麻酔専門医試験合格者が語る!【その1】

2012年10月17日

専門医試験に合格したW先生から、試験の感想が届きました。

W先生 (現在出張中。麻酔とペインクリニック外来を担当)

勉強を本格的に始めたのは5月からで、それより前に過去問集は買っておいて暇な時にめくってみたりしてました。私は夫婦共働きで2才になる子供もいるので、家ではほとんど勉強はできないと思い早めに始めました。

勉強と言っても過去問集を反復練習して、麻酔科学会が発表している過去の口頭試問の答え作りです。今年から試験は筆記試験と口頭実技試験の間に1週間空いたので、過去の口頭試問の答え作りをしたあとは、筆記試験対策に直前まで時間をさけました。

筆記試験の感想は、プール問題と言われているA問題が、一応7年分の過去問をしましたが20問位見たことがない問題がありました。あと2個選べ形式が多く、あいまいな知識では解けないようになってきています。BC問題は新作と臨床問題ですが、小児先天性心疾患、産科領域の問題が多くあった印象です。受けたあとの感想は、本当に落ちたと思いました。でも受かっていたということは、みんなもできなかったのだと思います。

口頭試問は、試験官の先生が二人並んで座ってらっしゃって、1問づつ担当されています。僕は、もやもや病の麻酔と気管形成術の麻酔でした。とても難しく、緊張もあり何を答えたかもあんまり覚えていません。

実技試験は、内容は、分離肺換気、硬膜外麻酔、ACLS、始業点検と一般的でしたが、一つ一つ部屋が異なるので、手技によっては時間がなく急かされながら行いました。

結局、無事受かってよかったのですが、年々難化傾向にある印象です。現在中規模病院に出向していますが、まずここでは、出会うことのない疾患の麻酔について具体的に問われています。また、まだ難問ではないですが、ICU、ペインクリニック、緩和ケア領域の具体的な知識も問われています。幅広い手術症例とICU、ペインクリニックなどを併設しているような大規模な病院でしっかりと研修してたくさんの症例を経験しないと厳しい試験になりつつあるのかもしれません。

麻酔科専門医を目指すのであれば、まずは大きな病院で研修した方が良いと思います。