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文献紹介

図書委員会   唐澤 和義
栗田 陸雄
松田 和晃

本学の図書館は学内にあわせて3箇所あり、合計で書籍約46万冊、国内外の逐次刊行物約33千タイトルが収蔵されています。学生諸君は、原則としてこらら全ての図書を利用することが可能ですが、これから様々な勉強や研究を進めていくために必要な書籍のうち、とくに基本的で重要なものを紹介します。希少性や大部の叢書といったことから本学にないものも含まれていますが、レポート作成や卒業研究の際の参考になることでしょう。紙幅の都合から、今回は社会学・法律学・歴史学関係を採り上げましたが、これらを手がかりとして図書館を利用していただければと思います。

 社会学関係

社会学の対象領域について、その概略を把握するに、新書判のコンパクトな解説書から、詳細な説明を加えたシリーズまであります。新書では、
富永健一『社会学講義』
(中公新書)
杉山光信『現代社会学の名著』(中公新書)

シリーズとしては、
『リーディングス日本の社会学』
20(東京大学出版会)
『社会学講座』18(東京大学出版会)
『現代社会学』261別巻(岩波書店),
『社会学的分析の歴史』17(アカデミア出版会)

個別の事項を調べるには、事典がまず道標として便利である。
社会学辞典(弘文堂)
新社会学辞典(有斐閣)
社会学小辞典(有斐閣)
社会学文献辞典(弘文堂)
現代社会学辞典(有信堂)

古典と云われる書籍を探すには、
『現代社会学大系』15(青木書店)
『現代社会科学叢書』33(創元社)

また、現代社会学を考えるには官庁の白書が参考になる。主なものは、
「厚生労働白書」
(旧労働白書、旧厚生白書)
「国民生活白書」

必要に応じて、官公庁資料に目を通すことは、現代社会を研究する糧となる。

なお現代社会分析のキーワードを提示した研究書としては、
『孤独なる群集』
(みすず書房)
『ストリート・コーナー・ソサェティ』(垣内出版)
『大衆の反逆』(中央公論新社)
『有閑階級の理論』(筑摩書房)
『パワーエリート』上・下(東京大学出版会)
等が著名である。

なお、日本社会については、
『柳田國男全集』(筑摩書房)
『有賀喜左衛門著作集』(未来社)
『磯村栄一都市論集』(有斐閣)

ほかにも紹介すべき書籍は多いが、まずは手掛りとして、図書館等で一読されたし。〈唐澤〉

法律学関係

調べるには、次のような事典(辞典)があります。
新法学辞典
(末川博編・日本評論社)、現代法辞典(遠藤浩編・ぎょうせい)、法令用語辞典(学陽書房)、法令解釈事典(ぎょうせい)、最新法令難語辞典(三省堂)

個別の分野において学説や判例等を簡便に調べるためには、次のような事典(辞典)があります。
体系憲法事典(田上穣治編`青林書院新社)、民事法学辞典( 川博編・有斐閣)、会社法辞典(河本一郎編・中央経済社)、英米商事法辞典(鴻常夫・商事法務研究会)、国際関係法辞典(国際法学会)、著作権辞典(著作権情報センター編・出版ニュース社)

外国法について調べるためには次のような辞典があります。
英米法辞典
(田中英夫編・東大出版)、フランス法律用語辞典(山口紘一郎監訳・三省堂)、ドイツ法律用語辞典(山田晃・大学書林)

個別のテーマごとに論文や判例(批評)等を調べるためには次のような資料があります。
法律判例文献情報(第一法規月刊1981年以降CD-ROM版あり)
法律關係雑誌記事索引(法務図書館年鑑昭和20年以降短大、大学紀要記載論文等を含む)
最高裁判所図書館邦文法律雑誌記事索引(最高裁判所図書館 年鑑1957年以降大学紀要掲載論文等を含む)
法学文献総目録(日本評論社19161944)、戦後法学文献総目録(日本評論社19441992)

わが国における現行法規を調べるには次のような資料があります。
電子版現行法規(第一法規)

判例を調べるには、次のような資料があります。
最高裁判所民事判例集・刑事判例集、高等裁判所民事判例集・刑事判例集、下級裁判所民事判例集・刑事判例集、行政事件裁判例集など、なお
CD-ROM版として判例体系および判例マスターがあります。前者は戦前分(大審院判例等)を含みます。

ほかにインターネット経由で次のようなデータベースから内外の判例、法令、論文等を調べることができます。
Lex/DB lexis.com国会会議録検索システム、官報、法令データ提供システム等

以上は、道標です。これを手がかりに専門書(論文)を読み、勉学を深めて行ってください。〈栗田〉

歴史学関係

日本やアジア周辺の歴史的な事項について調べるには、次のような事典(辞典)があります。
国史大辞典1517(吉川弘文館)
日本史大辞典7(平凡社)
古事類苑51(吉川弘文館)
アジア歴史事典 10巻、別2(平凡社)
中国歴史文化事典(新潮社)
世界歴史事典 25(平凡社)
世界歴史大事典 22(教育出版センター)
角川日本史辞典(角川書店)

また、個別のテーマについて、どのような研究が行われて来たのかという研究史を知るためには、
日本古代史研究事典・日本中世史研究事典・日本近世史研究事典
(いずれも東京堂出版)
日本史関係雑誌文献総覧2(国書刊行会)
世界史.西洋史に関する37年間の雑誌文献目録(日外アソシエーツ)
日本歴史学会の回顧と展望全25(山川出版社)
などを調べることから始めるのがよいでしょう。

歴史的アプローチには、史科の分析という作業が不可欠です。その一々を紹介することが紙幅の関係で出来ませんが、日本の歴史に関する代表的なものとしては、
新訂増補国史大系・大日本古文書・大日本史料・大日本古記録・群書類従
といった彪大な量の史科集があります。なお、これらに収載された個々の史料については、
史籍解題事典(東京堂)、国史文献解説(朝倉書店)、国史大系
書目解題(吉川弘文館)のような解題書に解説が載っていますので、これらを参照して、自分が扱う史料の特徴や性格をよく把握しておくことが必要です。〈松田〉