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教授
長谷川 弘子
(HASEGAWA, Hiroko)

学歴
1995年3月 中央大学大学院文学研究科独文学専攻博士後期課程単位取得満期退学
職歴
1994年4月~ 杏林大学社会科学部助手として入職
2009年4月~ 杏林大学外国語学部教授 現在に至る

先生の専門は何ですか?

ドイツの文学者ゲーテを研究しています。2016年2月には『<本の町>ライプツィヒとゲーテードイツ市民文学の揺籃期を探る』という本を出しました。ゲーテが大学生として過ごした町、ライプツィヒは、当時のドイツ書籍業の中心地であり、非常に活発に新しい分野の本(ドイツ語の文芸書など)が出されていた場所でもありました。ゲーテが小説『若きウェルテルの悩み』を出したときの出版事情などについて考察しました。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

高校生だったとき、どうしても文学を研究したいと思いました。それでなにも考えずに文学部に入りました。入った大学では、2年生に進むときに「どの国の文学を専攻するか」を決めるという決まりがありました。そのとき考えたのは、中学と高校で英語は学んだので英語の本はひとりで読めるはず、また、日本の本は当然読める、ということは、英語ではない外国語を大学で学んで、原語で読める本を増やすべきではないか、ということでした。なぜドイツ文学にしたかというと、いろいろ本を読んでみたところ、ドイツ文学を読んでいるときに一番自分の気持ちがよかったからです。あのときは、とくにトーマス・マンの『魔の山』の世界に強くひかれていて、これをドイツ語で読みたいと思いました。ということでドイツ文学を専攻し、ドイツ語を学び、なんだか面白くて、やめられなくなり、今に至っております。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

私は杏林大学ではドイツ文学ではなく、ドイツ語を教えております。ドイツ文学がからだに合っていた、とすでに書きましたが、じつはドイツ語の学習も私には合っていました。合っていました、というのは、勉強していると自然に楽しくなり、いつまでも勉強していたくなる、ということです。ドイツ語と私は相性がいいのだと思います。ということで、ドイツ語が大好きなので、自然とドイツ語を教えるのも大好きで、授業中に発音練習をしたりすると、自分が元気いっぱいになります。楽しく元気にドイツ語を一緒に学ぶ、ということが自然にできるので、自分も幸せですし、ドイツ語のクラスも楽しいものになっているのでは、と思います。

大学で専門的に学ぶことでこんな未来が?

大学でなにかを学ぶことは、自分なりの未来を切り開くことになります。しかし、じつは大学で学ばなくても勉強というのは基本的にはひとりでできるものです。ではなぜ大学で学ぶのかといえば、私の場合は、もしかしたら自分が知らないなにか素晴らしい世界があって、大学に行けばそのことを経験している大学の先生方がいらっしゃって、その先生でなくては教えていただけないことがあるかも、と思ったからです。そして、その願いはかなったと思っています。大学生になって私はひとりの素晴らしい先生に出会うことができたからです。じつはその先生の講義は難しいのでほとんど理解できなかったのですが、いつも一番前の席に座って、その先生のお話に耳を澄ませました。先生のお話を伺っていること自体が強い喜びでした。先生が書かれた本もまた難しくほとんど理解できなったのですが、すべて購入しました。いまでも私の研究室には先生がお書きになった本が並んでいます。本の背表紙をみると、遠い昔、あの教室でこの世のすべてを超越できるような別の世界にすこしだけ触れることができたのを思い出します。この世に生きていても超越的なことに触れることはできる、という確信を大学で得ることができたのが、私の大きな財産です。

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