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口腔ケアと手術 -あなたの知らない口の中の話 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催
市民公開講演会

口腔ケアと手術 -あなたの知らない口の中の話

日時:平成29年5月27日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:杏林大学病院 大学院講堂(第2病棟4階)

講師:池田哲也(杏林大学医学部耳鼻咽喉科学 講師)

池田哲也先生

池田哲也先生


講演概要
 ”全身麻酔を受けることになった時、抗がん剤治療をうけることになった時など、口の中の状態がどのように全身に影響するのか解説します。口の中には1,000億個から1兆個もの細菌が存在し、胃や腸管と同等かそれ以上に細菌が多い場所といわれています。全身麻酔や抗がん剤治療などにより、抵抗力が下がるとこれらの細菌がどのように影響するのか。そして、ご自身で自覚がない疲労が、口の中にどのように表れてくるのかについてお話しします。”

 5月27日の午後、杏林大学三鷹キャンパス医学部大学院講堂を会場に杏林大学COC事業、三鷹ネットワーク大学の共催で「口腔ケアと手術 -あなたの知らない口の中の話」講演会が開催され、三鷹市民を中心に73名が参加した。本講演会の講師は本学医学部耳鼻咽喉科学の池田哲也講師で、1992年に日本歯科大学を卒業、2000年本学歯科専攻医等を経て2009年より本学講師として活躍されている。顎関節症、口腔粘膜疾患、インプラント、口腔外傷等を専門分野とされ顎口腔外科の診療のみならず、周術期管理チームの重要な一員としても活躍されている。本講演会で池田講師は、全身麻酔下の手術を受ける際の口の中の状態の重要性を解説した。

 近年、歯や唾液等の口の中の状態が心臓疾患、脳血管障害、糖尿病、誤嚥性肺炎、関節リウマチ、低体重児出産など全身の健康にも影響することが知られるようになった。また口腔機能をより良く管理することで口腔領域のみならず消化器や循環器等の各種手術後の術後合併症が減少し、手術侵襲からの回復が促進され、早期の退院・社会復帰が実現できることが実証された。本学においても2016年4月より周術期管理センターでの全ての全身麻酔症例の術前診察において、口腔内評価・指導・管理を行う口腔機能評価を組み込んでいる。その結果、多くの外科領域で術後在院日数の短縮が実現されている。

 では、なぜ歯石や口腔乾燥等の口腔の問題を管理改善することが術後快復を促進するのか。池田講師は唾液分泌促進により口の中の細菌叢を維持することと術中・術後の感染の防止のみならず、手術というストレスにより緊張状態にある交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態への移行が重要であると解説した。すなわち、手術直後から口腔粘膜と歯肉刺激や保湿を中心とした口腔からの介入が副交感神経を刺激することにつながり、唾液分泌促進のみならず、胃や腸の運動促進、その結果として術後の回復促進と早期退院が実現できると解説した。術後リハビリテーションの第一歩としての口腔リハビリテーション介入という新鮮な概念と理解した。

 これに続き、池田講師はカンジダ感染や顎関節症等の口腔の疾患についても多くの症例を示しつつ解説し、現代生活のストレスを軽減し副交感神経優位の状態を保つ「治療としての生活スタイル:健康に過ごすための提案」を示された。早寝早起きや半身浴等、すぐにでも実行可能なものもあり興味深かった。

 限られた時間の中、熱心にご聴講いただいた市民の方々、また多くの治療実績を交えたご講演をいただいた池田講師に感謝します。

杏林CCRC研究所
蒲生忍

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