杏林大学整形外科
Department of Orthopaedic Surgery Kyorin University Graduate School of Medcine,


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杏林大学整形外科専門研修の特徴

本研修プログラムでは、基幹施設において脊椎外科、関節外科、スポーツ医学、外傷、腫瘍、小児などの専門性の高い診療を早くから経験することでき、整形外科専門医取得後のサブスペシャリティ領域の研修へと継続していくことができます。また連携施設においては、主にcommon diseaseである骨折の症例が多いので外傷に関する知識、手術手技を研修中の早い段階から自ら実践できる特徴があります。基幹施設である杏林大学医学部付属病院における研修では、サブスペシャリティに対する専門性の高い研修に加えて、大学の本来の特徴である基礎研究の側面を活かし、その後の大学院進学に備えた臨床研究および基礎研究への深い関わりを持つことができます。
研修プログラム終了後の進路としては、大きく分けて大学院へ進学するコースと、直接サブスペシャリティ領域の研修に進むコースがあります。大学院へ進学する場合、研修終了の翌年度より整形外科に関連する大学院講座に入学し、主に基礎研究を行います(骨代謝、腫瘍、脊髄・神経などの基礎研究)。大学院卒業後はサブスペシャリティ領域の研修に進み、各分野の臨床、研究に従事しますが、国内外への留学で、さらに研究の幅を深める選択肢もあります。一方、研修プログラム終了後にサブスペシャリティ領域の研修に直接進む場合には、進みたい領域の専門診療班に所属し、大学ならびに連携施設において専門領域の研修を行います。いずれのコースにおいても研修終了翌年度から行うためには、専攻研修4年目の6月の時点で、後述する修了認定基準を満たす見込みが得られていることが必要です。

① 杏林大学医学部整形外科

1971年に開講し、2011年に開講40周年を迎えた教室です。初代河路 渡教授、2代石井良章教授、3代里見和彦教授と続き、2011年からは市村正一教授が教室を主宰しています。その特徴としては主に脊椎班、腫瘍班、関節班、外傷班、4つの診療班からなり、その他小児整形、骨粗鬆症の専門医も所属します。さらに日本最大の施設を有する救命救急センターを有し、救急医学と整形外科が連携し診療にあたっています。基礎研究は、骨代謝班、腫瘍班、神経生理班からなり、学位取得のための研究を行っています。大学における研修では、それぞれの診療班に所属して研修することによりサブスペシャリティに対する専門性の高い研修を受けると同時に、基礎研究に携わることにより臨床対する関わりを深く持つことができます。臨床班と基礎研究班の連携により、リサーチプログレス(研究進捗検討会)やジャーナルクラブ(論文抄読会)を通じて基礎研究から臨床研究に関して総合的な研修を受けることができます(週間予定参照)。

表2. 杏林大学整形外科 共通週間予定

 
  術後カンファ        
午前   手術     手術  
午後 教授回診
術前カンファ
抄読会
手術     手術  

表3. 杏林大学整形外科 診療班別週間予定

 

午前
    脊髄造影   腫瘍カンファ
神経生理抄読会
 
午後 診療班カンファ 脊椎カンファ
関連病院脊椎カンファ
骨代謝カンファ 病理カンファ 外傷カンファ  

②専門研修連携施設

基幹型臨床研修病院として年間700例以上の手術件数を取り扱う東大和病院は、外傷のほか脊椎手術を年間100件以上行い、手外科学会認定研修施設にも指定されているサブスペシャリィティーの研修に適しています。その他、佼成病院、JCHO山梨病院が基幹型臨床研修病院に当たります。協力型臨床研修病院は、小山記念病院、加納岩総合病院、清智会記念病院、三鷹中央病院で、これら病院は救急医療としての外傷に対する研修が可能です。目白第二病院は、外傷、救急に特化した病院です。白河病院は県内有数の透析患者数で、一般整形外科診療のほか透析性骨関節症の臨床研究を行っております。久我山病院、調布病院は地域に根差した医療を提供し、専門的な治療が必要な場合は杏林大学に紹介できる連携施設です。いずれの連携施設も豊富な症例数、手術件数を有しており、連携施設研修では毎年100件以上の手術執刀経験を積むことができます。また執刀する症例は原則として主治医として担当することで、医師としての責任感や、患者やメディカルスタッフなどと良好な信頼関係を構築する能力も育んでいきます。

③研修コースの具体例

杏林大学病院整形外科の専門研修施設群の各施設の特徴(脊椎外科、関節外科、スポーツ医学、手外科、外傷、腫瘍)に基づいた研修コースの具体例として下表を示します。各専門研修コースは、各専攻医の希望を考慮し、個々のプログラムの内容や基幹施設・連携施設のいずれの施設からの開始に対しても平等に対応できるような研修コースを作成しています。また、一年間の地域部医療を経験できるよう配慮しています。流動単位8単位については、必須単位取得後にさらなる経験が必要と考えられる分野や、将来希望するサブスペシャリティ分野を重点的に研修することが可能です。

表4. 研修施設ローテーション予定

  1年目 2年目 3年目 4年目
研修医① 大学 東大和 白河 大学
研修医② 大学 佼成 加納岩 大学
研修医③ 大学 JCHO山梨 小山記念 大学
研修医④ 大学 加納岩 東大和 大学
研修医⑤ 大学 小山記念 佼成 大学
研修医⑥ 大学 白河 JCHO山梨 大学

表5. 研修担当分野ローテーション予定

  研修医① 研修医②
研修分野 1年目 2年目 3年目 4年目 終了時 1年目 2年目 3年目 4年目 終了時
大学 東大和 白河 大学 大学 佼成 加納岩 大学
脊椎6単位 3 3 6 3 3 6
上肢・手6単位 3 3 6 3 3 6
下肢6単位 3 3 6 3 3 6
外傷6単位 3 3 6 3 3 6
リウマチ3単位 3 3 3 3
リハビリ3単位 3 3 3 3
スポーツ3単位 3 3 3 3
地域医療3単位 3 3 3 3
小児2単位 2 2 2 2
腫瘍2単位 2 2 2 2
流動5単位 2 3 5 5 5
合計 12 12 12 9 45 12 12 12 9 45

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