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脱毛症と再生医療 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

脱毛症と再生医療

日時:平成29年10月21日(土)午後1時30分〜午後3時

場所:杏林大学病院 臨床講堂(第2病棟4階)

講師:大山 学(杏林大学医学部皮膚科学教室 教授)

大山学先生

大山学先生

講演概要
 ”男性型脱毛症の患者数は1000万人を超え、その約半分が今、“養毛剤”などで対処しているという統計からもわかるように薄毛に対する社会的な関心は高いといえます。自家植毛技術が確立された脱毛症は再生医療の対象としてイメージしやすい疾患です。本講演では様々な脱毛症の本態を解説し、それぞれについて再生医療の適応について考えます。さらに本学で研究を進めている毛包幹細胞・ヒトiPS 細胞などを用いた毛包再生技術を紹介します。”

 10月21日土曜日の午後1時30分より、杏林大学三鷹キャンパス臨床講堂を会場に公開講演会「脱毛症と再生医療」が開催され、あいにくの天気に中であったが地域の住民等約60名が参加された。講師の大山先生は慶應義塾大学医学部の出身で、東京電力病院、米国NIH、慶應義塾大学医学部皮膚科学准教授等を経て、2015年に本学医学部皮膚科学教室に着任された。毛髪疾患、自己免疫疾患を専門にされ、再生医学、幹細胞生物学の分野での積極的な研究活動を展開されている。

 性別を問わず加齢と共に頭髪の脱毛がおこる。加齢に伴う脱毛自体は、例え一目瞭然であっても命にかかわることはない。これを当然のことと考えている。しかし、青少年期の脱毛や女性の脱毛は、大きな精神的ストレスを与え社会生活に大きな影響を与える非常に深刻な問題であり、治療への期待と必要性は極めて大きい。また、現在、代表的な脱毛症である円形脱毛症、男性型脱毛症は保険医療や自費診療の範囲で治療可能であり、また近年注目される再生医療への期待も大きい。
 脱毛症の治療では、その病態(病気の成り立ち)を正確に把握することが重要である。大山教授は脱毛の原因が、炎症や感染により毛髪を作り出す毛包と呼ばれる器官の基本構造が破壊される場合と毛髪の生え変わりの周期が異常に短くなる場合に大別できること、前者の代表例は円形脱毛症や真菌感染に伴う脱毛であり炎症や感染の抑制が治療に有効、後者の例は男性型脱毛症であり男性ホルモンの活性化を阻害することが有効であることなど、原因に対応した治療法の現状をわかりやすく解説された。
 さらに、大山教授は毛髪の再生医療研究のリーダとして積極的に取組んでおられる。毛髪は一般に自然に再生を繰返すことから再生医療実現の可能性が高いと考えられている。しかし、実用化が近いと言われる網膜等と比べて、毛髪再生は間葉系由来の毛乳頭細胞と上皮系由来の幹細胞と呼ばれる発生学的に起源の異なる二種類の細胞が協調して再生を可能にしている複雑な系である。マウスでは二種類の細胞を移植することで毛包再生が可能だが、ヒトでは細胞の性質の維持が難しいこと、またiPS細胞を用いたヒト毛包再生の試みが部分的に成功していること等、ご自身の最新の研究成果を交えて紹介された。
 限られた時間の中、脱毛症の基礎から臨床、更に最先端の再生医療研究まで幅広く、また将来への期待を繋ぐ講演であった。貴重で示唆に富む大山先生の講演に感謝します。またご参集いただき熱心にご聴講いただいた市民の方々に主催者の一員として感謝します。

杏林CCRC研究所
蒲生忍

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