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第1回杏林コモンズ、第2回杏林大学・地の拠点事業CCRCフォーラムを開催

○第1回 杏林コモンズ 12:30〜13:30
参加者:
濱仲純子(三鷹市子ども政策部子育て支援課長)
清水節子(三鷹市子ども家庭支援センター長)
向井百重(三鷹市民生児童委員協議会会長)
小林七子(NPO法人子育てコンビニ代表理事)
加藤雅江(杏林大学医学部付属病院医療福祉相談室課次長)
古本室長
蒲生所長
熊井准教授
(記録:松井特任助教、多田CCRC研究所事務)

第1回杏林コモンズには、CCRCフォーラムのパネリスト及び本学から室長、所長、熊井保健学部准教授が出席し、活発な意見交換が行われました。
 最初に古本室長からCOC事業の趣旨説明及び研究活動・研究所の紹介が行われ、出席者から杏林大学への要望を募りました。蒲生所長は、杏林大学の地の拠点事業に関して、地方の高齢化と比べた場合の都市の高齢化問題の難しさという観点から、いかに持続的な発展を考えていくのかという問題提起を行いました。また、既存の対策案とは一線を画した方向性を打ち出していくために、他分野の人間など、第三者の目を入れることが重要であるとしました。
 加藤氏からは、三鷹は精神保健分野で積極的に取り組んできており資源は多いため、それと大学医療のリンクを作ることが提案されました。自殺企図者は病院に行ってもすぐ退院する必要があり、何回も繰り返してしまうため、そのような人々のケアに関して大学と協力する可能性が議論されました。これに対し、蒲生所長からは地元密着という杏林大学病院の特性に関してコメントがなされました。小林氏らからは、保育施設での学生活用や、学内での保育の場の確保が提案されました。学生が子供と触れ合う機会となり良いという意見の一方で、学生を活動に参加させる場合に、ボランティアとするのかアルバイトとするのかといった問題や、事故の際の対応を考える必要性も提示されました。また、大学と社会との繋がりを深めるために、大学内の施設を提供するだけでなく大学周辺にある保育園等のリソースをうまく活用することも提案されました。向井氏らからは、市内に多数存在する空き家の活用に関して、所有権等の複雑な問題から行政が十分に対応できないため、大学が持つ専門知識の要望が出されました。それに対し、一人暮らしの高齢者と学生が共に住むといった案や、大学を退職する世代の有効活用も提案されました。濱仲氏からは、コミュニティセンターなど、中高生の居場所づくりに退職者や学生が貢献する可能性や、要支援事業での連携が提案されました。これに対し、他の出席者からも、行き場の無い子供たちが気軽に遊びに行くことができる場所を作ることの重要性が指摘されました。

第1回杏林コモンズ

第1回杏林コモンズ

古本泰之 地域交流推進室長

古本泰之 地域交流推進室長

○第2回 杏林CCRCフォーラム 14:00〜17:00
コーディネーター:熊井利廣准教授
パネリスト:
濱仲純子(三鷹市子ども政策部子ども子育て支援課長)
清水節子(三鷹市子ども家庭支援センター長)
向井百重(三鷹市民生児童委員協議会会長)
小林七子(NPO法人子育てコンビニ代表理事)
加藤雅江(杏林大学医学部付属病院医療福祉相談室課次長)

 第2回杏林CCRCフォーラムでは、子どもの虐待防止というテーマで、本学外国語学部の金田一秀穂教授の講演と、パネリストによる現状報告と意見交換が行われました。会場には近隣住民、行政・大学関係者を中心に100人以上が集まり、活発な議論が展開されました。開会挨拶は本学のスノードン副学長、閉会挨拶は蒲生所長が行いました。

スノードン副学長と手話通訳者

スノードン副学長と手話通訳者

会場風景

会場風景

【講演:「子どものことば」 外国語学部教授 金田一秀穂】
 「人は言葉で感じたり考えたりします。日本人であれば、日本語を使います。こどもはその日本語を家庭で学びます。親から学んだ言葉で感じたり考えたりします。当然ですが、感じる道具、考える道具の良し悪しが、その後の生き方を決めてしまいます。親の言葉の使い方が、子どもの言葉のほとんどを形成することがわかっています。親は責任重大です。ではどうすればいいのでしょう。考えてみましょう。」11/30配布資料より
 金田一教授は「子どものことば」と題して、地の拠点事業と生涯学習について、子どもの日本語について講演しました。生涯学習については「学力」とは何か、またその意味についてアリストテレスによる教育の目的「自ら考え社会を支える市民を育てること」を引用し、自分で判断しないで大勢におもねることは危険であり、これは今の日本の社会にもよく当てはまると指摘しました。
 子どもの日本語については、自身のアメリカ滞在中に子供が最初に覚えた言葉がNoであるという体験から、人間にとってなぜ言葉が必要であるかを解説しました。体や表情で表せることには言葉はあまり必要ないが、言葉でしか表現できないことをまず覚えること、逆に言葉がわからなくても感動することやコミュニケーションが成り立つこと等、ことばの持つ意義について解説しました。さらに良い父子関係が窺えるクレヨンしんちゃんと、変な大人言葉を使うタラちゃんの違いという実例を交えて、敬語は一人前であることを示すためのものであり子どもは敬語が使えなくて良いこと、子どもの言葉は大人の言葉の鏡であることなどを解説しました。子どもに本を読ませたかったら自分が読まないといけないこと、子どもの言葉の発達において大事なのは慌てないこと、さらに無理をさせず、曖昧なところをはっきりさせていく過程を待ってあげることが必要である、と結びました。
 講演終了後、会場参加者との間で、子どもをバイリンガルに育てたいがアドバイスはという質問やいつから若者はNoと言えなくなってしまったのかという質問等、活発な質疑応答が行われました。

金田一秀穂 外国語学部教授

金田一秀穂 外国語学部教授

【パネルディスカッション】
 初めに、熊井准教授からCOC事業と本フォーラムの趣旨説明が行われました。子育ては親だけでするものではなく、共同体全体でするものでしたが、高度成長期のあと大きく変化しました。児童虐待の件数の増加も、子育て環境の変化がひとつの要因であります。三鷹市は子育て支援に関して全国に先駆けて取り組んできました。子育て支援に関して大学がどのような役割を果たせるのかを考えていきたいので、そのために現状の取り組みを紹介していただきたい、という説明がなされました。
 濱仲純子氏からは、三鷹市の子育て支援の現状が紹介されました。三鷹市では様々な施策をバランスよく実施することが目指されており、行政運営への競争原理の導入や、民学産公の共同の取り組みなどが紹介されました。公設民営園の導入や新しいタイプの幼保一体型施設の設置、在宅育児の親の不安解消のための子育てネットやこんにちはあかちゃん事業など。顔の見えるコミュニケーションができる地域ケアのネットワークの重要性が指摘されました。また、三鷹市の市民参加の歴史を踏まえ、子育ても様々な主体の参加による重層的な支援体制が重要であるとしました。
 清水節子氏からは、子ども家庭支援センターの活動が紹介されました。センターは東京都独自の制度として設置されたもので、すくすくひろば、のびのびひろばなど、母親が一人で悩みを抱えないようにする支援サービスの提供を行っています。身近な子育ての問題から深刻な問題まで相談を受付けているほか、保育園幼稚園など他施設での相談にもスーパーバイザーを伴って対応しています。また、専門機関への取り次ぎとケース検討なども行っています。また、こんにちはあかちゃん事業として、乳児家庭全戸訪問も行われており、虐待の未然防止につながっていることが紹介されました。
 向井百重氏からは、民生児童委員について説明がなされました。年々児童虐待が増えている中で、三鷹は子育て支援を重視しています。在宅子育て中の孤独感や不安感が虐待に結びつかないように、地域で安心して子育てができるよう支援を行っています。その中には、乳児がいるすべての家庭を対象としたこんにちはあかちゃん事業などがあります。お知らせの際の家の特定などの際に、行政の協力があると望ましいと思います。これらの活動の成果として、乳児家庭とのより親密なつながりができたことが指摘されました。
 小林七子氏からは、子育てコンビニのNPO活動が紹介されました。活動に参加したきっかけは、三鷹市の子育てネットというサイトに子育てコンビニのボランティア募集があったことです。子育てコンビニは、子育てネットの中に入っている情報発信の取り組みであります。行政や第三セクターと協力して活動してきており、これまでに映画製作や情報共有の座談会などを実施してきました。また、三鷹の観光情報の発信も受託して行ってきたことなどが紹介されました。
 加藤雅江氏からは、杏林大学病院における児童虐待問題への取り組みが紹介されました。このような活動は、虐待死を目の当たりにした医師らの問題意識から出発しました。月間50例ほどのケースに対応しており、虐待に至らないようにするための取り組みを病院で行っています。たとえば自殺企図者には虐待被害者が多く、幼少のところで虐待を防ぐことが重要であるなどの指摘がなされました。
 各パネリストの報告後は、熊井准教授からの質問や、会場一般参加者からの質問をもとに、活発な意見交換が行われました。
                                     2013.12.3

熊井利廣 保健学部准教授

熊井利廣 保健学部准教授

パネルディスカッション

パネルディスカッション

蒲生忍 杏林CCRC研究所長

蒲生忍 杏林CCRC研究所長

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