卒業生の声

池田 尚広氏 日本中国文化交流協会 勤務
2008年外国語学部外国語学科卒業、2010年大学院国際協力研究科修了

現在はどのようなお仕事をしていますか。

2004年に杏林大学外国語学部に入学し、2008年からは大学院で日本語と中国語の通訳・翻訳技術の習得につとめました。現在、日本中国文化交流協会で働いています。日本中国文化交流協会は、日本と中国の文化交流を通じて、日中の相互理解を促進することを目的に1956年に創立した民間団体です。文学、美術、音楽、演劇、学術、医療など様々な交流事業があります。人生経験も社会経験も少ない私には簡単な仕事ではありませんが、杏林大学で学んだ技術を活かしながら常に厳しい環境の中で研鑽を積むことができる恵まれた環境にいると思っています。

現在の仕事で通訳をするにあたって、大切にしていること、心がけていることはありますか。

協会での仕事を通じてよく思うことがあります。それは、言葉は生き物だということです。文化交流の通訳では、話し手の感情や意図を目一杯汲んだうえで、相手に伝わりやすい言葉を選びなおすことが重要になります。そのため、日頃から一般常識や教養を磨くことと同時に、人が何に興味をもっているのか、どんな時にどんな気持ちになるのか、といった、一見すると人として当たり前のことに特に注意して生活しています。

杏林大学在学中、中国語通訳法の授業で“翻译的传神问题”と題した文章を翻訳したことがあります。“传神”(心を伝える)をどうやって日本語に訳すのか、ということが課題でした。いまになって、自分の訳出や仕事ぶりに自信が持てないとき、もしかしたら“传神”には「思いやり」という意味合いが込められていたのではないかと当時を思い出すことがよくあります。そのおかげで、言葉の勉強の根底には自分を見つめなおし、他人の立場で物事を考えるということがあるのだと身に沁みています。その大切さを学生のうちに教えてくれた母校には感謝の気持ちに堪えません。

仕事や勉強に追われ、難しい通訳の場面では逃げ出したくなるようなときもありますが、そんなときは学生時代、厳しくも温かく叱咤激励してくださった先生方や、助け合い切磋琢磨した学友たちを思い出して自分を奮い立たせています。これからも杏林大学で学ぶことができた幸運と周囲の人に感謝して、社会に少しでも貢献できるよう努力したいと思っています。

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