終え桃園空港に降りたち、外に出た瞬間に受けたあの独特な湿気を含んだ風を今でも忘れません。それから学校が始まるまでの数日間、蒸すような暑さの中で、汗をダラダラ流しながら友人と台北市内の観光を楽しみました。台湾情緒あふれるものを見ては二人で感動し、互いに「台湾に来たのだ」という実感を噛み締めました。
 学校が始まり、私を悩ませたのは文字でした。日本の大学では、簡略された中国大陸の文字をずっと使ってきたので、この複雑な台湾の漢字に慣れるまで少し時間がかかりました。例えば、「病院」の中国語は「医院」ですが、これは台湾の漢字では「醫院」と書きます。漢字に慣れ親しんでいる日本人でさえ慣れるのに大変なのだから、漢字圏ではない西洋人の学生にとっては非常につらいものだと思います。台湾中国語はこの他に、使う単語やイディオム、発音、声調も少し大陸のものとは違います。
授業は最高十人程度の少人数クラスで、途中で短い休憩を二回はさみ、一日三時間行われます。クラスメートはとても国際色豊かで、私の第一セメスターのクラスメートは、チベット族、ロシア人、パラグアイ人、オランダ人でした。授業では政治や文化など様ざまなトピックが用いられ、その度に彼らから次々と「私の国では...」、「私の民族は...」などと意見が飛び出します。言語を学ぶ傍ら、授業を通してたくさんのことをクラスメートから学びました。
 授業は教室の中だけで行われるのではありません、政治大学では課外授業もあるのです。台湾の老舗の菓子工場で実際に伝統菓子を作ったり、陽明山(ヤンミンシャン)という紅葉がとても美しい山にハイキングに行ったり… 各セメスターごとに、そういった多様な課外授業が最低一回は行われます。
 大学の言語センター主催のイベントも豊富に用意されています。例えば、「華語班成果発表会」。ここでは希望したクラスが出場し、出し物を通して各々の中国語の学習成果を発表します。発表の形はなんでもよいのです。皆で歌を歌ってもいいし、ショートムービーを作ったクラスもありました。私達のクラスは、「シンデレラ」を中国語で演じました。私は継母の役で、クラスメートと共に慣れないダンスまで披露しました。監督である先生の鬼のような厳しい指導と、皆の団結力のおかげでなんと二位を獲得しました。入賞者には賞金の他に記念のDVDが贈られたのですが、自分の拙い中国語で必死に演技している姿や、ダンス姿を見る勇気がなく未だに見ていませんが、大切な思い出として戸棚にしっかりとしまってあります。
 留学中には、クラスメートのほかにたくさんの台湾人と交流することができました。政治大学の日本語学部の教授や、国際ボランティア員の友人からの紹介など、学校内外で数多くの出会いがありました。彼らと台湾の原住民が住む小島に旅行し、伝統的な料理を食べたり、スキューバダイビングをするなど楽しい思い出ができました。台湾政府企画のショートホームステイにも参加し、台湾人の家族と三日間生活しました。ホストマザーの作る手料理をいただいたり、短い期間でしたが、まるで家族の一員のように迎えてくれたことがとても嬉しく感じました。
 一年というものは本当にあっという間です。しかし、私はこの一年で、十年分にも相当するだろうたくさんの得がたい経験をしました。とても有意義な留学生活だったと思います。政治大学や、私を色々な面でサポートしてくれた先生方や友人達に心から感謝しています。

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