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第2回アドバンスト・プレイスメント・ラウンドテーブルを開催

 平成28年7月29日、杏林大学井の頭キャンパスC棟514会議室に於いて、第2回アドバンスト・プレイスメント・ラウンドテーブルが開催されました。東京外国語大学・成蹊大学・亜細亜大学・東京女子大学・桜美林大学・杏林大学の6大学の関係者と、聖徳学園高等学校・関東国際高等学校・大成高等学校の関係者総勢31名が集まり、複数大学によるアドバンスト・プレイスメント(以下AP)の準備に向けての話し合いが稲垣高大接続推進室長の司会で行われました。

 スノードン副学長の挨拶のあと、まず、桜美林大学の和田満教育支援課長から、桜美林大学で実施している科目等履修生に基づいたAPの現状についてのお話がありました。桜美林大学と高大連携協定校の協定書やAPの受け入れに関する覚書・提供科目リスト・高校生の受け入れ人数や成績分布、そしてAPを受けた高校生のアンケート結果の現状が報告されました。延べ516人の高校生の受講者が今までにあったそうです。また、募集のための申込書やAP運営に係る諸資料の説明があり、先進的な取り組みをしている桜美林大学の状況を共有しました。

 次に、スノードン副学長によるAPに係る今後の課題の整理が報告されました。高等学校等においては、APは高校の管理下にあるのか、高校生の自由な活動なのかという点や、通学保険に関すること、保護者の承認の必要性等が議論されました。基本的には、塾や予備校と違い、高校の管理下での高校生の活動という意見が大方を占めました。単位認定については、一つの科目を大学と高校でのダブル認定をしない方がいいという意見がありましたが、大学での成績が不合格の場合、高校生の努力を高校での単位認定としたいという意見もありました。一方、高校生や高校にとっては、大学の単位として認められることは、あまり重要ではなく、大学での学びそのものに触れる機会が非常に有益である、という意見もあります。実際問題、高校3年生は受験で忙しいので、APを受ける生徒は高校1,2年生になるだろう、従って、大学1年生用の科目の中で高校生の興味のあるものを提供していただきたいという意見がありました。また、多くの高校生がAPに参加する仕組みについて、APを受講したことが何らかの形でAO入試等において有利に評価されることが必要だろう、という意見もありました。つまり、APの仕組み作りにおいて、大学側は①単位認定が重要な課題であり、高校側は②学習の充実と③入試という現実が関わってくるので、この3点をどう調整していくかが大きな課題です。

 また、本学でまとめたAPに関する内規等の資料が配布され、その説明が行われました。

 大学間に於いては、ある大学で科目等履修生として受け入れた高校生に認めた単位の権利を、他の大学に入学後に認めるための仕組み作りが必須です。社会人の場合でも、ある大学で認められた科目等履修生の単位を、他大学が認めるかどうかは、その大学の判断によります。APそれ自体が、日本では馴染みがなく、複数大学でAPを協調して行う場合には、大学間の協定が必要と考えます。そうした仕組み作りをしっかり行った上で、高校側に投げかけるのが、順当な方法であるということです。そうすることによって、高校側でも高校生に対して働きかけがしやすくなります。

 中小大学においては、今後、高校教員と大学教員の教育の接続に関する意見交換や、協力をしっかり行うことがその大学の価値を高めるだろう、という意見もありました。こうして、一時間半を超えた活発な議論が続き、閉会しましたが、閉会後も関係者同士で率直な意見交換をしている姿が印象的でした。

                                               〈高大接続推進室〉
                                                 2016. 7.30