受験生サイト サークル紹介 学生支援ポータル 学納金サイト  [在学生・保護者専用]

第2回杏林CCRCラウンドテーブル・第3回杏林CCRCフォーラム開催記録

 平成27年2月21日(土)、八王子市学園都市センター12階で、平成26年度「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」第2回杏林CCRCラウンドテーブル・第3回杏林CCRCフォーラムが開催された。連携市からは3市長含め計23名の関係者が出席した。杏林大学からは副理事長、学長、副学長含め計34名が出席した。

○ラウンドテーブル第一部(会場:第2セミナー室)
 第一部のラウンドテーブルでは、連携3市長と本学事業責任者の間で26年度COC事業の報告と意見交換が行われた。石森孝志八王子市長、並木心羽村市長、清原慶子三鷹市長、松田剛明副理事長、跡見裕学長、Paul Snowden副学長、蒲生忍杏林CCRC研究所長、古本泰之地域交流推進室長が出席した。
 はじめに古本氏から、本学COC事業の進展状況と、26年度の教育面での取り組みが報告された。教育については、「地域志向科目」の整備を進めていることと、「生きがいづくりコーディネーター」養成プログラムについての報告が行われた。
 次に蒲生氏から、CCRC研究所における平成26年度の研究活動「大学が持つ知の公表」「大学と地域の知の統合」「大学の知の創造」の、三視点の報告があった。
 続いて古本氏から、26年度COC事業による社会貢献活動の報告が行われた。
 最後に跡見学長から、大学で地域について学ぶことの意義と、27年度の杏林CCRCフォーラムを羽村市で開催する意向について説明がなされた。

○フォーラム(会場:第1セミナー室)
 はじめに跡見学長からフォーラム開催の挨拶と、大学で地域について学ぶ意義が述べられた。八王子・羽村・三鷹を学ぶことは、日本各地に存在する地域的課題や行政のあり方について学ぶことでもある。そして自らの地域を学ぶことにより、地域からグローバルへ展開していくという視点が重要であるとした。
 続いて古本地域交流推進室長から、教育面での26年度実績報告が行われた。COC事業では教育の地域志向化を進めており、全学部において地域と大学とのかかわりに関する科目を1年次で必修化するとともに、「地域課題」をテーマとした学際的PBL科目を展開している。また、地域関係者も受講可能な科目の設定を行っており、26年度導入された「生きがいづくりコーディネーター」制度では3名の三鷹市民が受講した。事業の成果として、地域と大学のかかわりや地域課題の存在に対する学生の理解度の向上が見られた。
 次に蒲生CCRC研究所長から、研究面での26年度実績報告が行われた。杏林CCRC研究所では、主に三つの取組みを行った。第一に、「大学知の公表」として26回の公開講演会を実施した。講演会参加者のアンケートの分析では高い満足度が示されたが、27年度以降の課題も明らかになった。第二に、「大学と地域の知の統合」として、地域志向教育研究費による研究活動を実施した。これは競争的研究費の配分により、地域社会と連携して地域課題の解決を目指す研究を行うもので、26年度は9課題が採択された。三鷹市を中心とした医療情報ネットワークの構築に関する検討がその一つである。第三に、「大学知の創造」として、今後の高齢社会の課題についてよりマクロな視点からの研究を行った。それらの成果は、杏林CCRC研究所紀要として報告される予定である。
 最後に地域交流推進副室長の石井博之氏から、26年度COC事業での社会貢献活動について実績報告が行われた。三鷹市では、「生きがい創出」として多胎育児支援をはじめとする一連の「子育て支援」プログラムを実施した。羽村市では、「健康寿命延伸」を目的とした「生涯スポーツの機会提供」プログラムを実施した。また、八王子市と羽村市では「災害にそなえるまちづくり」として、学生や一般市民に対する応急救護講習を実施した。その他、三鷹市での子ども虐待防止シンポジウム、羽村市での羽村東口商店会ヒアリングプロジェクト、八王子市での「障害者スポーツの理解向上と参加支援」プログラムなど幅広い活動を展開した。
 以上の報告の後、連携自治体の八王子・石森孝志市長、羽村・並木心市長、三鷹・清原慶子市長のそれぞれから、本学COC事業に対する期待と要望の言葉が寄せられた。最後に、本学の松田剛明副理事長から閉会の挨拶が述べられた。

八王子市 石森孝志市長

八王子市 石森孝志市長

羽村市 並木心市長

羽村市 並木心市長

三鷹市 清原慶子市長

三鷹市 清原慶子市長

○ラウンドテーブル第二部(会場:第1セミナー室)
 第二部のラウンドテーブルでは、連携3市の自治体関係者・各団体関係者と本学の実務担当者の間で、本学COC事業の活動について意見交換が行われた。
 はじめに、26年度に本学が実施した個別の社会貢献活動の担当者4名から報告が行われた。保健学部の千田晋治氏からは、応急救護や防災・減災に関する市民講習会の取組みが報告された。同・芝原美由紀氏からは、ボッチャ等の障害者スポーツ活動について報告がなされた。同・太田ひろみ氏からは、多胎育児支援の取組みについて報告がなされた。総合政策学部の進邦徹夫氏からは、羽村市での商店会活性化の取組みが報告された。
以上の報告に続いて、八王子市、羽村市、三鷹市の行政・各団体関係者から、本学の取組みについての意見と要望が述べられた。様々な視点から本学の活動に対する評価が寄せられ、今後取り組むべき課題についての問題意識の共有が進められるとともに、新たな協力の可能性について様々な発見が得られたラウンドテーブルであった。

杏林CCRC研究所
松井孝太