



安くて早くて美味しいファーストフードは、現代の食生活において大きな役割を担っています。その反面、ファーストフードは高カロリー・高脂肪食品の代名詞でもあり、欧米では肥満の原因とも言われています。生活習慣病が大きな健康問題になっている日本において、ファーストフードは問題視すべきものなのでしょうか?この演習では、健康科学、マーケティング、国際政治の視点からファーストフードについて学習し、そのあり方について考えました。
演習では、まず各教員がそれぞれの視点からファースフードについて講義を行いました。次に、学生が、ファーストフードの定義、ファースフードのメリット・デメリットなどについて学習し、小グループでの報告と議論を行いました。そして、消費者がファーストフードも含めてより豊かな食生活を送れるようにするために、また、ファーストフードを生産・販売をしている企業が繁栄していけるようにするために、どうしたら良いか、各グループに発表をしてもらいました。
- 意見をまとめて、聞いている人たちに分かりやすく伝えるのは難しかった。今後の課題として、うまく資料をまとめることが重要だと思った。(Kさん)
- これからもファーストフード店を利用する機会は多々あると思うので、上手にファーストフードを利用していきたいと思います。(Nさん)
- 国がより健康へ意識させるようにし、企業は学校などに出向き健康について伝え、自分たちのアピールもする。そのようにして若者が今よりも健康に少しでも関心を持ち、より良い生活を送ることが出来たらよいと思いました。(Hさん)
- ファーストフードについてディベートをしていく中で、良い悪いだけではなく、共存していくにはという新しい考え方を身につけることができた。(Oさん)s
- 企業側と消費者側の双方の意見が対になっていて、最初は難しいと思ったが、お互いがプラスになるようにするWin-Winの関係というのも可能であると思った。(Kさん)
- 健康科学からは自己管理というものが大事になってくるが、みんながみんな意識していくことは少し難しいようで、企業側も決して太らせたくて売っている訳ではない。お互いがより良くしていくには、企業も日常生活と運動をつなげるようなコラボという取り組みをするのはおもしろいのではないかと思った(Yさん)
- いつもは企業側の視点からしか見ていなかったものが、健康科学の視点からも見ることができるようになった。(Yさん)
- 昔の人はスローフードを大切にしていて、今の若い人はファーストフードに頼って生きているので、もっと国や地方が協力して教育(食育)していくべきだと思いました。
- いわゆる「対」の関係になっているものでも、考え方を一歩引いた所から客観的に見ることにより、「共存」できる可能性がある提案ができることが身につきました。
- ファーストフードと肥満の関係について自分一人で考えたときには、自己管理の重要性が考えの大部分だったが、みんなで議論し、他のグループの発表を聞いていて、具体的な対策などもたくさん出てきて、考えの幅が広がった。(Nさん)
この演習では、アルコール飲料についても同様の視点で議論をしました。今後も、食を中心とした様々な商品に関するリスクを題材として、消費者、企業、政府がそれらの問題をどのよう捉え、対応していくべきかについて考えていきたいと思います。