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■□■杏林大学医学図書館ニュース■□■ 第64号 2017.9.1配信

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□Contents□
■ご挨拶■ 
■図書館からのお知らせ■ 
■お勧め図書■ 
■川上図書館長のひとりごと■ 
■図書館員のひとりごと■ 
■編集後記■ 

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■ご挨拶■
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8月は16日間連続で雨が降り、まるで梅雨のようにぐずついたお天気の多い一ヵ月でした。
19日にはキャンパス近郊は激しい雷雨、世田谷区ではひょうまで降りましたが、皆さん、
影響はありませんでしたでしょうか。
雷が鳴って「これで梅雨明け?」と思わず言いそうになった私です。
さて9月はどんなひと月となるのやら。
今月号のメルマガでは、川上図書館長が「ひとりごと」に久々のご登壇です!

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■図書館からのお知らせ■ 長期貸出図書の返却期限は9月15日です
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学生対象の長期貸出図書は9月15日(金)が返却期限です。
新学期開始に合わせた日付になっていますので、お忘れなくご返却ください。
カウンターまでお持ち頂くか、閉館中は図書館入口横のブックポストをご利用ください。
借りている資料のタイトルや返却期限はカウンターまでお気軽にお問い合わせください。
もちろんMyLibraryでも確認できます。
MyLibraryはこちらから

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■お勧め図書■
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『みたかの昔 : 写真集 / 三鷹市教育委員会社会教育課編集 ; 三鷹市文化財専門委員会
監修. -- 三鷹市教育委員会, 1990.』 (請求記号:748:Mi57 / 資料ID:0090087131)

「古い写真をさがしています」
市民から集めた700点以上の写真を元に三鷹市教育委員会が編集発行した本書。
明治から昭和40年代にかけての三鷹の風景と人々の暮らしに関する写真集です。
昭和8年まで利用されていたという井の頭池の天然水泳場や、今はなき井の頭公園プール
での少年水泳大会、昭和22年の三鷹駅南口の写真などなど。
中には昭和37年の人見街道新川交差点や昭和39年の中原三丁目交差点といった現在の三鷹
キャンパス周辺の写真も収載されていて、杏林学園設立当時のこの辺りの様子が手に取る
ようにわかります。
「こんなに田んぼが多かったのか!」「人見街道がアスファルトじゃない!」
どれも感嘆に値しますが、個人的には下連雀6丁目の第六小学校で行われた夫人運動会パ
ン食い競争の一枚が一番印象に残っています。
ご興味のある方は本書143ページをどうぞ。(清)

貸出状況はこちらから

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■川上図書館長のひとりごと■ ネット社会に物申す
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歳のせいか忘れっぽくなって周囲に迷惑をかけることが多くなった。
記憶力が年齢とともに低下するのはやむを得ないことと諦めているが、それはそれとして、
最近、世の中全体において忘れっぽさが加速しているような気がして仕方がない。
例えば世間で話題となるニュースの循環サイクルは、年々短くなっているように思う。
「人の噂も75日」というが、とても75日は持たないだろう。
1週間も持てば良いほうで、次々に新しいニュースに上書きされて、忘れ去られていく。

マイクロソフト社の研究によると、人の集中力の持続時間は2000年には12秒あったが、20
13年には8秒に落ちたそうだ。
原因の一つに、ネットの情報に次々とアクセスすることが習慣化して、一つの物事をじっ
くり考える機会が少なくなったことを挙げている。
考える暇もなく、脳の表面だけを情報が高速で通り過ぎ、内部まで届いて行かない状況が
イメージされる。
結果として、人は記憶力や集中力を失い、短気になり、冷静な判断ができなくなる恐れが
ある。

私自身、ネット利用が習慣化すると、何となく脳を使わなくなったような居心地の悪さと
いうか、脳の肝心な場所に血液が流れて行かなくなっているような不安な気持ちに苛まれ
る。
昔は調べものがあると図書館に入り浸って、様々な本をあれこれ探し、頭だけでなく手足
も総動員して苦労しながら調べていたものだが、ネットの普及以降はあっという間に図書
館から足が遠のき、脳を鍛えているという実感が希薄になった。

このような状況は、最初からネット社会で育った若い人にはピンと来ないかも知れないが、
現実問題として若い人ほど事態は深刻かも知れない。
最近、学生諸氏を見ていると、記憶持続時間が年々短くなっているように感じる。
かなり成績の良い学生ですら、1週間前に教えた内容を確認すると、にわかには思い出せ
ないし、ましてや多くの学生は初めて聞くような顔をして、思い出すどころの話ではない。
学生の期末試験は、授業が終わってから数ヶ月の後に行われるので、学生の頭の中には当
然何も残っていない。
メモリーから一時的に消えるだけならまだしも、中には完全に初期化されて、授業前の状
態に戻っているようにすら見受けられる学生も多い。
当然試験勉強は「無」の状態からスタートすることになるからとても間に合うわけがない。
ひたすら過去問の模範解答を記憶して試験に臨むことになる。
模範解答の記憶時間は長くても数日であろう。
かくして彼らは(仮に進級できたとしても)再び「無」の状態から新学期をスタートさせ
ることになる。
ネットやスマホの多用がこのような状況を生み出した主たる原因とは断定できないが、極
めて憂慮すべき状況である。

ネット社会は生活を豊かにし、あらゆる場面で効率的になった反面、人間の脳の劣化を確
実に進行させている。
この際、ネットやスマホの利用をしばらくストップして、図書館に入り浸って本とじっく
り向き合う時間を増やせば、脳の劣化を少しでもくい止められるかも知れない。
付属図書館長を務める立場として、この点は是非声を大にして言いたいところである。

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■図書館員のひとりごと■ 所変われば
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医学図書館からの異動で7月から井の頭図書館で働く事になりました。
八王子キャンパスの図書館から医学図書館に来たのが10数年前。その時以来の異動です。
最初は医学部とも八王子とも違うところに来た感じで戸惑いました。
職員でも職員証がないと事務室に入れません。事務室に通じる職員専用のエレベータのボ
タンを認証なしに押してしまい、機械に「その階には止まりません」と言われる始末。そ
れだけでも近代的な建物に来た気分になり汗が出ます。
2階の間仕切りにはガラス壁面が多く使われていて、事務室がスケスケなのも緊張します。
いっそない方が、と思います。
ノートPCを58台収容できるPCロッカーなんていうものまでありますが、ノートPCが1台40
万円もした昔を知ってる者には想像もできないことです。
3,4階は反対に図書館的な(当たり前ですね)落ち着いた雰囲気。並んでいる図書も10数
年前の八王子と変わらないところもあり安心して過ごせます。一人分の机の幅が広いので
勉強もはかどりそうです。
でも2階から入って医療関係の図書がある4階までたどり着くのが大変です。広いんです。
運動不足にはこたえます。おかげさまで歩数計のカウントがだいぶ伸びましたが。
まだ慣れないところはありますが、新しいところと変わらないところ、その対比がうまく
とけ合った図書館だと思います。
三鷹キャンパスの方も学生証があれば使えますので、ぜひ皆さんもお越しください。
でも電動集密書架を手で押して動かそうとはしないでくださいね。(中)

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■編集後記■
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田んぼが多かったこの地に杏林大学医学部付属病院の前身である三鷹新川病院が開設され
たのは昭和29年。
それから63年。周辺の様子も社会も杏林も、大きな変貌を遂げました。
最近医学図書館から歴史を感じさせる品が発掘されました。
その名もテレタイプ受信紙。
FAXが普及するまで、テレタイプとやらが図書館の相互貸借業務で活躍した時代があった
そうです。
テレタイプ自体はずいぶん前に処分されたらしく、私も拝見したことがありません。
そこに使われていた受信紙という名残りの品は、利用者の皆様にお使いいただく館内のメ
モ用紙に今後生まれ変わる予定です。
川上図書館長の「ひとりごと」を読んでどきっとしたそこのあなた。
古いものと新しいものが融合した我が図書館へぜひ。(清)


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