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教員が語る専門分野のこんなところが面白い 教員リレーエッセイ

専門分野の「こんなところが面白い」Vol.3
准教授・西山 桂子(NISHIYAMA, Keiko)

 ホテルと外食の経営が専門分野です。海外ではホスピタリティマネジメントとして知られていますが、国内では揺籃期の分野です。訪日外国人の増加とともに各地でホテルが開発され、日本の外食産業も海外展開を盛んに進めるようになり、この分野にもようやく関心が集まるようになりました。現場のリーダーから話を聞くことなくしては成り立たない研究分野であるため、現場の実感を共有できる研究者でありたいと願っています。そして、実務的に有用な研究を行うためには、情報収集にとどまらず、産業の全体像を把握した上で、事象を多面的に理解するための理論を応用し、新しい発見を提示したいと考えています。研究内容について、経営者や実務家から反応をいただいた時、実践として役に立ったことを知った時、緊張感とともにやりがいや研究の面白さを感じます。

研究に欠かせないアイテム

時代遅れと言われるかもしれませんが、新聞の切り抜きを貼り付けたスクラップブックは研究に欠かせないアイテムです。ホテルも外食も変化の激しい業界です。実務の現場から離れているとトレンドに疎くなり、変化を把握できないまま、業界のニーズに合わない研究を進めてしまう恐れがあります。新聞だけでは十分ではありませんが、実際の現場では今、何が課題であるのか、常に追いかけるようにしています。インターネットで簡単に情報を入手できる時代ですが、時系列に記事を並べたページを手元ですぐに引き出せる便利さを考えると、切り取って貼り付ける手間など問題になりません。業界の流れを追い続けていることを確かめられるので、このスクラップブックは精神安定剤の役割も果たしているのかもしれません。

研究する上で大切にしていること

研究とは、研究対象(材料)を見て、その分析方法(調理法)を示すことだと考えています。新聞記事や情報の収集によって良い素材を集めることも重要に違いありませんが、それをどのような視点からまとめるかが研究者には求められています。つまり、事実を「知っている」だけではなく、その事実の見方を示さなくてはならないということです。そのためには、国内外の論文や文献を渉猟し、また、業界のリーダーへの聞き取りを通じて、自らの引き出し、あるいは研究材料貯蔵庫に良質の材料と用具を揃えていなくてはなりません。山積みの資料を前に途方に暮れることもありますが、日々の地道な積み重ねによって現場の役に立てる日も巡ってくるのではないかと思っています。

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