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公開講演会・公開講座

乳がんの外科治療はどこへ向かうのか −集学的治療から見た展望−(講演概要)

2016年7月16日(土)開催:杏林大学公開講演会

 医学部教授
 井本 滋(専門:乳腺外科全般、外科腫瘍学)




    ○講演概要
     現在の乳がん治療は、手術、薬物、放射線の治療の組み合わせによって行われています。これを集学的治療といいます。さまざまな新薬が開発されている昨今ですが、乳がん治療の根幹を成すのは、依然として手術治療、即ち外科治療です。  近代的な乳がん手術は19世紀末に始まり、100年近くは乳房とリンパ節と胸筋も切除する方法が標準治療として行われていました。  1980年代から乳房温存手術、1990年代からセンチネルリンパ節生検、さらにここ数年は乳房再建術が保険収載されるに至り、乳がんの性質、広がり、リンパ節転移の有無の情報と患者自身の治療への希望を考慮して、個別化治療が行われています。  さて、究極の乳がん治療はメスを入れない治療と言うことになります。乳がんは乳管の中に発生し、周囲に広がります。しかし、一部の乳がんは範囲が限局しているため、がん細胞を焼灼するラジオ波焼灼治療が研究されています。一方、乳がんは早期から血液中、骨髄中にがん細胞が転移する病気です。  ただ、最初は余りにも小さくて現在の画像診断では転移を発見できません。そのがん細胞が数年あるいは10年以上掛かって、画像診断でも分かる状態になることを「転移再発」と呼びます。すでに全身にがん細胞が播種している状態ですから、薬物治療が基本です。  しかし、乳がんの転移再発の中には進行が遅かったり転移の数が少なかったりするオリゴ転移(oligometastases)も存在します。そのようなオリゴ転移に対して、手術や放射線などの局所治療を薬物治療に組み合わせるせることで乳がんの進行を食い止められないかどうか、日本、韓国、中国での共同臨床研究が計画されています。  本講演では、乳がんの手術治療(外科治療)の変遷と、放射線治療と薬物治療の現状、ラジオ波焼灼治療、そしてオリゴ転移への挑戦について解説します。


    2016年7月16日(土)『乳がんの外科治療はどこへ向かうのか −集学的治療から見た展望−』
    杏林大学医学部
    教授 井本 滋


    杏林大学 広報・企画調査室




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