中竹 俊彦 前書き リンパ球とはどういう細胞か リンパ球の世界(3−A) 

リンパ球を追う(シリーズ300-A)

リンパ球の世界(3‐A)

A.リンパ球とはどういう細胞か

<前書き>

                          杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦

 末梢血のリンパ球は、リンパ組織からリンパ管の集合本幹である胸管に集合してきて、静脈に流入するものとされます。リンパ組織の栄養血管から直接、血流へ入ってくるリンパ球もあるとされています。そして血流に乗って移動し、生体に生じたさまざまな刺激に反応(刺激と応答の関係)して、リンパ球機能が高まります。さらに、標的になる細胞効果を受ける細胞のある場所へ移動すれば、機能を発揮(機能と標的ないしは効果に関係)します。リンパ球が最も多く集合する場所は、末梢リンパ組織(リンパ節・脾臓の一部)です。

 リンパ球の数は、増える理由があって増加してきます。典型は百日咳のリンパ球増加でしょう。それは反応性のリンパ球増加ですが、反応性変化をきちんと理解し、形態学的に見極めることができれば、やがて自律的な増加に伴う形態異常(例えば、小児の急性リンパ性白血病の例など)もみえてくると思います。

 リンパ球数が正常な生体にとって増える必要性がないのに増えてきたのならば、それはリンパ球の一方的、自律的な増加で、腫瘍性増殖を意味します。それは反応性ではないのです。この点は本稿の目的ではないので、ここでは触れないことにします。

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 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

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