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                             2002年度海外研修
                
 杏林大学社会科学部・総合政策学部は、2002年5月26日から6月26日まで第3回目の北米海外研修を実施した。参加者は、社会科学部に所属する2年生から4年生までの学部学生7名(男子4名、女子3名)である。研修先は、米国の首都ワシントンDCにある本学ワシントン教育研修所であり、宿泊先はジョージ・ワシントン(GW)大学の学生寮である。
 
1 海外研修プログラムの目的 
 参加者が帰国して1週間後に開かれた報告会では、参加者全員が日本では得難い貴重な体験をしてきたことを目を輝かせながら語っていたのが印象的であった。参加者各自の経験は、決して一様なものではなかったのであるが、当該海外研修プログラムの目的には、大きく次の三つのものがあるものと考える。第一に、国際的なコミュニケーション手段として必須のものとなっている英語を現地での生活を通して習得することである。第二に、米国内はもちろん国際政治の場においても中心地であるワシントンDCにおいて、米国の政治・経済・文化の研究を行うことによって国際化を学ぶことである。第三に、実際に現地での生活を行うことによって異文化を体験することである。

2 海外研修プログラムの内容
 第一の目的のために、渡航前には、本学専任教員による英語集中講義が実施され、渡航後には、滞在中のほぼ全日にわたって本学が契約をしたネーティブスピーカ数名とのコミュニケーションの機会が準備された。第二の目的のために、ワシントン教育研修所・酒向克郎教授による米国の政治・経済・文化全般についての講義が日本語によって行われた。具体的なテーマの一例をあげると、「米国民の基本、アメリカ合衆国憲法を考える」、「米国政治の基本、三権分立、地方分権、メディアの役割」、「冷戦後の米国外交政策のトレンドとは?」「日米経済摩擦」「米国が直面する社会問題、人種問題、犯罪問題、麻薬問題は解決できるのだろうか?」等々である。研修所および学生寮から徒歩圏内のところには、さまざまな歴史記念碑・博物館・政府施設等があるので、学生は、講義で学んだことを講義室から一歩外に出ることによって実体験できる。まさに、講義とfield trip(実習旅行)との表裏一体化である。第三の目的のために、宿泊先として、現地人や海外留学生と交流をはかることが容易なGW大学学生寮が選択されている。今回の研修中も、参加者達は、現地学生だけではなくヨーロッパ等からの留学生との交流をはかることができた。また、寮の部屋にはキッチンが備え付けられているので、参加者は徒歩圏内にあるスーパー・マーケットで購入した現地の食材を使った料理をおこなうことができる。これによって、参加者は、旅行者としてではなく実際に現地の生活を体験することができるのである。

3 海外研修プログラムの安全対策
 昨年の9月11日に発生した米国同時多発テロ以降、海外研修における安全対策はこれまでに以上に重要なものとなった。そのため本学においても、当該プログラムを継続実施するかどうかをも含めて慎重な検討がなされたうえで最終的に実施が決定された。3月には担当者が事前調査として現地に赴き、現地滞在の酒向教授と綿密な相談のうえプログラム内容を決定した。また、参加者に配布される海外研修パンフレットに安全対策に関する注意事項を記載するだけではなく、渡航前に1泊2日の合宿を行うことによって、海外研修担当教員による病気の予防、盗難や事故の防止、貴重品の管理等についての指導が行われた。
 最後に、社会科学部・総合政策学部の皆さんが、海外研修の一方法として、当該プログラムを有効に活用されることを心から希望するものである。

                                                             北米海外研修担当  平林貴士