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糖尿病から身を守る 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林医学会・杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

糖尿病から身を守る

日時:平成28年5月7日(土)午後2時〜午後3時30分

場所:三鷹ネットワーク大学 教室ABC

司会:石田均(杏林大学医学部第三内科学教室 教授)

特別講演1:「糖尿病患者とともに歩む~チーム医療の取り組み」

       山田光洋(杏林大学医学部付属病院看護部)

特別講演2:「糖尿病の合併症を克服する」

       保坂利男(杏林大学医学部第三内科学教室 講師)

特別講演3:「日本人のための糖尿病食事療法を考える」

       石田均(杏林大学医学部第三内科学教室 教授)

山田看護師

山田看護師

保坂講師講演風景

保坂講師講演風景

 5月7日の午後、三鷹ネットワーク大学を会場に杏林医学会、杏林大学COC事業、三鷹ネットワーク大学の共催で、「糖尿病から身を守る」が開催され、三鷹市民を中心に74名が参加した。本フォーラムでは高齢社会での重要な課題であり、COC事業の主要なテーマでもある「健康寿命の延伸」、特に糖尿病についてチーム医療、合併症、予防の観点から本学医学部付属病院の山田看護師、第三内科の保坂講師、石田教授による講演が行われた。

 糖尿病は高脂肪食、特に動物性脂肪の摂取の増加と糖質、特に米飯の減少という食生活の変化と運動不足等が原因となる生活習慣病の一つである。慢性的に高血糖が持続するがそれ自体には自覚症状はない。高血糖により毛細血管が傷つけられることで神経障害、腎症、網膜症、さらに多様な合併症を引き起こす。合併症が重症化すると下肢の切断、透析、失明等にも至り、健康寿命を大きく損なう。

 重篤な合併症を避けるためには、早期発見と食事療法と運動療法、即ち生活習慣の改善が基本であり、薬物療法が補完する。これを上手に進めるために主治医や慢性疾患の管理に精通した看護師、理学療法士、薬剤師等の多様な医療関連職の連携による支援が行われる。山田看護師は慢性疾患看護専門看護師であり、杏林大学付属病院での糖尿病患者さんとご家族を支援するチーム医療について紹介した。また、保坂講師は糖尿病の多様な合併症について詳細に解説し、またそれを早期に発見する検査と運動療法の有効性を紹介した。最後に石田教授は食事療法の重要性について、特に極端な低糖質ダイエットが健康寿命を損なう可能性を最近の研究から紹介した。

石田教授講演風景

石田教授講演風景

会場風景

会場風景


 厚生労働省の「2014年国民健康・栄養調査」によると糖尿病有病者(糖尿病が強く疑われる人)は日本人男性の15%強、女性の10%弱で、年齢と共に増加する。日本人は欧米人に比べインスリンの分泌が少なく耐糖能(グルコースの代謝能)が低いと言われている。糖尿病の治療に薬物療法は重要な要素であるが、食事や運動等の生活習慣の改善なしには有効性は大きく損なわれる。

 食の欧米化で米飯の摂取が減少したことと糖尿病の増加や、低糖質ダイエットと健康寿命の短縮は一見矛盾する。しかし、主食のみならず副食の質量の変化と生活習慣全体の大きな変化が糖尿病の増加に結び付いていると言える。伝統の中で確立されてきた日本人の体質に合った「和食」という食生活の再発見が健康寿命延伸に向けた大きなヒントであるとの石田教授の指摘は非常に示唆に富む。石田教授のユーモアに富むお話しぶりも楽しく、時間を忘れる講演会であった。

杏林CCRC研究所
蒲生忍

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