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2017/10/16
【GCD】吉野家のアメリカ進出立役者が語った「挑戦すること」の大切さ

毎週多彩なゲストをお迎えしてグローバルなキャリア形成の魅力を本音で語っていただくGlobal Career Development(GCD)。今年度も始動です。

今回はアメリカから大物ゲストをお招きしました。ヨシノヤニューヨークCEO、ヨシノヤウエストCEO、そしてヨシノヤアメリカCOO等を歴任され、現在はOffice SAMURAの代表としてご活躍されている佐村篤志さんです。

「うまい、やすい、はやい」でお馴染みの吉野家。1975年、同社は米国で海外一号店を出店、その後は米国のみならず、台湾、中国、東南アジアなど積極的に海外進出を行ってきました。
本日は、日本とアメリカの両国で長年、吉野家ビジネスの第一線でご活躍されてきた佐村さんより、吉野家と佐村さんご自身の挑戦の歴史について臨場感あふれるお話を賜りました。今回もまた、受講した学生に感想文を書いてもらいました。


(以下学生の感想)
今回のGCDでは、アメリカという異国の地で日本の食べ物である牛丼(Beef Bowl)を普及させた立役者である佐村篤志さんをゲストスピーカーとしてお迎えしました。

牛丼。それは日本人のソウルフードの1つであり、私たち学生にとっても非常に身近な食べ物です。杏林大学の井の頭キャンパスにも毎週、吉野家の移動型店舗がやってきて、学生たちの胃袋を大いに満足させてくれています。今回のご講演では、吉野家という企業がいかに発展してきたのか、アメリカ進出の際にどのような困難に直面したのか、そして学生である我々が将来の夢に向かって今すべきことは何かなど、非常に刺激的なお話を多数して頂きました。

ご講演は佐村さんの現在のお仕事の紹介から始まりました。佐村さんは数年前に吉野家を引退され、現在はロサンゼルスにオフィスを構え、全米各地で外食産業に対するコンサルティング・ビジネスや、米国市場への進出を検討している日本の外食産業企業に対するアドバイジングを手がけていらっしゃるそうです。

次に、佐村さんの生い立ちへと移りました。
「大学生になったころ、これといった夢はなかった」と語った佐村さん。家業の電気屋を継ぐ意思もなく、将来について悩んでいましたが、時給が高いという理由で吉野家でアルバイトをし始めます。そこで、吉野家という企業が、牛肉の買い付けなどでアメリカと密接な関係を持っていることに気付きます。「ここに就職したらアメリカに行かせてもらえるだろうか」。佐村さんは次第にそんな夢を抱くようになり、当時の松田社長とも話をして同社に就職することを決めたそうです。

吉野家が今日の地位を確立するまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。1980年、同社は経営不振で会社更生手続きを申請。その時は多くの同僚が会社を辞めていったそうですが、とにかく吉野家と吉野家の牛丼が大好きだった佐村さんは、何も考えずに同社に残ったそうです。ニューヨークで新店舗の出店準備をしていた2001年には、9.11同時多発テロ事件が起こり、壮絶な光景も目の当たりにしたそうです。2003年になると、BSE(いわゆる狂牛病)問題が勃発、日本政府が米国産牛肉の輸入を禁止したことから牛丼の販売事態を断念せざるを得なかった時代もありました。

このように様々な困難に直面しながらも、佐村さんは持ち前の元気さで問題を切り抜けてきました。「何をしているときが楽しいか、それは吉野家で働いているときだった。だから吉野家を自分の仕事にすることができた」。佐村さんのお言葉です。


今回のご講演で印象深かった点は2点あります。
第一に、「すべてのことに「人」が関係してくる」という点です。一人で仕事を完結することはできない。仕事をするということは人と関わるということであり、その関わりこそが大事である、というお話に私は非常に感銘を受けました。

第二に、「大学生のうちに様々なことを経験したほうがよい」というメッセージです。佐村さんは、「目標が定まらないならば、なおさら色々なことに挑戦してほしい。そして、若いうちに海外をみてほしい。挑戦を続けるなかで、好きなことが見つかるかもしれないし、夢、そして仕事につながるかもしれないから」とお話しされていました。今しかできないこと、今だからこそ経験できるものが、きっとあるはず。様々なことに自ら挑戦していこう、と思いました。

最後の質疑応答では、「佐村さんの人生のターニングポイントは何であったか」、「経営をする際、引き際をどう見極めるか」、「入社当時の"志"や"夢" はアメリカでどう変わったか」など、活発に質問が出ました。佐村さんは、一つ一つに丁寧に、時には冗談を交えて答えてくださり、ご講演は終始楽しく、大変意義深いものでした。

貴重な時間を頂きました佐村篤志さんに、改めて深く感謝申し上げたいと思います。
ありがとうございました(総合政策学部1年 矢萩雅弦)。

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