大学ホーム医学部教室紹介第一内科学教室

第一内科学教室

教室専任教員

教授 千葉 厚郎 滝澤 始 要 伸也
准教授 駒形 嘉紀 石井 晴之 市川 弥生子
講師 宮崎 泰 倉井 大輔 皿谷 健
  軽部 美穂 福岡 利仁 横山 琢磨
  渡辺 雅人
助教 岡野 晴子 内堀 歩 大石 知瑞子
  池谷 紀子 小川 ゆかり 川嶋 聡子
  田村 仁樹 本多 紘二郎 徳重 真一

教室概要

第一内科には、腎臓・リウマチ膠原病内科、神経内科及び呼吸器内科の3つの診療科が集まっています。腎臓・リウマチ膠原病内科は、有村義宏教授、要伸也教授のもと、全員が腎疾患とリウマチ膠原病の診療・教育・研究を行っています。また、病院の腎・透析センターの業務も行っておりセンター長は要教授が務めています。神経内科は千葉厚郎教授のもとで神経変性疾患や筋疾患の診療・教育・研究を行うと共に、脳神経外科・脳卒中医学講座と共同で脳卒中センターを運営し、急性期の脳血管障害の診療に当っています。呼吸器内科は滝澤始教授のもと、呼吸器疾患全般の診療・教育・研究を行っています。さらに、感染症科と協力して感染症の診療にも従事しています。医局では、3つの診療科がスペースを共有しているため、診療科の垣根はありません。このため、各領域の専門家が協力し易く、常に高い診療レベルを維持しています。3診療科は、基礎・臨床研究でも協力して成果をあげており、大学院の教育体制も充実しています。このように第一内科は、3つの診療科が協力し、診療、教育、研究を行う総合的な内科学教室です。


腎臓・リウマチ膠原病グループ

当研究室は腎臓病学とリウマチ膠原病学を2つの柱にしています。
腎臓病学は原発性糸球体疾患、膠原病・血管炎や糖尿病に伴う二次性腎疾患 の発症機序、診断法、治療法に関する研究・臨床を行っています。特にANCA 関連腎炎とループス腎炎に関しては伝統があり、症例が蓄積されています。
末期腎不全に対する血液浄化療法に関しても、腎性骨異栄養症の研究、透析 中の体液分布の変動に関する研究を行っています。
リウマチ膠原病学では関節リウマチを始めとして、膠原病、全身性血管炎の 早期診断法、治療法を研究しています。臓器病変では特に腎合併症の病理・ 病態に関して研究しています。
腎臓は他臓器の影響を受けやすい臓器で、全身疾患においても症状を現すこ とが多いのですが、一方、リウマチ膠原病は全身疾患であり、腎を始め多彩 な臓器病変を呈します。その意味では腎臓病とリウマチ膠原病は対極にあり ながら密接に関連しており、双方を平行して学ぶことは、極めて効果的であ ります。

研究グループ及び研究課題

好中球細胞外トラップ(NETs)のANCA関連血管炎の病勢・病因との関係

好中球は周囲の細菌の除去のため、自らの核DNAと細胞質内蛋白質を細胞外へ放出することが知られており、これを好中球細胞外トラップ(NETs)と呼びます。NETsは全身性エリテマトーデスなど種々の膠原病で病気の原因に関与することがわかってきており、ANCA関連血管炎においても同様に病因に深くかかわっていることが知られています。我々は、これらがどのように実際の患者さんの腎障害を引き起こしているのか、どのようにNETsの過剰な産生を抑えることにより血管炎そのものの制御をすることができるのかを、患者さんの好中球を使って解析を進めています。またNETsのコントロールにより病気の治療に結び付けられないかも研究しています。

進行性腎障害のメカニズム解明と新しい治療法の開発

腎臓病の進展には共通のメカニズムと疾患特有のメカニズムの両者が関与します。ループス腎炎や虚血再灌流(AKI)などさまざまな腎疾患モデルを用い、標的分子と治療法の解明を目指した研究を行っています(J Am Soc Nephrol 2010)。ターゲットとしては、TGF-βおよびシグナル関連因子(MAPKなど)、AKIにおける免疫担当細胞やシグナル因子などが挙げられます。

ANCA関連腎炎の病態形成におけるMPOの役割と新規因子の解明

我々はANCA関連腎炎の糸球体病変形成におけるMPO陽性細胞と細胞外MPOの役割を検討して来ました(Clin Nephrol 2013)。現在、腎生検組織のプロテオミクス解析を通じて、腎炎の初期および完成期に関与する病態関連因子の発見を試みています。

補体関連HUSの臨床病態的研究

最近、補体制御因子の異常による非典型HUS(aHUS)が注目されています。我々は、とくに血栓性微小血管障害(TMA)を生じる各種疾患や膠原病に伴うHUSの臨床像、およびその病態についての検討を行っています。

近年の主な業績

  1. 佐藤綾,有村義宏,清水英樹,窪田沙也花,磯村杏耶,小西文晴,川嶋聡子,池谷紀子,吉原堅,駒形嘉紀,要伸也,石井誠之,佐藤衛,山田明:長期維持透析中に再燃した抗好球性多発血管炎性肉芽腫症(Churg-Strauss症候群)の1例.透析会誌 47(7):453-457,2014.
  2. 有村義宏,池谷紀子:血管炎症候群.Ⅳ.関節リウマチ以外の膠原病,最近の話題.日本内科学会雑誌 103(10):2492-2500,2014.
  3. 有村義宏(共著):RPGN診療ガイドライン作成分科会.エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2014.日本腎臓学会誌57(1)139-232,2014.
  4. 有村義宏, 池谷紀子 : 【リウマチ学:診断と治療の進歩】 トピックス 関節リウマチ以外の膠原病,最近の話題 血管炎症候群. 日本内科学会雑誌 103:2492-2500,2014.
  5. Sada KE, Yamamura M, Harigai M, Fujii T, Dobashi H, Takasaki Y, Ito S, Yamada H, Wada T, Hirahashi J, Arimura Y, Makino H, Research Committee on Intractable Vasculitides, the Ministry of Health, Labour and Welfare of Japan: Classification and characteristics of Japanese patients with antineutrophil cytoplasmicantibody-associated vasculitis in a nationwide, prospective, inception cohort study.<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24758294> Arthritis Res Ther. 16(2):R101,2014.

当グループの詳細は、腎臓・リウマチ膠原病内科の ホームページを御覧下さい。

呼吸器内科

呼吸器内科では、学部学生も研修医も「疑問や問題点を見出す」こと、そこを出発点とするProblem Oriented型の姿勢で臨みます。その解決プロセスから、Evidence Based Medicine (EBM)に立脚しつつ、患者一人一人の違いにも対応できる柔軟な姿勢を学びます。臨床においては、現場(病棟・外来)で考える(病院紹介参照)、研究発表においても、現場(学会・研究会)で討論することを重視しています。
2012年度学会参加実績は、国際学会はAmerican Thoracic Society (San Diego)とEuropean Respiratory Society (Vienna)で国内学会も呼吸器学会、感染症学会、アレルギー学会を主として参加しております。また地方会、研究会でも多数の報告・発表を行っています。

研究グループ及び研究課題

総合診療グループ

当科では総合診療が医師の基本であるとの立場から、総合診療およびその教育に力を入れております。こ呼吸器病学にとらわれず、いわゆるcommon diseaseや胸部以外の症状にも興味を持って積極的に学んでおります。のため、外部講師を招聘し勉強会を開催したり、総合診療の研究会に出席したりする機会を作っています。また成果も学会誌等に報告しております。

市中肺炎グループ

肺炎診療は、日本呼吸器学会「市中肺炎の診断・治療のガイドライン」「成人院内肺炎診療ガイドライン」に基づいた診療を行っています。さらに、患者さん一人一人の診察と観察から生じてくる市中肺炎の臨床的な問題点の抽出とデータの収集・解析、解決を行っています。市中肺炎や慢性気道感染症の病態の解析、治療の検討を行います。基礎研究では、モデル動物を確立、解析することにより、肺炎をHost Defenseの観点から検討しています。他大学との共同研究も積極的に行っています。

びまん性肺疾患グループ

臨臨床では幅広くびまん性肺疾患を扱っています。胸部画像検査および病理組織を臨床情報と統合して臨床研究を進めています。研究では、肺胞蛋白症についての臨床データおよび血清および気管支肺胞洗浄液中の蛋白やサイトカインのデータを集めて研究を進めています。新潟大学やCincinnati大学との共同研究も行っています。

肺癌グループ

当科の入院患者数の約半分が肺癌の患者さんです。分子標的薬を用いた治療も積極的に導入し、また、第Ⅱ相、Ⅲ相の臨床治験にも積極的に参加しています。多くの患者がいて、最先端の医療を提供する秘訣は患者を一人一人しっかりと診療することと考えています。研究面では、治療効果の検討・化学療法の副作用の検討と対策・早期肺癌の検出法の検討 と幅広く研究し、日常臨床へのフィードバックを目指しております。

閉塞性肺疾患グループ

閉塞性肺疾患には、主として気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患chrnic obstructive pulmonary disease (COPD)の患者さんが含まれ、「アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン2010」「COPD診断と治療のためのガイドライン 第3版」などに基づいて診療を行っております。慢性呼吸不全診療では、新たに看護師と理学療法士と一緒に在宅酸素療法HOT外来を始め、教育入院を経て在宅酸素を導入した患者がスムーズに外来に移行できるよう試みております。
 研究では、気道炎症を上皮細胞を中心に据えて見つめる、非常にユニークな観点から、分子生物学的知見に基づくアプローチから疫学的介入まで幅広く試みています。東大、帝京大学など近隣諸大学、英国Imperial College & Royal Brompton Hospitalなどと共同研究も行っています。

近年の主な業績

  1. COncologist 2013, in press
  2. J Thorac Dis 2013, in press
  3. Chest. 2012; 141: 560-3
  4. J Hosp Infect 2011; 79: 267-8
  5. FEMS Immunol Med Microbiol. 2011; 62: 182-9.

神経内科グループ

神経内科は、脳・脊髄・末梢神経・神経筋接合部・筋肉といった臓器に関連した多岐にわたる幅広い器質的疾患を扱う学問です。
当研究室では、神経内科学に関する診療・教育・研究を行っています。
患者さんの立場に立った最良の診療と、神経内科学の正しい知識を持つ神経内科専門医の育成、神経疾患の病態解明や実践的な臨床に役立つ研究を目標としています。
神経内科では、頭痛・めまい・しびれ・もの忘れ(認知症)などのcommon diseaseから、てんかん・髄膜炎・脳血管障害などの神経救急疾患、変性疾患や自己免疫性疾患などの神経難病と多種多様な疾患を網羅しており、今後の日常診療においても高いニーズが見込まれる領域です。一方で神経内科専門医は最も人員が豊富と言われている東京都内でも853人(2015年4月現在)と希少です。
当教室では、神経内科の診療・研究に興味を持ち、共に向上し前進したいと考えるみなさんが仲間として加わってくれることを期待しています。


研究グループ及び研究課題

当教室では、臨床神経学全般にわたる知識を深めるだけではなく、以下に挙げたような神経内科学のより専門性を有するサブスペシャリティを持って診療・研究を行っています。


神経免疫

神経内科教授の千葉を中心として、ギラン・バレー症候群、傍腫瘍神経症候群、感染後急性小脳失調症など、その発症に免疫的機序の関与が強く疑われる神経疾患について、患者血清中に出現する抗神経抗体の検討とその病態との関わりについての研究を進めています。中でもギラン・バレー症候群における抗糖脂質抗体の研究に関しては、ギラン・バレー症候群の亜型とされるフィシャー症候群においてガングリオシドGQ1bに対する抗体が特異的に上昇することを見いだしました。この抗体検査は今や同症候群の補助診断法として世界的にも広く用いられるに至っています。またこのような既知の抗体の測定を臨床サービスとして行うばかりでなく、これまでに報告のない新たな抗体の探索を進めています。例えば感染後急性小脳失調症においてこれまで報告のない新たな抗体を見いだし、現在その病態への関わりについて研究を進めています。

神経遺伝学

いくつかの神経難病を含む神経疾患では、遺伝性があることが判明しています。問診により、遺伝性疾患の病歴・家族歴を聴取し、情報を整理して遺伝子診断の必要性を検討し、十分な情報提供を行い可能な選択肢を提示します。
臨床遺伝専門医である市川講師を中心に、臨床遺伝学的なアプローチからの診断方法や情報を学ぶことが可能です。先頃、東京大学医学部附属病院神経内科、ゲノム医学センターとの共同研究で、遺伝性神経疾患の新規変異を同定いたしました。

神経筋電気診断学

針筋電図、神経伝導検査、体性感覚誘発電位(SEP)などの電気生理学的検査法を用いて、神経疾患の診断や病状評価を行う分野を神経筋電気診断学といいます。
日本臨床神経生理学会認定医である大石助教を中心に、臨床に即した実践的な検査・診断技術を学ぶことが可能です。

脳卒中

脳卒中とは、脳梗塞・脳出血・一過性脳虚血発作などの脳血管障害の総称です。
当教室では、脳卒中センターに医局員を配置し、当院の一、二次および三次救急外来に搬送される脳卒中患者に迅速な初期治療を提供しています。脳卒中病棟では早期からリハビリテーションを導入し、急性期脳卒中の治療に加えて慢性期脳卒中の予防的治療を行っています。
多摩地区を中心とした豊富な症例の経験実績があり、脳卒中診療を経験し、脳卒中専門医を取得することが可能です。


近年の主な業績

  1. Kadoya A, Ogawa G, Kawakami S, Yokota I, Hatanaka Y, Uchibori A, Chiba A, Sonoo M. The correlation between the change of distal motor latency of the median nerve and the abundant A-waves in Guillain-Barré syndrome. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015: [Epub ahead of print].
  2. Oishi C, Sonoo M, Kurono H, Hatanaka Y, Shimizu T, Chiba A, Sakuta M. A new pitfall in a sensory conduction study of the lateral antebrachial cutaneous nerve: spread to the radial nerve. Muscle Nerve. 2014; 50: 186-92.
  3. Kawakami S, Sonoo M, Kadoya A, Chiba A, Shimizu T. A-waves in Guillain-Barré syndrome: correlation with electrophysiological subtypes and antiganglioside antibodies. Clin Neurophysiol. 2012; 123: 1234-41.
  4. Nishijima T, Tsukada K, Takeuchi S, Chiba A, Honda M, Teruya K, Gatanaga H, Kikuchi Y, Oka S. Antiretroviral therapy for treatment-naïve chronic HIV-1 infection with an axonal variant of Guillain-Barré syndrome positive for anti-ganglioside antibody: a case report. Intern Med. 2011; 50: 2427-9.
  5. Oishi C, Okano H, Uegama K, Kobayashi K, Nagane M, Chiba A, Sakuta M. Brainstem variant of reversible posterior leukoencephalopathy syndrome with a prolonged clinical course: a case report. Rinsho Shinkeigaku. 2008; 48:737-41.

当グループの詳細は、神経内科の ホームページを御覧下さい。

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