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翻訳業はサービス業だ! (プロのビジネス翻訳者はこう訳す)(講演概要)

2016年11月5日(土)開催:杏林大学公開講演会

 外国語学部准教授
 関 美和
(専門:英語ビジネス書の日本語翻訳)




    ○講演概要
    「翻訳本が苦手」という方がいます。カタカナが多かったり、馴染みのない人名や地名が登場したり、日本語がちょっと不自然、といった理由で翻訳ものをあまり読む気がしないという人は少なくありません。一方、翻訳ものを好む人は、新しい知識を仕入れたい、異国の雰囲気を味わいたいと思っていらっしゃるのではないでしょうか?
     今回の公演では、翻訳者の仕事について、私個人の経験を通してお話しをさせていただき、また英語学習に興味のある多くの参加者の質問に答えさせていただきました。

    ●翻訳業はサービス業
     教育も翻訳も、お客様のいるサービス業です。教師にとってのお客様は生徒。翻訳者にとってのお客様は読者の皆様です。そして翻訳者にはもう一方のお客様がいます。版元と編集者です。優秀な編集者がいてこそ、質の高い翻訳書が読者の皆さんの目に触れるのです。そのお客様たちが何を求めているのか、どのようなサービスを提供したら高い満足が得られるのか、それを考え、実行するのが翻訳者の仕事です。

    ●良い翻訳者とは?
     ではお客様は何を求めているのでしょう? 読者の皆さんが求めるのは「快適な読書体験」ではないでしょうか? 原著者の意図が余すところなく、わかりやすく、できれば楽しく伝われば、読書体験は快適なものになります。翻訳者として私がいつも心がけているのは、「翻訳を意識させない読書」です。読者の皆さんが、その本の内容にどっぷりと浸かり、するするとページをめくり、あっという間に最後まで読んでしまった、そんな文章を心がけています。そして編集者に対しては「うまい、はやい、安い」の吉野家式サービスを提供できるよう努力しています。中でも、ただ「はやい」のではなく、「圧倒的にはやい」を目指すことで、差別化を図ることを心がけています(この部分はまだ開発途上です)。

    ●英語学習のコツは?
     生まれたときから英語が得意という人はいません。私もたくさんの本を英語で読む中で、だんだんと語彙がついてきましたし、スピードも上がってきました(まだ上がると思っています。)本一冊を英語で読むのはマラソンに似ています。はじめは500メートルしか走れなくても、練習を重ねていけば必ず走れる距離は延びます。定期的に練習していけば、必ずほとんどの人が42キロを走れるようになるはずです。ただし、問題はこの練習ができるかどうかです。プロの翻訳者になろうと思えばさらに、42キロを2時間15分で走る訓練が必要になります。が、アマチュアとして英語を楽しみたい方はぜひ、毎日少しずつ英語の本を読んだり、英語のニュースを聞いたり、英語に触れる時間を伸ばしてみてはいかがでしょうか?


    2016年11月5日(土)『翻訳業はサービス業だ! (プロのビジネス翻訳者はこう訳す)』
    杏林大学外国語学部
    准教授 関 美和


    杏林大学 広報・企画調査室




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