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大学ホーム国際協力研究科国際協力研究科で学ぶ「言語×文化」

大水利之
小松実弥
藤田由香利
高立偉

国際交流の場において最初のハードルとなるのは言語の違いですよね。これについて、日本語を教えている立場の大水さんはどのようにお考えですか?

大水利之
ハードルとして言語個々の文法や意味もあるでしょうが、一番の問題は思考様式の違いではないでしょうか。例えば、日本語と中国語は何が違うかと問われたら、私は、中国語は論理的、合理的な言語であると答えます。一方、日本語は論理的・合理的・科学的な言語というより、気持ちを伝えることを重視した言語という感覚をもっています。ですから、中国の方がせっかく日本へ留学に来ても、日本での生活に馴染めなかったりするのは、中国人の思考方式にとらわれてしまうからではないでしょうか。これは言語を超えた次元の問題で、ただ言語を覚えただけでは上手なコミュニケーションはとれないと思います。ですから、私は言語+文化的なものを知る、それも頭で知るのではなく体感することが重要だと思います。
藤田由香利
私も同感です。私は中国に留学して、中国で1年半仕事もしていたのですが、言語を知っているだけでは十分なコミュニケーションをとることはできないと感じました。例えば日本人は相手の気持ちを考えながらちょっと遠まわしに発言しますが、中国人とコミュニケーションをとる場合、ストレートに意見を伝えることが大事になります。ですから、日本流の思考で意思を伝えると、返ってきた答えが期待したものと全く違うことが多々ありました。
高立偉
たしかに私も言葉よりカルチャーショックの方が強く感じました。私は日本に来て5年経ちますが、いまだに日本人の方の心が読めません(笑)。
小松実弥
それは、なかなか本音を言わないということ?
高立偉
そうですね。どんなに友達になっても本音はなかなか言わないなと感じています。
藤田由香利
でも、どこまでが本音なのか線引きが難しいですよね。やはり、その微妙なラインもお互いの思考、文化を理解しないといけないということなのだと思います。

実際に他文化圏で暮らすということは大変ですよね。例えば外国人が日本で暮らす場合、どのような問題が出てくるのでしょう?

高立偉
本当に大変ですよ(笑)。やはり、まずは言葉です。とくに病院や市役所、学校では自分の日本語ちゃんと通じているか不安になります。
小松実弥
保健に関する問題で言うと、例えば保健センターで子どもの健診をする場合、案内を送るのですが、親が日本語を理解できない外国人の場合は案内を送ってもなかなか健診に来ることができません。来る場合は、日本人の知り合い、または通訳さんと一緒に来るケースが多いのですが、このように日本語を話せる第三者で同行してくれる人を探さないといけないというハードルがあります。そのため、海外からの出稼ぎの方が多く集まっている地域からは、健診に来ることができないということがよくあります。これは、逆に日本人が海外で暮らす場合も同じだと思います。例えば現地で病気になった場合、自分の言葉が通じているのか、その国の医療システムはどうなのかといった不安があります。また、それぞれの国によって医療費や保険のシステムも違うので、費用面についても不安があるでしょう。
大水利之
それと同じような問題と言えると思うのですが、日本で働いている外国人の子どもの場合、日本語が理解できないストレスで不登校になってしまうケースがあります。ですから現在、国語の教員と外国人に教える日本語教師との間の交流が必要とされています。そのため、ネットワークを作って実践的に役立つような提案をしたり、問題提起をしたりといったことが、大学院のような機関に求められているのではないでしょうか。
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