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Faculty of Medicineカリキュラム

杏林大学医学部のカリキュラムは、カリキュラムポリシーに基づき、豊かな人間性の涵養および医師に求められる専門的知識と技能の修得、さらには医学の発展に対応しうる総合的判断能力の育成を目的として、諸科目を有機的に配置しています。

教育方針・学習目標

各学年のそれぞれの講義科目の学習の到達目標・年間講義予定などの詳細は「シラバス(pdfファイル)」でご覧いただけます。

カリキュラムマップ

カリキュラムの概要

杏林大学医学部のカリキュラムは、カリキュラムポリシーにのっとり、豊かな人間性の涵養および医師に求められる専門的知識と技能の修得、さらには医学の発展に対応しうる総合的判断能力の育成を目的として、諸科目を有機的に配置している。汎用的能力を育むため、各科目において学修者の能動的参加を取り入れた授業・実習法(アクティブ・ラーニング)を積極的に採用している。

以下に、学年毎の概要および学習指針を示す。

第1学年(M1)

高校時代に学習した物理、生物、化学などの基礎科学の知識を発展させ、医学物理学、生物学、生体化学、医学統計学など、医学にかかわる科学の基礎知識を学習する。
同時に、医師に求められる基本的姿勢および知識を学ぶ。とくに「行動科学Ⅰ」、「生命倫理と医療安全」などの講義や、病院体験学習、地域体験学習、患者体験学習の3つのプログラムで構成される「早期体験学習Ⅰ」を通して、社会が医師に求める姿勢・態度、そして患者から期待される医師像や医療のあり方を学習し、医学生として相応しい価値観や態度を身につける。
病院体験学習(early clinical exposure)は、配属される診療科で医療の実際を体感することを通して、医師の役割を理解し、医学生としての自覚を新たにする。地域体験学習では、地域の福祉施設などでの体験に加え、講義やグループ学習、学内報告会を通して、課題解決の方法について学ぶ。患者体験学習では、OSCE(客観的臨床能力試験)での患者体験により、患者の立場や感情について体験的に学ぶと同時に、将来求められる医学生としての能力を理解する。
チュートリアル教育は、「与えられた課題からその背後に存在する問題、追求すべき問題点を見出し、必要な情報・資料を検索しつつ、解決に至る道筋を自ら見出す能力を育成する」ことを目的とした教育である。将来、医療の現場で様々な問題に遭遇した際、日々進歩する膨大な医学知識の中から適切な情報を抽出し、これを解決してゆくための方策を学ぶ。 基礎医学については、分子生物学、代謝生化学、肉眼解剖学の講義が始まる。人体の構造の理解を目指す解剖学や生命現象の根源にせまる分子生物学・代謝生化学を学習することは、医学の基本的知識習得の第一歩を踏み出すことになる。
英語によるコミュニケーション能力は、医師はもとより、国際化の進んだ現代の社会人には、将来の活躍する世界を広げるために不可欠である。その重要性に鑑み、学生を能力別に30人前後の小グループに分け、それぞれの実力に合った演習型の講義を行うこととしている。
全学部共通の教養科目の「保健・医療の現状と未来Ⅰ」は医学部では必修であるが、これ以外に他学部が実施する社会学科目「社会と大学Ⅰ~Ⅲ」が自由選択科目として設置され、履修可能となっている。良き医師になるためには、これらの人文系の学問について学び、人間としての幅を広げることもきわめて重要である。総合大学の医学部に学ぶメリットを 生かし、ぜひこれら他学部の教養科目についても積極的に履修してほしい。

第2学年(M2)

将来医師となるための土台となる基礎医学を学ぶ上で重要な学年である。解剖学(肉眼解剖学及び組織解剖学)、統合生理学、病態生理学、細胞生物学、基礎感染症学、熱帯病・寄生虫学などの基礎医学科目を学び、同時に実習が行われる。これらの科目は人体の構造と機能や異常の発生を理解する上できわめて重要なものである。多くの学生から、「臨床医学に進んで、はじめて基礎科目の重要性を認識した」との声を聞くが、学年が進んでからこれらの科目を一から学びなおすことにはかなりの困難を伴う。生涯学習の土台となる重要な学年であることを自覚し、基礎医学科目の徹底した修得を目指してほしい。
「行動科学Ⅱ」、「早期体験学習Ⅱ」、「人文・生命科学特論」などの講義や体験学習を通して、ヒトの多様なあり方を理解し、医師に求められる人間性や倫理性を身につける。「行動科学Ⅱ」では、医療安全、カウンセリング、生命・医療倫理、コミュニケーション、多様性などについて学習する。身体診察入門、地域体験学習、病院体験学習の3つのプログラムで構成される「早期体験学習Ⅱ」では、身体診察に必要となる基本的な技能の習得、地域の福祉施設や病院での体験学習を通して、医学生としての自覚を高める。
また、「保健・医療の現状と未来Ⅱ」では、臨床医学の最先端の話題に触れ、臨床医学への関心を高めるとともに、基礎医学の学習との関連を学ぶ。なお第1学年に引き続き、英語に関しては、学生を能力別に30人前後の小グループに分け、それぞれの実力に合った演習型の講義を行うこととしている。

第3学年(M3)

前年に引き続き、薬理学、病理学A・Bなどの基礎医学科目が配置されている。これらの科目はすでに学んだ人体の構造と機能の上にさらに「病態」の要素が加わったものであり、その知識や考え方は、医師として患者の病態機序や薬剤の作用機序などを考えるための基礎となる。さらに社会と医学を結ぶ科目として衛生学を学習する。また、臨床系科目の学習が開始され、臨床医学総論、臨床検査医学・輸血学、消化器内科学、消化器外科学、循環器病学A・B、呼吸器内科学、内分泌・代謝内科学、神経内科学・脳卒中医学、血液内科学、腎臓内科学、呼吸器・甲状腺・乳腺外科学、産科婦人科学、小児科学、精神神経科学、泌尿器科学、皮膚科・形成外科学の各科目の講義が行われる。循環器病学は循環器内科学と心臓血管外科学を中心とし、関連する教室からの講義を組み合わせた統合型となっている。他の科目も必要に応じて教室の壁を越えて適切なテーマと講義担当者を配置している。
科目数の多い学年であるが、やみくもに知識を詰め込むのではなく、それまでに学んだ基礎生命科学や基礎医学の知識を臨床医学の知識と関連づけ、「なぜそうなるのか」ということを良く理解することが、臨床の現場で応用可能なしっかりした知識体系を修得する上で重要である。
身体診察入門、地域・病院体験学習の2つのプログラムで構成される「早期体験学習Ⅲ」では、M4から開始される臨床実習につながる技能、態度を身につける。
その他、必修科目として医学英語が行われる。医学英語では、少人数のグループで英文医学論文の講読の演習を行うスモールグループ学習が行われる。

第4学年(M4)

第3学年後半から始まった臨床医学の講義が引き続き行われる。
和漢医学概論、法医学、高齢医学、リウマチ膠原病学、小児外科学、救急医学、脳神経外科学・脳卒中医学、整形外科・リハビリテーション医学、眼科学、耳鼻咽喉科学、放射線医学・放射線腫瘍学、麻酔科学、腫瘍学、感染症学、生活習慣病学などが含まれる。臨床医学に関する系統的な知識の修得は、臨床実習に際して不可欠であり、実地臨床への第1歩という認識のもとに学習して欲しい。
また、臨床実習に備え、診断能力と基本的な臨床技能を身につけるための臨床診断学講義および実習が行われる。 実習は小グループで、各テーマをローテートして行われる。その他、臨床医学的な内容を課題としたチュートリアル教育、必修科目としての医学英語が行われる。医学英語では、第3学年に引き続いて少人数のグループで英文医学論文の講読演習が行われ、さらに高度な英語能力の修得を目指す。
後期には臨床実習(Bed Side Learning, BSL)が開始されることになる。臨床実習に先だって、これまでに学んだ基礎、臨床、社会医学の知識と基本的な臨床技能に関して、全国共通で行われる共用試験(コンピュータ試験 CBT と基本的臨床技能試験 OSCE)による評価を受ける。共用試験に合格することは臨床実習履修の要件である。臨床実習を許可されたものには、白衣式において白衣と Student Doctor の認定証が授与される。BSL は、これまでに修得した医学知識を、実地臨床に応用する能力の育成が目的であり、ほぼ 1 年間にわたって小グループで各科を順次ローテートして行われる。医学生が、実際の患者に対応する最初の経験であり、臨床医としての姿勢の基本がこの時点で形成されるといっても過言ではない。生涯の理想の医師像を目指す第一歩に相応しい態度で臨んでいただきたい。
BSL においては、医師を志す者として、身だしなみや言葉遣いはもとより、時間厳守、守秘義務などにも十分注意するとともに、病院内は公共の場であることを認識し、私物の持ち込みは最低限にするべきである。また、ひとたび院内感染が発生すると患者のみならず病院機能に甚大な影響を与えることから、感染防御の徹底は臨床実習において不可欠な姿勢であり、必要に応じシミュレーション教育を行うことでその習得を目指す。
なお第1~4学年で学んだ医学英語から進んで、さらに高度な英語力を身につけたいと希望する学生や、第6学年で海外でのクリニカルクラークシップ実習を希望する学生等を対象にした「英語・医学英語Ⅴ」を選択科目として設定している。

第5学年(M5)

M4 後期に引き続き、臨床実習が主体となる。当学年では、ローテート型の BSL の後に、学生の診療参加型実習をさらに発展させたクリニカルクラークシップが取り入れられている。クリニカルクラークシップにおいては、自らが担当する患者の担当医になったつもりで病歴を聴取し、課題を解決するための検討を積極的に行う。これまでに修得した医学知識を応用する場であるが、積極的に臨床実習の課題や疑問を解決していかないと、学生間で知識量などに大きく差が開くのもこの時期である。系統だった知識が足りないと感じたら、M4 までに学習した科目を復習し、各科目をローテートしているときに各科の先生に自ら質問し、知識を確実なものにするように心がけて、医師として生涯学習を行うための良い習慣を身につけていただきたい。
なお、M4 と同様であるが、臨床実習においては身だしなみ、言葉遣い、携帯品、時間厳守、守秘義務にも十分注意する。また、感染防御策の習得も肝要であり、そのために必要なシミュレーション教育を行う。

第6学年(M6)

最終学年は、卒業に向けて全科目の総仕上げと、卒後臨床研修への円滑な導入のための準備に当てられる。医学部で学習する知識量は莫大であり、直前数ヶ月の学習で、卒業試験や医師国家試験に合格することは困難である。一日一日の積み重ねで知識を整理するように心がけてほしい。
先ず6学年の医学知識の総まとめとなる「臨床総合演習Ⅰ」が行われる。総合試験Ⅰ期の後、クリニカルクラークシップが M5 に引き続き行われる。学内もしくは学外(海外を含む)の医療機関で各 4 週間の実習に臨む。その後さらに、「臨床総合演習Ⅰ」と並んで、公衆衛生学の講義が行われる。既習の医学知識の社会集団への応用と医学知識の整理であり、重要な講義である。なお、「臨床総合演習Ⅱ(復習)」は、総合試験Ⅰ期の成績下位30名程度を対象に、約30コマの演習・講義が行われる。
良き医師への最終段階として、6年間に学んだ医学知識・技能・態度の最終確認に日夜専心して欲しい。