フード・マイレージというのは,食料の産地から消費される土地までの輸送距離に重さをかけた値です。

食品の生産地と消費地が近ければ,輸送にかかるエネルギーが少なく,地球環境にかかる負担も小さいので,

フードマイレージも小さくなります。
本文へスキップ

楽しい発音アクティビティ

楽しいが一番!

スピーチ,ディスカッション,プロジェクト活動などのアクティビティにおいて,フレージング指導法を用い,発音を強化する教材・指導法を提案しています。

ワークショップ「イントネーションに焦点をおいた発音指導」レポート!


 6月15日(土)に早稲田大学で"みんなの音声プロジェクトのメンバー",中川千恵子先生のワークショップ「イントネーションに焦点をおいた発音指導」が開催されました(日本語教育学会主催)。参加者は約50名。大学や日本語学校の講師の方を中心に,大学院生や海外からのお越しの方もいらっしゃいました。ワークショップを円滑に行うために"みんなの音声プロジェクトのメンバー"からアシスタントとして,田川と渡部も参加しました。

 ワークショップは2つのセッションに分かれていて,前半は発音指導についての考え方,中川先生の「フレージング指導法」についての講義でした。「発音指導って必要だと思うけど,いつ?何を?どのくらい?すればいいんだろう」という,みなさんの「わからない!」に答える内容で,みなさん大きくうなずいたり,熱心にメモを取ったりしながら,聞いていらっしゃいました。講義の後は,実際に中川先生のクラスで勉強している4名の学生さんが参加して,デモ授業が行われました。中川先生の著書『初級文型でできるにほんご発音アクティビティ』を使って,どのように指示し,練習していくのかを実際に見ることができました。これからクラスで使う予定だという先生もいらっしゃったので,参考になったのではいかと思います。一生懸命な学生の様子も印象的でした。

 セッション2はワークです。「句切り」(句を句切るので「句切り」と呼びます)と「への字」に気をつけて読むことで,発音は格段にきれいに聞こえるようになります。教科書に出ている例文に「句切り」と「への字」がつけられれば,実際のクラスでも応用が可能になります。グループワーク形式で,いろいろな教科書の例文を使って,練習しました。始めは「うまく"句切"れない」「"への字"が書けない!」「あれ?グループの人のものと違う?」と不安げな表情の方もいらっしゃいましたが,やっていくうちに,だんだんとコツがつかめてきたようでした。意味の切れ目を考えたとき,おかしくない場所であれば,多少の個人差はあるものだ,ということもグループワークを通して,知ることができたのではないかと思います。

 さて,最後のパートは,今後の発音指導に向けてのアイディアのシェアです。ここまで,発音指導についての考え方と「フレージング指導法」に関する講義,そのデモ授業,参加者によるグループワークをしてきましたが,それらを実際,どのように授業の中で生かしていくかをグループでシェアしました。各グループ,自分のクラスや学生の話などから,いろいろなアイディアが出ていました。レベルやクラスサイズ別に考えてみたり,行う上での悩みや問題点などを書き出してから考えてみたり,グループごとに模造紙にアイディアを書き出してもらい,最後に全体でシェアをしました。残り時間が短くなってしまい,他のグループのものを十分に見ることができなかったのが残念でしたが,後日,web上でアクセスできるようになるそうです(日本語教育学会 教師研修委員より)。

 また,発音指導に使えるwebコンテンツの紹介コーナーでは,OJADHOYAvoicetextoddcastなどを実際に試してみました。みなさん,興味津々の様子でした(参加者からAIの合成音声サイトも後で教えてもらいました)。

 4時間という長い時間でしたが,あっという間の時間でした。参加者のみなさんが熱心に講義を聴く様子,どんな発音指導ができるだろうと考えている表情,また,デモ授業に参加してくれた学生さんの一生懸命で楽しそうな様子を見て,"楽しい発音"の時間がこれからもっともっと増えていきそうな気がして,嬉しくなりました。このようなワークショップが,より多くの先生,学生が,楽しく発音に取り組めるようになるきっかけの一つになり,いろいろな形の"楽しい発音"がもっともっと広がっていくといいなと思いました。(渡部)