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■□■杏林大学医学図書館ニュース■□■ 第72号 2018.5.1配信

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□Contents□
■ご挨拶■ 
■図書館からのお知らせ■ 
■お勧め図書■ 
■図書館課長の気ままな報告■ 
■図書館員のひとりごと■ 
■編集後記■ 

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■ご挨拶■
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新年度がスタートして1ヶ月が過ぎました。
慌ただしい日々に少し疲れを感じる頃かもしれませんが、図書館でゆっくりと過ごしてみ
ませんか。窓から見える木々を眺めるのもいいですし、もしかしたら地下の端の席が意外
とリラックスできるお気に入りの場所になるかもしれません。
図書館は連休中も休館することなく、皆様のご利用をお待ちしています。

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■図書館からのお知らせ■
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・プリンターが増設されました
図書館のプリンターが増設され、2台体制になりました。通常は「モノクロプリンター」
が設定されていますので、カラーで出力したいときには「カラープリンター」を選択して
ください。

・省エネにご協力ください(冷暖房使用時)
床置きのファンコイルは例年より1ヶ月早く「冷房」の設定になっています。
寒暖の差が激しい毎日のため、寒い場合はエアコンをご利用ください。壁にあるパネルで
操作できます。
あまりに極端な温度設定は電力の消費につながります。省エネも意識しながらご利用くだ
さい。

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■お勧め図書■
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『医学系研究、論文投稿上のQ&A : すべての医療従事者が知りたい! 浅井隆,廣田和美,
山蔭道明編. -- 日本医事新報社, 2017.』
(請求記号 : WZ345:Su11 / 資料ID : 0010371151)

少し前に、論文ねつ造、改ざんにiPS細胞研究所の山中教授が謝罪するというニュースが
ありました。研究した成果を世に出すというのはさまざまな苦労があるんだろうな・・と
感じた時に、書店で見かけたある販促ポスターを思い出しました。「雑誌掲載不可・・・に
はもうならない!」とかなり大きく書かれていて目を引いたのです。その本書が医学図書
館で所蔵されていることに気が付いたのは最近でしたが、手に取ってみると研究論文の構
成や種類、引用文献やインパクトファクターなど図書館員にはなじみのある内容がわかり
やすく解説されています。さらに、研究テーマの見つけ方、研究計画の立て方、論文作成
方法に投稿方法など、「そもそもな疑問」「素朴な疑問」ともいえる内容がQ&A方式で書
かれています。
実はまだ、「もう少し時間をかけて読み込まないと研究者のサポートはできないな」と図書
館員として反省をしながら読んでいるところです。
興味のある方は下記のリンクからご予約ください。(さ)

☆貸出状況はこちらから↓☆

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■図書館課長の気ままな報告■ 「逆境から学ぶ」の巻
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西アフリカのモーリタニアでバッタの研究をしている前野ウルド浩太郎氏の著書『孤独な
バッタが群れるとき』(東海大学出版部、2012年)に「私たちは機械やモノにあまりにも
頼りすぎている。そんなものに頼らなくてもアイデアしだいでいくらでも面白い研究がで
きる。」という一節があります。私は研究をしているわけではありませんが、つい最近、前
野氏の言葉が妙に心にしみる体験をしました。

それは4月5日の研修医オリエンテーションの時に起こりました。その日、私ともう1人
の図書館スタッフが、毎年恒例となっている「EBM演習」でエビデンスを探すための情
報検索を担当することになっていました。エビデンスの検索といえば、UpToDateや
PubMedをはじめとするデータベースを使うのが王道です。
私たちは当然のごとくそれを前提に準備をします。今年も考えられる範囲でベストの内容
にすべく、前日まであれこれ見直し当日に備えました。

演習は13時から始まります。ところが、11時を過ぎた頃から突然インターネットがつな
がらなくなってしまいました。開始時間が刻一刻と迫る中、待てど暮らせど復旧しません。
そして13時になりました。途方に暮れた私たちは苦肉の策を講じました。パワーポイン
トと、たまたま用意していたPubMed検索結果の画面コピーを使い、研修医の皆さんとの
対話を中心とした演習に切り替えたのです。今回のことで、普段どれだけインターネット
に頼っていたかを痛感しました。その一方で、私たちは意外とこのノープランな逆境を楽
しんでもいました。パソコン実習に起因するストレスから解放され、自由な発想で対話し、
瞬間的な判断でその場を仕切るという経験はこれまでになく強烈なものでした。
そう、「技術的なことばかりに頼らなくても、アイデアしだいでいくらでも面白い演習はで
きる!」です。これまで考えもしなかったけれど、インターネットもパワーポイントも最
小限に抑えた情報検索演習というのも、案外アリなのかもしれません。ただそのためには、
受講者のどんな反応にも切り返せる話術を含め、それ相当の実力を蓄える必要があります。
そんな図書館員になりたいと痛烈に願った4月でした。(す)

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■図書館員のひとりごと■ 対面impressionアップの効果
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自分の意志とはどこか違う、何か不思議なものに導かれるようにしてスタートした図書館
の勤務も早8か月となり、最近は対面impressionが上がってきているな、と感じるよう
になった。

ここでいうimpressionは何かというと、Webマーケティング業界で使われる用語のひと
つでWebサイトの広告効果を計る指標のこと。
私は以前ネット通販の会社にいたせいで社内にはこうした業界用語が飛び交っており、バ
ナー広告などの閲覧回数を計る指標としてimpressionも使用されていた。
そんな経緯もあって、私の中でのimpressionは「見てもらった回数」というような意味
で定着している。
impressionに関して面白く思い出すのが、そんな業界用語にどっぷり漬かった当時の同僚
との会話だ。
同じ部署で働いていた妙齢女子の同僚は、気になる男性とお近づきになろうとするときに
直接自分を見てもらう、顔を合わせるというような意味合いで、「やっぱりimpression上
げなきゃだめだよね・・」そんなふうに表現していて、それが強く印象に残っている。

カウンターに入るようになってからの8か月は、利用者の方との関係を築くにあたって直
接見てもらうこと、つまり直に会うこと以上に効果的なことはないなということをまざま
ざと実感する日々だった。
図書館はいろいろな立場の方が来館されるので、うまくご案内できず落ち込んでネガティ
ブな感情になったり、反面学生さんが会釈してくれたということだけで嬉しくてその日の
勤務中ずっとほっこりした気持ちでいられたりもする。
それらの感情はサイト越しではとても感じられないもので、また会釈をしてもらうような
関係も、サイトを介してでは到底得られない。
そこで感じた親しみや慕わしさは次の勤務へのモチベーションにも繋がり、それが自分の
中では新鮮で面白く、勝手に対面impressionアップの効果だなと感じている。

これからも、利用者の方それぞれとのimpressionカウントが増えるたびに、サイト越し
に見てもらうこととは違う濃度で、また違う重みで育っていく関係を楽しみたいと思う。
(い)

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■編集後記■
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春は「これを目標にしよう」「あれをマスターしよう」と気持ちを新たにするいい区切りで
すね。今月号はメルマガをお届けする側である私たちが「図書館員」としてのスキルやモ
チベーションを意識する内容になりました。身近なところで刺激を受けられるのはとても
恵まれた環境なのだと、柄にもなくまじめに考えた担当号となりました。(笹)

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