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■□■杏林大学医学図書館ニュース■□■ 第70号 2018.3.1 配信

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□Contents□
■ご挨拶■ 
■図書館からのお知らせ■ 
■お勧め図書■ 
■川上図書館長のひとりごと■ 
■図書館員のひとりごと■ 
■編集後記■ 

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■ご挨拶■
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春は出会いと別れの季節です。
図書館でも4月に館長、分館運営委員会メンバーが交代します。分館運営委員会の諸先生
には図書館に備える資料の選定などでご協力いただきました。そして今号のメルマガには
川上館長から「図書館長のひとりごと」にご寄稿いただきました。川上館長はメルマガに
度々ご登場いただいています。今回も楽しく、好奇心が刺激されるお話ですのでお楽しみ
に。

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■図書館からのお知らせ■
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・貸出ノートPCが新しくなりました
貸出用のノートPCを新しい機種に更新しました。
動作が早くなりましたので、インターネットやOffice(Word、Excel、PowerPoint)も快
適にご利用いただけます。
カウンターで貸出手続きをして、館内お好きな場所でご利用ください。

・プリントのポイントは3月末でリセットされます
学生のみなさんに付与されている無料ポイントは2018年3月末でリセットされます。
2018年度分の300ポイントは4月1日に自動チャージされます。
これまでに購入したポイントは卒業までご利用になれますのでご安心ください。

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■お勧め図書■
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『 医者が心をひらくとき : a piece of my mind / ロクサーヌ・K・ヤング編 ; 李啓充
訳. -- 上, 下. -- 医学書院, 2002』
(請求記号 : W9:I69 / 資料ID : 0018009019, 0018009027)

JAMA(アメリカ医師会雑誌)という著名な臨床医学雑誌をご存知の方は多いと思います。J
AMAには"A Piece of My Mind"というコラムがありエッセイが連載されています。このコ
ラムは読者である医師が自らの体験や感じたことを率直に語る場として1980年に始まり、
2018年の現在も続いています。タイトルは「人に率直な気持ちを伝える」という意味の"G
ive someone a piece of one's mind"からつけられたものだそうです。
当初、想定していた執筆者は医師でしたが、人気の高まりとともに、医療職者全般、患者、
家族からの投稿も掲載するようになりました。
その中から特に優れた作品が選ばれ、コラム名と同じ書名の図書として出版されました。
今回紹介するのは2000年に出版された第2集の翻訳です。

本書には100のエッセイが収録され、テーマにより「医者になること/医者であること」
「家族」「暴力 - 医の対極にあるもの」「思い出をありがとう」「患者の視点」のセク
ションに分かれています。上下巻あり量は多いですが、それぞれ著者が異なり、5~6ペー
ジで完結するので、どこからでも気軽に読むことができます。
例えば、初めて臨床研修に出た学生の緊張と無力感、インターンと患者のふれあい、理想
を胸に開業の準備をする若き医師の希望、家族を顧みない自堕落な生活を送った患者によ
る医学生に宛てたメッセージなどがあります。
気軽に読めるとはいえ、心温まるストーリーもあれば、社会の不条理や医師の葛藤を取り
上げた重いテーマもあります。それでも全体的に格調高く、選りすぐりなだけあって、ど
の作品にも心を打たれます。アメリカが多人種・多文化社会であることや戦争任務につく
軍人が多い点で日本との違いを感じる点もありますが、医療に従事する方にとっては「あ
るある」で感情移入できる事例もあると思います。そうでない我々も、彼らの思いを追体
験することができます。個人的には本書を読むことで「科学としての医療」と「アートと
しての医療」について考えさせられました。(す)

貸出状況はこちらから

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■川上図書館長のひとりごと■
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図書館長を拝命してから4年の任期が過ぎようとしている。任期中には井の頭図書館の
オープンを始めとして、大きな出来事が少なからずあったが、大過なく職務を全うできた
のは幸いであった。これもひとえに優秀な図書館スタッフに恵まれたお陰である。
また在任中には「医学生に読んでほしいこの一冊」という企画を医学図書館で実施し、こ
の企画は学生のみならず教職員からも概ね好評であった。多くの先生方には書籍の推薦で
ご協力を頂き、改めて御礼申し上げたい。
この企画展示の中で、私の推薦した本の一つに「仏像のこころ」というのがあり、そのせ
いで私は仏像オタクと思われてしまった。残念ながら私には仏像そのものを理解する能力
はない。ただこの本を推薦した理由は、日本に多く見られる薬師如来(私の実家の近所に
もある)という仏像の存在が、医学に対する日本人の深層心理を良く表現していると思っ
たからである。これだけ医学の進んだ現代社会でさえ、なぜか日本人は仏像、とりわけ薬
師如来の前で手を合わせて病気平癒を祈るのである。
個人的には、仏像の中では如来像より菩薩像の方が好きで、特に観音菩薩像に心惹かれる。
例えば千手観音菩薩は、数多くの手に様々な道具を持ち、苦痛に喘ぐ庶民の叫び声を聞い
て即座に最適な処置を施すのである。私は千手観音を見るたびに(失礼ながら)「ドラえ
もん」を連想してしまう。困ったことがあればあらゆる道具を駆使して何でも助けてくれ
そうな頼もしい存在である。唐招提寺(奈良)や葛井寺(大阪)の千手観音は実際に千本
の手を持ち、道具を持つ手以外の掌には眼が描いてある。これは音を「観る」という観音
の本質そのものであり、まさに観る、診る、看るという医療行為そのものを包含している。
千手観音のような存在は、ある意味で理想的な医師像といえるかも知れない。医師を目指
す学生諸氏にはぜひこのような眼で仏像を眺め、何かを感じ取ってほしいと思う。(ちな
みに葛井寺の千手観音は、通常は秘仏であるが、現在上野の国立博物館で3月11日まで特
別展をやっていて、拝観することができる。特に仏像オタクであれば必見。)
本学医学図書館の「医学生に読んでほしいこの一冊」という企画展はこの3月で終了し、4
月からは新たな企画として、本メールマガジンで紹介された書籍を実際に展示する企画展
が開催される予定である。これからも本学図書館が多くのユーザーに支持され、新図書館
長のもとで益々発展していくことを切に願っている。

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■図書館員のひとりごと■ オレって、間違いだらけ?
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近頃、道を歩いていると、左側を歩く人が多いと感じる事があります。
歩道ですれ違う時に、自分の右側をすれ違おうとする人、これって左側通行ですよね。ま
たは、道の左側を歩く人がいたりします。
子供のころ、人は右側、クルマは左側と教わったので、どんな時でも人は右側通行だと思
っていました。
ネットで少し調べたら、人が右側を歩かなければならないのは、歩道や路側帯の無い道を
歩く時だけだと分かりました。
それ以外の歩道や路側帯のある道を歩くときは、道のどちら側の歩道を歩いても良いし、
歩道の中の左右どちら側を歩いても良いそうです。
随分長い間、勘違いしてたんだなぁと思いました。
他にも最近知った事例では、アルファベットには書き順が無いとか、漢字の「とめ」「は
ね」「はらい」に決まりは無いので気にする必要は無いなど。
まだ他にも間違えたままの事がありそうです。
毎日出勤しなければいけない!というのも、間違いだと良いんですけどね。(kugi)

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■編集後記■
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今回のひとりごとで思い出しました。歩道の右左ではありませんが、駅の構内で前から来
る人とどちら側をすれ違うかで迷うことがあります。気が合うというのか合わないという
のか、同じ方によけてぶつかりそうになります。千手観音様に交通整理をお願いしたいで
す。(ふ)

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