重要なポイント(シリーズ630-2-2-1-2.sp.st.tech1〜7)
実技編
「詳細解説・特殊染色の方法とその読み方」
杏林大学保健学部 臨床血液学(教授) 中竹 俊彦
この解説の次に,パワーポイントで特殊染色は(シリーズ630)に提示しています。
シリーズ630-2-1.sp.stSidero.tech
II.鉄染色法
II-1.方法
(1)固定にはホルマリン蒸気(湿潤室固定方),または10%ホルマリン-エタノール液を用いる.時にはメタノール単純固定標本でも染色性は劣るが可能.
(2)2%塩酸(精製水34mlに36%の濃塩酸2mlをゴム帽付の駒込ピペットで少しずつ滴下・混和しながら加えて18倍希釈).
(3)2%フェロシアン化カリウム水溶液は,フェロシアン化カリウムを精製水で2 g/dl水溶液にする.
(4)0.1%〜0.2%サフラニンO水溶液.薄いほうの0.1%溶液は後述の理由で有利である.
鉄の組織化学的な染色原理:組織内の非ヘム鉄(3価の鉄)は,塩酸(HCL)酸性のもとで解離するが,同時にフェロシアンイオンを加えてあれば解離と同時に不溶性の色素を形成し,鉄に特有の反応で 「ベルリン青」を形成して染色される.反応式を化学的に完成すれば次のように,
4Fe3++3K4[Fe(CN)6]→Fe4[Fe(CN)6]3+(12KCl)
となり,フェリチンは均一で瀰漫性に存在し,またヘモシデリンは顆粒状で存在して,いずれも濃青色に染まります.
固定,染色操作,読み方など具体的な方法の要点は,文献に挙げた資料(中竹俊彦:骨髄鉄染色法と臨床的意義.検査と技術31巻8号687〜692,2003を参照ください)
文献
1)中竹俊彦:骨髄鉄染色法と臨床的意義.検査と技術31巻8号687〜692,2003
(参考資料)
1.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(1)
2.中竹俊彦:骨髄像の解析と表現法(2)‐リンパ球を追う‐
3.中竹俊彦:マルクマスター,ブラストマスター(ともに,CD-ROM教材)
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体裁
B5版(本文 305頁)
目次(序論・1〜24まで9頁)
索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)
(頒布いたします)
入手方法の問い合わせ( nakatake@kdt.biglobe.ne.jp )半角アットマークで可能です。