大学ホーム医学研究科医学研究科について学修要綱履修モデル・主要科目の特長外科系専攻・産科婦人科学分野

主要科目の特長:外科系専攻 産科婦人科学分野

産科婦人科学分野の授業科目

科目名 単位
産科婦人科学 講義・演習 4
産科婦人科学 実験・実習 8
産科婦人科学 課題研究 8
産科婦人科学 研究論文演習 4

科目の特長

産科婦人科学教室
教授 岩下 光利

産科婦人科学の学問体系には大きく3つ、周産期医学生殖内分泌学婦人科腫瘍学に大別されます。産科婦人科学教室の研究テーマもこの3領域すべてを対象としています。周産期医学領域では胎児発育における成長因子の意義、胎盤の内分泌調節、母体・胎児間のフィードバック機構の解明、妊娠中の尿酸代謝等をテーマとしています。生殖内分泌学領域では着床機構におけるインテグリンの役割、排卵機構におけるインターロイキンの作用、卵胞発育における成長因子の役割、子宮内膜の脱落膜化機構の解明など。また婦人科腫瘍学領域ではがん細胞の抑制機構や幹細胞のがん発症機序解明の研究に着手しています。当教室の大学院でも、上記のいずれかのテーマを対象として、指導教員の指導のもと、研究を行うことになります。このほかに、昨年から新学術領域での研究としてプラズマによる細胞,組織の活性化・改質及び再生医療への応用展開についての研究にも取り組んでいます。

研究のサポート体制としては、当教室専属の実験助手も配置。さらに、今年度からは大学院生は半年ずつ交代でベッドフリーの期間を設け、研究の時間を有効活用出来る様配慮されています。大学院卒業後は海外留学も視野に入れ、国内だけでなく国外での研究発表も義務付けています。いずれの研究も clinical evidence に立脚したテーマとなるよう心がけており、研究の結果得られた成果を臨床にフィードバックできることを常に念頭において研究を進めています。手技的には細胞生物学または生化学、分子生物学的手法を用いて研究を進めています。

周産期グループ

胎児胎盤発育におけるインスリン様成長因子とその結合タンパクの生物学的意義とその調節機構の解明

インスリン様成長因子 (IGF) とその結合タンパク (IGFBP) は胎児胎盤発育に重要な役割を果たしていますが、その調節機構には不明な点が多いのが現状です。当教室では今までに IGFBP の翻訳語修飾により IGF の作用を調節し胎盤発育を促進または抑制することを明らかにしてきました。現在、IGF-IGFBP の調節に関与する母体因子(脱落膜、特に脱落膜中に存在する NK 細胞の産生する因子)の解明を進めています。


図:IGF は絨毛細胞の移動を促進する(上:光学顕微鏡像、下:電子顕微鏡像)

低酸素虚血による脳障害の発症メカニズムの解明と新たな治療法の確立.

排卵および着床の分子生物学的機構、胎盤早期剥離の発生機序

TGF-β Superfamilyの女性生殖器官における役割

生殖内分泌・不妊グループ

着床機序におけるプロラクチンの意義の解明:

子宮内膜は脱落膜化することにより着床能を有するようになります。脱落膜化した子宮内膜(脱落膜)からはプロラクチンが分泌されますが、その意義は不明です。また、プロラクチンは分解、重合することによりその作用が変化することが知られています。現在、子宮内膜の脱落膜化過程でのプロラクチン分泌および修飾の動態を解明しています。

婦人科腫瘍グループ

婦人科癌に対するメラトニンの影響:

メラトニンは種々の固形癌において細胞増殖抑制効果が報告されています。我々も子宮体癌に対してメラトニンが増殖抑制効果を有することを報告してきました。現在メラトニン受容体アゴニストの効果について検討を行っています。

卵巣癌における癌幹細胞についての研究:

近年様々な癌において癌幹細胞の存在が明らかとなっています。癌を克服するためには癌幹細胞を如何にコントロールするかがポイントと言われています。我々はパクリタキセル耐性卵巣癌培養細胞において、パクリタキセル感受性細胞に比較して癌幹細胞が多く含まれていることを報告してきました。現在癌幹細胞をターゲットとした新たな治療法の開発を行っています。


図:培養細胞における SP 細胞の割合。パクリタキセル耐性株 (KF28TX, KFr13TX) において SP の割合(癌幹細胞)が増加している

卵巣子宮内膜症性嚢胞における酸化ストレスとその意義:

卵巣子宮内膜症性嚢胞内には血液が貯留し、その中に存在する鉄イオンにより酸化ストレスが生じると言われており、またそれにより嚢胞が癌化することが知られています。当教室では卵巣子宮内膜症性嚢胞における酸化ストレス物質と生活様式などについて研究を行っています。

子宮体癌浸潤に関与する因子の探索:

子宮体癌は比較的早期の癌が多く、そのため他の婦人科癌と比較して予後良好です。その子宮体癌浸潤に関する新規蛋白の探索を目的としてプロテオミクス解析によりいくつかの候補蛋白を同定しました。現在それらの蛋白の意義について解析を行っています。

(2013年 8月)

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