台湾の消防関係者がCBRNE対策(テロ、大規模事故・災害の対策)を学ぶために視察

作成日時:2025年06月11日

 日本の消防庁にあたる台湾の内政部消防署組長の李明憲氏、環境省にあたる環境部の化学物質管理署組長の倪炳雄氏ら12人が、6月9日に医学部付属病院の高度救命救急センターを来訪しました。

 今回の訪問目的は、東京のCBRNE(シーバーン)対策について学ぶためで、東京都内に4施設あるCBRNE対応センターの1つである当院を訪れました。CBRNEとは、化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear)、爆発物(Explosive)を指し、松本サリン事件/地下鉄サリン事件や福島第一原子力発電所事故、新型コロナウイルス感染症の世界的流行などが、CBRNE災害にあたります。これらCBRNE災害は、テロや大規模事故の原因となる可能性があり、通常の災害とは異なる対応が必要とされます。

 視察ではまず、高度救命救急センターの山口芳裕センター長が、日本におけるCBRNE対策について、対策の基本的な考え方や、疑われる事案発生時の行動原則、除染の重要性とその手順などについて説明しました。

 続いて、東京DMAT隊員でもある医学部救急医学教室の清水裕介助教が、東京都のCBRNE対策について解説しました。災害事例や、災害発生から活動終了・引揚げまでの流れを紹介し、「受け入れ医療機関における医療体制の確保が大事」と伝えました。 その後、質疑応答や実際に使用されている放射線測定器や防護服ユニットなど資材の説明を受けるなどして、視察は終了しました。

CBRNE対策の講演
使用機材について説明する山口センター長