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「地域と大学」で地域の福祉を学ぶ 三鷹市健康福祉部による講義

 杏林大学は、国際的な視野の涵養と地域社会への貢献を目指し、“moving global, staying local”を掲げています。平成26年度に開講された「地域と大学」(全学部1年必修)は、平成25年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業」に採択されたことを受けて設置された科目です。

 総合政策学部・外国語学部の授業(平成27年7月8日)では、三鷹市健康福祉部の伊藤幸寛部長に「三鷹市における高齢者福祉と地域包括ケアシステムの構築」についてご講義いただきました。まず、三鷹市の概要、三鷹市が課題としている高齢者の健康福祉問題への対処策の概要について詳しく説明をしていただきました。その上で「高齢者が住み慣れた地域あるいは自宅でできる限り暮らし続けられるようにするために、地域(住民、大学・学生)が出来ることは何か? また、何をすべきか?」という課題を出していただきました。
 学生たちは、普段それほど接する機会がない高齢者が実際にどのような生活問題を持っているかわからない状況にありながらも、自らの若者らしい想像力を働かせながら、自分たちにできることを真剣に考えていました。中には実際に市に提案できそうな高齢者へのかかわり方のアイディアもありました。高齢者を一方的に支援するのではなく、ともに支え合えるような関係づくりが提案されるなど、今後ますます深刻化する超高齢社会を世代間で助け合って生き抜こうというポジティブな姿勢も垣間見えました。グループごとの話し合いの結果については元三鷹市職員で本学保健学部特任准教授の熊井先生の前で発表されました(7月17日)。発表の内容に関して熊井先生からは、高齢者が持つ様々な経験や知恵を生かす機会を提供したり、それを若い人々が学ぶつもりで関わったりすることが高齢者の支えになる、との助言をいただきました。実際の発表内容にそのような考えが反映されているアイディアが特に評価されました。
 今回の高齢者福祉に関するテーマは、学生にとってはまだそれほど身近なものではないですが、自分の親、あるいは自分自身の問題としていずれは考えざるをえないテーマの一つであると思います。同時に、このようなテーマは決して自分やその家族だけの問題・課題ではなく、人類共通の問題・課題でもあると言えます。地域における身近な事例からはじめて、最終的には地球規模のグローバルな高齢化問題へとさらに視野を広げていってほしいと思います。

〇ピアサポーターの学生より
 最後になるグループワークは三鷹市における「高齢者の方が住みやすい町とは」というテーマでした。
ただ与えられたテーマについて答えをだすのではなく、「実現するためには何が必要なのか」・「私達にはなにができるのか?」まで視野を広げ、考えることができるようになってきたのではないかと感じました。
 1人1人がグループワークの中でのコミュニケーション力、問題発見・解決能力、ファシリテーション力を学びとってくれていたら嬉しいなと思います。地域と大学の授業は1学期間のみの授業になりますが、今後も学んだことを活かして更に学びを深めていって欲しいです。


2015.7.31
総合政策学部准教授 岡村 裕
地域交流課