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意外に知らない子どもの便秘(講演概要)

2016年9月10日(土)開催:杏林大学公開講演会

 杏林大学医学部小児外科学
 教授  浮山越史 (専門:新生児外科、小児一般外科、小児救急)
 講師  渡邉佳子 (専門:小児外科学)
 看護師 二ツ橋未来(皮膚・排泄ケア認定看護師)




    ○講演概要
    1. 便秘とは
    便が滞った、またはでにくい状態をいいます。便秘のためおなかが痛い、苦しい、排便時に苦痛がある場合を便秘症といい、この状態が数ヶ月続くと慢性便秘症になります。

    2. 子どもの便秘はなぜ悪くなるのか
    便秘が進んで便がかたくなると排便の時に痛い思いをします。そうすると子どもは排便が怖くなって、次の排便を我慢するようになります。便が肛門まできていて生理的には便を出す状態になっているのに肛門の筋肉を締めてしまり、それでいて排便のために力むという、矛盾した状態になります。便意がでては我慢する、を繰り返しますが直腸に残ったままの便はどんどん硬く、大きくなっていきます。便がでるときにさらに苦痛を伴うので、さらに我慢するようになり悪循環が生じます。直腸もその状態が続くと拡張してしまいます。そのため、ある便以上の大きさ、量の便がこないと便がおりてきたという認識ができない鈍い腸になります。大人であれば出さなければという思いがありますが、子どもは恐怖心のほうがはるかに強いため悪化していくのです。

    3. 便秘の治療
    治療のゴールは正常の排便パターンにすることです。 直腸に便塊があるときはそれを除去した上で維持療 法に移ります。維持療法は生活習慣、排便習慣の改 善、食事療法です。子どもは自分で症状を訴えられ ず、年齢によっては治療を理解することが難しいた め、内服薬を飲むことすら苦労することも多いかと 思います。治療を継続するためにはいろいろな工夫も必要になります。

    4. 大事なこと
    子どもはひとりひとり身体能力も感受性も成長の早 さも異なります。そのわずかな違いで便秘症になり、治療のゴールもひとりひとり違います。原因を知り、適切な治療を行うことで改善していきます。そのためには、正しい理解と周囲の協力、そして子どもにとってストレスを与えない環境づくりが必要です。


    2016年9月10日(土)『意外に知らない子どもの便秘』
    医学部小児外科学教室 講師 渡邉佳子(専門:外科系専攻 小児外科学分野)
                 二ツ橋未来(皮膚・排泄ケア認定看護師)



    杏林大学 広報・企画調査室




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