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■□■杏林大学医学図書館ニュース■□■ 第99号 2020.7.1配信

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□Contents□
■ご挨拶■ 
■図書館からのお知らせ■ 
■お勧め図書■ 
■図書館長のご一考願い■ 
■前図書館課長のひとりごと■ 
■編集後記■ 

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■ご挨拶■
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梅雨が始まり、紫陽花が生き生きとした表情を見せるようになりました。
医学図書館も徐々にサービス拡大へと舵を切っており、7月中旬からは全学内者を対象に
図書館内の滞在を再開する予定です。
館内設備の制限や開館時間の短縮等はしばらく継続することとなりますので、皆様のご協
力をお願い致します。
刻々と状況が変わる中で図書館員も右往左往しておりますが、7月のメルマガをお届けし
ます。

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■図書館からのお知らせ■
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ご不便をおかけしますが、新型コロナウイルスの感染防止のため、皆様のご理解・ご協力
をお願いいたします。


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■お勧め図書■
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『データサイエンス入門 竹村彰通著 ; : electronic bk. -- スマホ・読上. -- 岩波書
店, 2018. -- (岩波新書 ; 新赤版 1713). 』


図書館閉館期間に、利用者から「資料を借りることだけでも出来ないか」という問い合わ
せを数件受けました。時期的に貸し出しだけでも難しくお断りせざるを得なかったのです
が、利用希望に対応できないというのは図書館員としても忸怩たる思いがあります。そこ
で、今回ご紹介するのは図書館に来なくても読める電子ブックのタイトルです。

ビッグデータ時代の到来といわれて久しいですが、個人的には具体的にそれらが今どう使
われているのか、十分に理解しないままに過ごしています。こちらの本はそういったビッ
グデータを処理する「データサイエンス」について統計的な側面を中心にわかりやすく説
明されています。

昨今数多くある実際のデータサイエンス分析の手法ではなく、概論から語られている辺り
がまさしく初心者向けの内容になっております。何といっても統計用語やデータ、情報と
は何かといった基礎の基礎から説明されていることが特徴です!
私自身、統計学が非常に苦手なため、名前を聞くだけでもつい身構えてしまいます。しか
し、本書では統計用語も一から丁寧に説明されており、つまずくことなく読み進めること
が出来ました。付録では統計学やコンピュータの歴史なども語られ、いわゆる統計アレル
ギーの人間でも無理なく読むことができます。

また、データサイエンスは発展の著しい分野なので最近の状況から今後の展望についても
記載されています。ビッグデータが関わる技術としてAI(人工知能)まで紹介されており、
データサイエンスにかかわる幅広い内容を知ることが出来ました。現代では様々な分野に
データサイエンスが関わっており、これからの時代には必須の学問かもしれません。
今まであまり関心がなかった方にこそお勧めしたい資料です。ぜひ、ご自宅でアクセスし
てみてください。(ゆ)

☆ご利用はこちらから☆
※学外からはリモートアクセスにログインした上でご利用ください

※こちらの資料は紙媒体も所蔵しています。紙で読みたい方はこちらから


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■図書館長のご一考願い■ 新型コロナウイルス流行が変えてしまったもの
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東京都の緊急事態宣言の解除を受けて、図書館も再開の準備をしなければならなくなり、
井の頭図書館を見にいった。この図書館のコンセプトとして、学生の学習支援のための開
かれた空間―ラーニングコモンズが前面にうちだされ、グループ学習用の小部屋も用意さ
れていたが、利用者が密にならないようにとの配慮で、対面で座ることはできなくなり、
ディスカッションのための小部屋は、間引いた椅子の収納部屋になってしまっていた。こ
こに学生が一方向を向いて座ると、大講義室を勉強部屋として開放するのとあまりかわら
ない。密にならない配慮をしていなければ、私が大学生だった時の、六法全書を持ち込ん
で司法試験の勉強をする学生が束になっていた総合図書館の閲覧室と同じ風景になるよう
な気がした。
一方、今日の人々はSNSでつながり、インターネットと適切なソフトウエアがあれば、物
理的に離れていてもリアルタイムに交流することが可能である。それでも、ラーニングコ
モンズという方向に向かっていたのはなぜだろうか。オンライン講義が普及しても教育の
主流はリアルな存在である学校であり続けていた。オンラインのビデオ会話やチャットは、
実際に会って会話するのとは違うと皆が感じていた。さらに言うなら、バーチャルのシス
テムが発達すればするほど、リアルなものの価値が見直されるようになってきたのではな
いだろうか。アメリカの大学ではオンライン講義が発達しているから、大学生はコロナど
こ吹く風なのかと思っていたが、実際にキャンパスで講義がないことに不満な学生も多数
いるという報道があった。
図書館の風景が変わったのと同様、学会もZoomなどを使ってのオンライン開催が増えてき
た。講演を聴くのは、会場にいかなくてすむだけ楽なのだが、私が残念なのは、ポスター
セッションがなくなってしまうことだ。オンラインポスターセッションも企画されている
ようだが、興味のあるポスターを発表者や同じように興味を持った他の参加者と時間をあ
まり気にせずに自由に話すことはできないと思う。
ロックダウンによる経済活動の停滞もさることながら、教育や学問の観点からは、人と人
との接触の機会を奪ってしまうというのが、今回のコロナウイルスの困った点ではないだ
ろうか。こういった事態に適応できる図書館になればと思うが、ラーニングコモンズを放
棄して旧来の図書館に戻るというのは違うような気がする。それでも、アウトプット重視
のディスカッション教育に疲れた人にとっては、じっくりと書物と対話できる時間が得ら
れたのを奇貨とする面もあるだろう。この経験から未来のあるべき図書館の姿が見えてく
ればいいのだが。(櫻井)


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■前図書館課長のひとりごと■
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+ 2018年7月に図書館の課長を拝命し、今年の3月末まで無事に務めることが出来ました。課
員の協力により多少の貢献は出来たのではないかと思いますし、後任の課長にもバトンを
渡し肩の荷が下りたというのが正直な気持ちです。今年の春からの新型コロナの影響で、
図書館の活動も大幅に制限され、大学の方針に合わせた動きにならざるを得ませんでした。
現在の制限解除の中で、今後予想されるコロナ第二波の対応に備えてください。
今まで、映画を中心に書かせていただきましたので、今回のコロナ騒ぎの中で新たに発見
した映画とYouTubeで感動した音楽を紹介したいと思います。
クリスティン・スコット・トーマスが主演した「イングリッシュ・ペイシェント」、「ラ
ンダム・ハーツ」は彼女の魅力を十二分に発揮した作品なので、一度ご覧頂ければ思いま
す。
音楽では、昭和の香りが漂うカバー曲で、柴田淳の「青春の影」「東京」、森恵の「エー
ル」「ルビーの指輪」、稲垣潤一&小柳ゆきの「悲しみがとまらない」などは、オリジナ
ルにはない新しい魅力に出会えるかも知れません。生活に潤いを与える映画・音楽、その
他一人一人が興味を持つ分野で楽しんでください。
最後に、医学・井の頭の両図書館の課員の方に感謝を申し上げ、6月末の退職とともに静
かにフェイドアウトしたいと思います。
今後の皆様のご活躍をお祈りいたします。(内)

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■編集後記■
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4月より医学図書館に赴任し、早3か月が過ぎようとしています。感染症に対してかつてな
い対応を行った環境の中で、本当にあっという間でした。勤続15年になりますが、これま
で八王子キャンパスと井の頭キャンパスにしか勤務しておらず、三鷹キャンパスに関して
は新任職員も同然です。特に井の頭キャンパスの単純な構造に慣れていたため、各棟が地
下通路や渡り廊下でつながる三鷹キャンパスの複雑な造りはほとんど把握しきれておりま
せん…。徐々に慣れていきたいと考えています。不慣れな点も多くご迷惑をおかけするこ
ともあると思いますが、どうぞよろしくお願い致します。(ゆ)


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