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リウマチ、膠原病って何?(講演概要)

2016年9月17日(土)開催:杏林大学公開講演会

 医学部教授
 要 伸也(専門:腎臓病学、透析療法、膠原病、高血圧、水電解質)




    ○講演概要
     リウマチ、膠原病とは、何らかの免疫異常により、関節、皮膚・筋肉などの結合組織や血管が侵され、全身に症状があらわれる病気の総称です。いくつかの種類がありますが、進行すれば、腎臓、肺、中枢神経などの臓器にも影響が及ぶことがあります。 原因は不明ですが、自分の体を白血球・リンパ球や抗体(自己抗体)が攻撃することにより発病すると考えられています。遺伝的な要因(かかりやすさ)と後天的な要因の両方が関係しているようです。 代表的疾患には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎・多発性筋炎、全身性硬化症(強皮症)、血管炎症候群の5つ、類縁疾患として、シェーグレン症候群、混合性結合組織病、リウマチ性多発性筋痛症、強直性脊椎炎などがあります。2つ以上の膠原病が合併することもあります。多くが難病に指定されています。
     関節リウマチは、関節の内側にある滑膜の炎症により、手指、肘、足などの関節に痛みや腫脹を生じる病気です(リウマチ疾患の代表です)。全身性エリテマトーデスは、自らの細胞核内成分に対する抗体のために、皮膚や関節のほか、腎炎、貧血、神経障害など全身に症状があれわれます(自己免疫病の代表です)。 強皮症は、コラーゲン線維の過剰産生が皮膚や内臓に起こる病気です(膠原病の代表です)。血管炎症候群にはたくさんの種類がありますが、小血管を侵すANCA関連血管炎(ANCA:抗好中球細胞質抗体)が比較的多いです。
     診断には、全身の特徴的な症状や炎症所見に加え、それぞれの病気に特異的な自己抗体の検出が役に立ちます。根本的な治療は難しいですが、薬の進歩により、ほとんどで病気が治まった状態(寛解)に持ち込むことが可能になっています。基本は、副腎皮質ステロイドと抗リウマチ薬・免疫抑制薬です。最近、炎症や免疫異常を生じる中間物質をブロックする薬(生物製剤)が開発され、関節リウマチや一部の血管炎でとくに有効であることがわかってきました。
     このように、膠原病はいろいろな種類がありますが、関節リウマチを除くと頻度はそれほど多くなく、すぐに診断がつかないこともあります。原因不明の症状が続く場合は、膠原病も疑って一度は専門医に診てもらった方がいいでしょう。もし膠原病と言われても、落ち込む必要はありません。適切な治療により病気をコントロールできるようになっていますので、病気のことをよく知り、上手に付き合っていくことが最も大切です。


    2016年9月17日(土)『リウマチ、膠原病って何?』
    杏林大学医学部
    教授 要 伸也


    杏林大学 広報・企画調査室




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