日本の伝統的な文化
別科日本語研修課程  緒 世穎

 私は今年の4月1日来日したばかりで、どこへも行ったことがありません。それで、校外研修を楽しみにしていました。そこで見た日本の古い伝統に心を深く動かされました。

 まず、私たちは観光バスで「千代鶴」と言われる資料館付き酒造りの工場に到着しました。その代々伝わっている工場は清酒をはじめとして、梅酒や千代酒など果実酒も造ります。
 大きくない資料館の中に様ざまな資料道具なども並べられていました。藁靴、酒槽、漬桶など、大体木で作ったものです。係員は酒とその工場の歴史について詳しく説明してくれました。

 日本の伝統的な文化と言ったら、和紙があげられます。古代日本の文化は大陸との交流によって発展しました。文化の基本ともいうべき紙も中国から、朝鮮半島に渡って日本に伝えられてきたことは、間違いありません。更に工夫されて、より良いものへと改良されていきました。これがいわゆる和紙なのです。

 その次に、ふるさと工房で紙すきを楽しみました。先生のご指導のもとに一枚和紙が出来上がりました。  紙料水を簀桁に手前から少し汲み込んで、桁を水平に保ちながら、前後左右に激しく揺すりました。水は簀の目から抜けてすき舟に落ちました。繊維だけが薄い層となって残りました。この作業を3回繰り返しました。一週間後、乾燥して処理された手すき和紙を受け取りました。

 最後に陶器に絵つけをしました。もともと日本は歴史の短い国だと思っていましたが、今は考えが変わりました。
 日本社会と日本文化を見直しました。悠久だとは言えませんが、各国から伝わったものを改善し、発展させてきたことが日本の特色だと思います。