准教授
野口 洋平
(NOGUCHI, Yohei)

経歴
1999年3月 立教大学社会学部観光学科卒業(学士:社会学)
2001年3月 立教大学大学院観光学研究科観光学専攻博士課程前期課程修了(修士:観光学)
2004年3月 立教大学大学院観光学研究科観光学専攻博士課程後期課程単位取得退学
2004年4月 鈴鹿国際大学国際学部観光学科 専任講師
2006年4月 杏林大学外国語学部 専任講師
2009年10月 杏林大学外国語学部 准教授(現在)

先生の専門は何ですか?

私の専門は、観光・ホスピタリティ分野の経営・マーケティングです。特に旅行業を対象に、海外パッケージツアーの商品としての構造や特性を研究しています。1964年の海外旅行の自由化以来、なぜ一貫してパッケージツアーが売れ続けているのか、イノベーション研究の製品アーキテクチャ論から分析しています。最近発表した論文では、交通や宿泊、現地での体験などは、各社で共通している部分が多い中で、どうやって差別化していくのかについて論じました。いまのところ、海外旅行が一般化し、多くの人が慣れ親しんでいても、パッケージツアーが選択されているのは、旅行の手段として効率的であり、またパッケージツアーでないと実現できない旅行があるためだと考えています。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

一般的な商品・サービスの場合、できるだけ中間業者を挟まないほうが安く買うことができます。しかし、旅行は旅行会社を通じて買ったほうが安いことがあります。また、旅行会社が販売する海外パッケージツアーは、交通や宿泊、案内などが組み合わされていますが、実際に顧客にサービスを提供しているのは、航空会社、ホテル会社、現地ガイドというまったく別の会社です。私がこの分野に興味を持ったきっかけは、日本の旅行産業が大きく旅行会社に依存していて、同時に旅行会社も他の旅行産業に依存しているという関係、また自社のアイデアをもとに他社のサービスを組み合わせ、付加価値を高めて販売するというビジネスモデルのユニークさです。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

観光・ホスピタリティ研究は、人びとの「遊び」を考えることでもあります。パッケージツアーの研究を通じて、人びとがどのように遊ぼうとしてきたのか、旅行産業がどのように遊びを創造してきたのかを知ることはとても楽しいことです。時代とともに変化し、多様化する人びとの旅行への欲求、それを満たそうとイノベーションを繰り返す旅行産業、その中心的な存在としての旅行業、そのノウハウを結集させたパッケージツアーは、観光・ホスピタリティ分野の歴史そのものです。そして、情報技術の革新が進むいま、例えばインターネットやスマートフォンは、旅行のスタイルを大きく変えつつあります。これを経営学やマーケティング論から分析すると、いくつか重要な法則性のようなものに気付くことができます。それにもとづいて考えていけば、未来のパッケージツアーの姿、そして未来の観光・ホスピタリティのあり方を予測することができるかも知れません。さらに、多くの人びとが地球規模で交流する時代に、この観光・ホスピタリティ分野の学際的な学びと知識は重要な教養のひとつであると考えます。グローバル人材に求められるのは、ビジネスをめぐる能力やスキルだけではなく、「遊び」をめぐる想像力だからです。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

将来、学生の皆さんが出会うさまざまな課題や目標は、いつもシンプルなものとは限りません。また、それを解決・達成するのに役立つ技術も常に進化し続けるでしょう。複雑で変化に富んだ状況でベストな選択をするためには、抽象的に考えて具体的に行動することが必要です。大学で専門的に学ぶことで、「理論」と「実践」を往復しながら答えを見つけるチカラ、「基礎」と「応用」を繰り返しながら成長するチカラを身に付けることができます。そして、大学にはそうした時間を一緒に過ごす仲間と、専門家として教育者として最後まで寄り添う教員たちがいます。いつか来る一人で決断しなければならない瞬間にも、自信を持って結論を導き堂々と表現する自分の姿が見えるはずです。

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