オリンピック・パラリンピック特集パラリンピック・ボート競技に挑戦

   
有安 諒平( ありやす りょうへい)
杏林大学大学院医学研究科統合生理学コース在籍


障がい乗り越えて

 2020年が明けてすぐ、有安諒平さんはパラローイング委員会が認定する2020 年度強化指定選手に選ばれました。有安さんら強化選手は、一月半にわたる日本代表選考会に臨みました。
 有安さんは、15 歳で黄斑ジストロフィーの診断を受け、視覚障がい者となりました。筑波技術大学で理学療法士を目指していた頃に始めた視覚障がい者柔道では、強化選手に選ばれます。2016 年、パラリンピック選手発掘プログラムに参加した有安さんは、その身体能力をかわれ、パラローイングに転向します。すぐに頭角をあらわし、17年にパラローイング委員会の指定強化・育成選手、18年に東京都アスリート認定選手になりました。第48 回世界選手権では、PR3(腕・肩・胴体・下肢の機能があるが四肢に障がいがある、または視覚障がいの漕手)男子ペアで4 位入賞を果たします。19 年日本ボート協会指定強化選手になるなど、活躍が期待されています。
 現在、杏林大学大学院医学研究科統合生理学コースで、脊髄障害後の新たな神経リハビリテーションに関する研究をしています。

舵手つきフォア出場に挑む

 東京パラリンピックボートの実施種目は、男女別のシングルスカル、男女ペアのダブルスカル、男女2 名ずつのチームで編成する舵手つきフォア(4 人乗り)の3種目。有安さんは舵手つきフォアの出場をめざしています。
 舵手つきフォアは、視覚障がいまたは肢体不自由の4 人の漕手と、性別、障害の有無を問われない舵取り役のコックスの5 人一組で編成されます。選手の呼吸や漕ぐスピード、タイミングなどをそろえることが鍵となる種目です。
 パラローイングの認知度が低く、クルーを組む選手が集まらなかったため、自ら様々なメディアに掛け合い、取材を受けることで競技を知ってもらう行動に出た有安さん。その甲斐あって、クルーを組めるようになり、昨年はオーストリアで行われた世界選手権にも出場して力を試してきました。
 日本代表選手選考の結果、最終代表クルーが決定します。