3)多染性赤芽球・I(図 2m,n):
mは分裂直後から細胞質の好酸性の色調増加。クロマチンは粗大塊状。細胞質の塩基好性は残存。血色素の好酸性色調と重なり多染性赤芽球と呼ぶ。
4)多染性赤芽球・II(図2p,q):
qは直径4〜5マイクロメートルの球状の核が容積の約半分を占める・脱核の終了で網状赤血球となり,血色素合成能がわずかに残る。
こうしてみると,直径の異なる同一名称の細胞があることか十分理解できる。
分裂像は一括できるが,分裂直後からは直径だけでは分類できず,核の直径とクロマチン構造,細胞質の色調で鑑別する。一般に骨髄像の報告書には大赤芽球(マクロブラスト)の欄があるが,大赤芽球をどう鑑別するのが問題点であり,妊娠後半の大球性貧血の理解,大赤芽球の臨床的意義,その鑑別では,赤芽球系の形態学的な解析と表現2)が必要になる。
読者は赤芽球系の鑑別で細胞分裂に伴う直径,容積の鋸歯状の変化(図1)をどのように判断し見分けておられるだろうか?
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