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2017/07/03
GCP学生がポートランド州立大学と被災地で共同フィールドワーク

これまで杏林大学では、東日本大震災の被災地におけるボランティア活動を継続的に実施してきました。こうした活動の一環として、6月23日から25日の3日間、GCPの担当教員1名と第一期生の学生5名が、杏林大学の協定校である米国ポートランド州立大学(PSU)の学生9名と教職員3名と一緒に、最大の被災地のひとつである宮城県石巻市において共同フィールドワークを実施しました。

近い将来、PSUのあるオレゴン州においても大震災が起こる可能性があることが米国政府によって発表されています。本フィールドワークは、石巻における震災時の行政や地域の初動対応、当時の被災状況、現在の復興状況などにつき地域の方々から直接話を伺うことを通じて、ポートランドにおける今後の震災対応のあり方の検討に活かすことを目的としたものであり、GCP担当教員の三浦秀之准教授(石巻市出身)とポートランド州立大学の伊藤宏之教授の企画により実現しました。


フィールドワーク初日は、石巻市復興まちづくり情報交流館・中央館において、石巻市における当時の被災状況や復興状況などについて、リチャード・ハルバーシュタット館長よりレクチャーを受けました。その後、震災時に石巻市の防災対策課長を務めていた木村伸・現石巻市危機対策課事業推進官より、震災時の初動対応などにつき、お話をうかがいました。


フィールドワーク2日目は、日野清司・石巻市河北総合支所支所長、千葉巧・同支所次長兼復興官、万城目昭博・同支所地域振興課課長、また住民からの視点として、阿部良助・二子地区まちづくり委員会会長から、河北地区における被災状況と防災集団移転についてご説明いただきました。お昼には、河北地域・中島地区の田んぼに囲まれた八雲神社にて、住民の方々から美味しい昼食をご用意いただき、PSUとGCPの学生達はとても気持ちが良い雰囲気のなかで昼食をいただきました。

午後は河北地域の沿岸部に移動し、108名の生徒のうち74名が犠牲となった大川小学校を訪れ、献花をさせていただきました。その後、防災集団移転をされた住民のかつての居住地域について、神山庄一・尾の崎地区自治会長・宮城県漁協河北支所運営委員長よりお話をいただきました。尾の崎地区では、船で牡蠣の養殖も視察させていただき、下船後は参加者のために獲れ立ての蒸牡蠣をご提供いただき、皆でその味を満喫しました。フィールドワーク最後の締めくくりは、河北地区にある道の駅・上品の郷において、石巻・川の上プロジェクト副理事長であり、合併前の最後の河北町長である太田実・道の駅上品の郷駅長より、「震災時における道の駅の機能」に関するお話をいただきました。

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夜は、参加したGCP学生や地元住民の皆さんのために、ポートランド州立大の経済学部教授であり、パブリックサービス研究・実践センターの副所長でもある西芝雅美さんより、米国で住みたい街ナンバーワンとされる「ポートランドのまちづくり」についてレクチャーをしていただきました。


参加したGCP第一期生の阿井俊介君は、「被災地である石巻市に初めて足を踏み入れ、地元の人やPSUの学生とともにフィールドワークが出来たことは大変貴重な経験でした。なかでも、これまでGCPで学んできた英語を活かし、PSUの学生達と防災に関するディスカッションが出来たことはとても良い経験になりました」と振り返りました。

杏林大学とポートランド州立大学は「防災」と「まちづくり」いう観点から、定期的に国際交流を行う予定であり、本プログラムも今後5年間、継続していきます。

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