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5月30日、新しい中央病棟が運営開始
 
1階ピロティーとエレベーターホール
 新しく建設された中央病棟が5月30日(月)、運営を開始しました。

 この中央病棟は、地下1階、地上5階で、地下階は材料部、病院病理部、1階はICU(18床)、2階は手術部(16室)、3階及び4階は循環器病棟(計70床)、5階はOncology病棟(25床)になります。

 中央病棟の全体のコンセプトは、急激に変化する医療環境に対応して、〔1〕高度医療の実践、〔2〕安全で快適な医療環境、〔3〕医療業務の専門化と中央化が3つの大きな柱となっています。
 
 そしてこのコンセプトにもとづいて具体的には、
1. 最新の手術技術に適った広いスペースと効率的な機能をもつ手術部
2. 急性期重症患者を専門的・集中的に治療する個室を主体としたICU(集中治療室)
3. 循環器内科と心臓血管外科の合同病棟
4. 必要なハードと人的資源を集中し、安全で有効な癌化学療法を実施するOncology病棟
5. 汚染器具の現場での一次洗浄を廃止し、洗浄・消毒・滅菌を一カ所で集約して専門的に行う材料部
6. 手術材料の迅速な診断のために手術部と直結した病院病理部
などを、新しい中央病棟の役割と位置づけ実現しました。各施設の概要は以下のとおりです。
手術部
 全16室が全ての手術に対応できる設計になっています。ナビゲーション手術や鏡視下手術などの高度先進技術を考慮して、これらの目的に特化した手術室を設けています。中でも30インチモニターを設置した鏡視下手術専門の3手術室は、我が国でトップクラスの装備を備えています。
 さらに新しい手術部では感染制御理論にもとづいて、普通の靴のまま手術部内に入室出来るという1足制の取り入れ、全室にシーリングペンダントを導入し床上にガス管や電気配線を這わせない運用とするほか、手術オーダシステム、麻酔生体情報システム、画像活用のための情報・通信システム、鋼製小物のコンテナーシステム、手術毎のケースカートシステムなどを導入し、手術の安全性を高めるほか、大学病院としての外科教育分野に大きく貢献できると期待しています。 
ICU(集中治療室)
 大手術後の患者や重症患者の集中的な治療を行うICUは、今まで本院に6床ありましたが、中央病棟ではICUを18床に増加しました。設備面も充実し、急性期患者の治療が一層安全に行えるようになります。
 ここでは、患者様のプライバシーを守るために、全ベッドを完全個室にしています。また18ベッド全てに、治療を行いやすくするためシーリングペンダントを装備しています。また患者様の回復を促進するために天井つり下げテレビや早期離床用の特殊ベッドを配置しています。
循環器病棟

 3,4階の循環器病棟は、これまでの循環器内科と心臓血管外科の壁を取り払った、合同の循環器病棟となります。これにより内科と外科の連携が一層円滑になり、診療の質が向上し、さらに入院当初から内科外科の両科で診療に当たれるため、術前・術後の外科・内科のあいだの引き継ぎも適切に行えるようになります。しかも、患者様は転科しても転棟しないため、看護体制も変わらず、前担当医が同一病棟にいるため転科による患者様の不安感、緊張感を極めて軽減できます。病床数は3階39床(重症の患者様)、4階31床(軽症の患者様)の合計70床です。さらに、各部屋にはそれぞれのトイレ、シャワーを配置し、患者スペースも従来の病棟より大きくとってあります。

≪各ベッドからのインターネットアクセス≫
 新しい中央病棟の大きな特色の一つとして入院患者様のコミュニケーションや情報収集を行い易くするインターネット端末を各ベッドサイドに整備しました。ご希望の方はご自分のノートブックPCでご利用になれます。
Oncology病棟
 5階のOncology病棟は、総病床数25床、うち環境のクリーン度が高いクラス100の個室3室、クラス10000 個室4室で、本院における癌化学療法のICUとしての役割を果たします。この病棟は全ての診療科の共同利用とし、癌化学療法を専門とした診療科のほか、症例数の比較的少ない診療科の癌化学療法についても対応します。
 このような病棟の必要性は我が国でも認識されつつありますが、実際にはまだ大学病院においても独立病棟としては数少なく、本院でのこの病棟の開設は意義深いといえます。この病棟の運営を通じて、将来的には臨床腫瘍科の設立をめざしています。
臨床病理部、材料部
 地階には、臨床病理部と材料部が設置されます。臨床病理部と手術部が近接することで、術中迅速診断がさらに迅速・的確に行われるようになります。また、材料部では、職業感染の防止を目的に現場での一次洗浄を廃止し、病棟・外来・手術部で使用した再使用可能器具の洗浄・消毒・滅菌を中央化します。
スタッフステーション、家族待合室・面談室
 ICU,3,4,5階の中央部分は、医師、看護師、その他の医療従事者全員が共同で作業出来るスタッフステーションを配置し、チーム医療が行いやすい環境を整えました。
 さらに各階には、共同利用出来るカンファレンスルームを設置し、さらに1階には手術部とICUで使用する薬剤を取り扱う薬局を設けています。また、家族待合室や家族面談室、デイケアルームも広いスペースをとり、設備も充実させて患者様・ご家族へのサービス向上を目指しています。
(病院管理部長 齋藤英昭)

2005.5.10
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