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IT概論について


                                    教授 武内 成

総合政策学部の創設にあたり、科目を全面的に見直したそのーつの講座がIT概論である。この科目はIT(Infomation Technology)、すなわち科学技術を利用した科目の可能性を探るものであり、いろんな分野の科目担当者がそれぞれの領域におけるIT時代の研究方法を学生達に伝授するものである。学生達にとってももっとも関心のある科目となっている。

前の日本首相がITをイットと読み、その程度の低さで輩盛を買ったのは一昨年のことであった。いまはITは前ほど騒がれなくなったが、非常に利用幅の広い研究援助機械である。学生達にもわれわれ研究者にもこれほどありがたいものはない。何よりも学生個人がIT技術を自由に使いこなすためにこの科目は設けられた。

さて、インターネット時代はワールド・ワイド・ウェッブ(WWW)といい、初めは軍事利用から始まり、学術部門での利用も始まるが、これはかなり以前のことである。

しかも、ありとあらゆるものがデジタル化を目指し、いわゆる情報化時代を迎えたのもかなり前のことであり、IMS(情報管理システム)SIS(戦略的情報管理システム)といった時代がこの時期のものである。

これらが本格的に大きくかわるのはやはり1990年代後半からである。これがインターネット時代の到来である。

アメリカ合衆国では前大統領のクリントン時代に商務省が『デジタル・エコノミー」という名称を使い、電子商取引などを積極的に援助していく。例えば、アマゾン・コムなどが台頭しているが、学生達のなかにもいろんな企画に参加し、積極的に学んでいるものも多い。これらは21世紀を予言するものであった。

このITは多くの分野で利用され、社会の根幹を変革していくといわれている。その典型的な例として、総合政策学部の発足にあたり、IT概論を設置したものである。前学部長の田久保先生もこの相談会には参加され、中堅の先生方の発言を楽しくご覧になっていた。

そこで、担当者を紹介したい。日笠完治教授は「ITと行政のかかわりについて」論及し、小野田欣也教授は「ITと国際経済」、西孝教授は「ITと経済学」、河野武司教授は「ITと政治学」、進邦徹夫講師はネットワーク社会とのかかわりから「ITと行政」、稲垣大輔助教授は「ITと言語文化」、内藤高雄助教授は「IT会計」、遠藤健哉助教授は「ITとビジネス」、平泉貴士助教授はITと電子商取引」、花房博文教授が「ITと法律」といったテーマで、オムニバス方式で行っている。

このような状況に新しく加わったものがコンピュータとインターネットとの接続である。このアイデアとしてはNECC&C(Computer and Communication)戦略は世界でも初めてこの分野に先鞭をつけたものであった。

この現象はインターネットと携帯電話の接続によってさらにみぢかなものになってきた。しかし、ITだけで効果的な教育が行われるのかというとやはり教育はパーソン・ツー・パーソンが基本であり、ITのワン・ツー・ワンに対応するものであり、勉学を深める材料であっても、これだけに頼る訳にはゆかない。

そして、なによりもこれからの情報の氾濫の時代に、すなわち、混乱した情報のなかから何を選んでくるのか、他の言葉を使えば、これから個としての哲学が要求される時代である。