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画像解析の流れ

画像解析システムの例

ここに我々が日常行っている画像入力システムを紹介する。
アイテム 開発元 名称
顕微鏡 OLYMPUS BH2
画像入力カメラ FROVEL CCD顕微鏡カラーTVカメラ(HCC-3600)
ワークステーション:1 Apple PowerMacintosh7600/132
ワークステーション:2 Apple PowerMacintosh8100/80AV
画像入力ソフト Adobe systems, C. Daboo Photoshop+Plug-in Digitizer
画像処理ソフト Adobe systems Photoshop
画像解析ソフト W. Rasband NIH-Image
データ処理ソフト Microsoft Excel

画像データベース

株式会社クボタ BILLETE

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画像入力法

ここでは,例として血液細胞を塗沫標本から顕微鏡を使用し,画像を取り込む方法を紹介する。画像取り込みのデバイスは,使用者のハードに依存する場合が多いが,ここでは代表的な方法をピックアップした。

*:画像数が100コマ程度まで。

ハードウェア コストパフォーマンス 画質 スピード
アナログビデオカメラ
デジタルカメラ
フィルムスキャナ *
フラットベッドスキャナ *
フォトCD *
凡例:大変良い,良い,標準的,悪い
上記で取り上げた項目のなかで注目したいのは,時代を逆送する様だが,アナログビデオカメラであろう。ある程度対象物が大きく,視野いっぱいに取り込む事が可能ならば,スピードからいって優るものは恐らくないだろう。フォトCDやフィルムスキャナ,フラットベッドスキャナの場合,撮影・現像(プリント)の作業が加わり,時間を消費することになる。撮影を失敗したときにはそれは悲惨である。デジタルカメラの場合,画像転送時間に10秒程度(SCSI転送)必要であり,少々イライラしてしまう。画質においては大変良好であるが,機器の高価さには閉口してしまう。

画像取り込みで最も重要なのは,測定対象物がクリアに判る事である。逆に,あまりにも高解像度の画像は不要な事であり,必要最低限の解像度を持つ画像で十分である事が言える。そのような画像を使用すると,1)メモリの消費 2)アプリケーションやシステムへの負担増 3)ファイルサイズの肥大化,等が生じ,結果として作業能力が低下してしまうので注意したい。われわれの場合,4000画像を取り込んだ場合,アナログビデオカメラを使用する事によって数週間で完了する事が出来た。これをデジタルカメラ等の他のデバイスを使用していたら,数ヶ月はかかったことであろう。

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画像入力時の注意

さて,画像を入力する前に幾つかテストしておかなければならない事がある。まず,画像スケールのキャリブレーションを行うために,血球計算板や接眼マイクロメータ等,長さが判っているスケールを入力しておく。さらに,顕微鏡の光源の明るさ,コントラスの調整等,取り込む画像の全てが一定基準で取り込める様に念入りに調整する。
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画像の保存〜ファイル形式の注意〜

NIH-Imageのマニュアルにも記載されているが,スキャナやビデオカメラで画像を取り込んだ後の画像の保存方法に注意したい。マッキントッシュで一般的なファイルフォーマット「PICT」形式で保存するとき,オプション設定によりQuickTime(TM)を使用したJPEG圧縮を行う事が可能である(Quick Time(TM)をインストールする必要あり)。この場合,本来の画像情報が失われる可能性が高い(JPEG:JFIFでも同様)。「PICT」形式で保存される場合は圧縮してはならない。
参考に培養細胞を倒立顕微鏡で撮影し,異なるファイル形式で保存した画像を示す。左の大きな画像が元の画像で,枠線部分を拡大したのが右の写真である。PICTは「PICT形式(JPEG標準圧縮)」で保存したもの,TIFFは「TIFF形式(非圧縮)」でそれぞれ保存し,拡大したものである。矢印で示したポイントにおいて画像情報が異なっているのがわかる。特に色情報は顕著で,赤色を示すものは緑色になりやすい様だ。

このような現象が発生しているにもかかわらず,面積を測定した場合,誤差が生じてしまう可能性が高い。

よって,画像を取り込んだ場合,以下のフォーマットで保存しなければならない。
注:圧縮後のファイルサイズはあくまでも参考値で,画像によって圧縮率が異なる。

Photoshop4.0のアイコン
ファイル形式 TIFF(非圧縮) Photoshop

PICT

(JPEG標準圧縮)

JPEG(JFIF)

(標準圧縮)

ファイルサイズ(TIFFを100%とした場合) 100% 約100% 25% 10%
使用可・不可 不可 不可

画像解析を行う場合,画像を256色のグレースケールに変換する場合が多い。その場合,ファイルサイズがフルカラー画像の1/3に押さえる事ができる。元画像を保存しておくのもよいが,PICT(JPEG圧縮)使用して,画像の確認用に別に用意しておくのも1つの方法だ。それらのプレビュー用の画像をBILLETE(株式会社クボタ)やKudo Image Browser(IMSPACE SYSTEMS),Q-Pict(Rune Lindman氏作)等でデータベースを作成しておくと後々便利だ。

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