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2016/10/28
【GCD】現役ホテルマンが語った「おもてなし」民間外交の最前線
毎週多彩なゲストをお迎えしてグローバルなキャリア形成の魅力を本音で語っていただくGlobal Career Development(GCD)。本日は、京王プラザホテルの人事部でスーパーバイザーとしてご活躍されている佐久間秀彰さんにご講演を頂きました。今回もGCDを履修している学生に授業の概要や感想について語っていただきます!
(以下学生の感想)
今回のGCDのゲストは京王プラザホテルの人事部にご勤務されている佐久間秀彰さんでした。「国際的なホテルの役割」というテーマで、大変興味深いお話を聴かせていただきました。佐久間さんのお話は、ホテル・ビジネスの基本知識(類型、歴史、機能等)から始まり、国の成長戦略における観光関連産業の位置づけ、日本という国のブランド構築にあたりホテルが提供するサービスの質が果たす役割、そしてグローバルな時代にホテルに求められるサービスに関するお話にいたるまで、多岐にわたりました。私は観光関連産業に興味を持っていたため、本日の講義から大変多くのことを学ぶことができました。
講義の冒頭では、京王プラザホテルの歴史、企業理念、近年の取り組みなどを紹介する動画を見せていただきました。そこでは、同社のおもてなしの精神、新しいことに挑戦し続けるというパイオニア精神、そして「新宿から世界へ」という、国際的なホテルとしての取り組みや決意が強調されていました。次に、日本経済に占める観光産業の位置づけ、ホテル・ビジネスの基礎知識や特徴について、そしてホテルマンという仕事のやりがいについて、佐久間さんご自身の経験談も交えながら、お話いただきました。佐久間さんが仕事のやりがいを一番感じる瞬間は、やはり「良いサービスを提供したあと、お客様に喜んで頂けたとき」だそうです。最後に、日本におけるホテル業の歴史、業界における京王プラザホテルの位置づけや強み、そして将来のビジョンなどについてお話いただきました。
今回の講義では以下の点が特に印象的でした。まず、ホテル・サービスの価値とは何で決まるのか、という点です。ホテルを利用されたお客様に満足して頂き、「また来たい!」と思って頂くうえで最も大切なことは結局のところ「人と人とのふれあい」であり、その仕事はいかにIT化が進もうと、「人間にしかできない」という点が強調されていました。ホテル・サービスの構成要素は「客室」や「料理」など多岐にわたっています。しかしながら、どんなに豪華なお部屋や美味しい料理を提供したとしても、「良いサービス」が伴っていなければ顧客満足度は絶対に高まりません。ホテルは単に部屋や食事をするための場所というわけではなく、価値ある時間を経験・体験して頂くための場所なんだ、ということを学びました。
第二に、日本という国のブランド・イメージを形成するうえでホテル業界が果たしている役割の大きさについてです。訪日外国人観光客に「日本は良い国だ」と思ってもらえれば、リピーターを含め、訪日外国人の数はさらに増えます。その結果インバウンド需要が拡大すれば、多くの業界に経済波及効果が及びます。こうした理由から、観光産業は国の成長戦略産業としても位置づけられています。一方、日本で観光やビジネスを行う際に多くの外国人が拠点にしているのはホテルです。ひとりの外国人が日本に対して抱くイメージは、ホテルによって提供される安心感、おもてなし、そして感動の積み重ねにより形成される部分も大きい、というお話をうかがい、「なるほど」と大いに納得しました。まさに民間外交の最たる例といっても過言ではありません。
最後の質疑応答では、「海外に日本という国のブランドを発信するためにご自身が取り組んだこと」、「国際的に日本を売っていく際の難しさとは何か?」、「他のホテルと差別化するための取り組み内容」、「イスラム教徒のお客様など、異なる宗教・文化を持つ外国人のお客様に対して気をつけていることは何か?」など多くの質問が寄せられました。佐久間さんには学生からの質問に丁寧にお答えいただき、講義後も個人的に質問をする学生が見受けられました。本日は日本国内にいながらグローバルな仕事に従事することの魅力についても再認識することができました。お忙しいなか、たくさんの学びを与えて頂いた佐久間さんに改めて感謝したいと思います。ありがとうございました。(総合政策学部1年 伊保善喜)